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武装蓮金 ソウヤ×パピヨン

>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

・武/装/錬/金のソ/ウ/ヤ×パ/ピ/ヨ/ン
・生まれて初めて書いたので、拙い点は多めにみてやってください。

ソ/ウヤは一人部屋に篭り、一心不乱に、時折何かを思い出すように手を止めては
ノートにペンを走らせていた。その様子はかなり苛立っているように見える。

「ほう、この家では客に茶も出さんのか」
不意に聞こえた聞きなれた声にはっとして振り返ると、そこには見慣れた毒々しい
仮面と破廉恥極まりない衣装を身に着けた彼が、ベッドに腰掛け口元に薄く笑みを
浮かべこちらを眺めていた。
「な…!ちょっ、あんたどこから入った!?」
ノックはしたんだがな、と言いながら窓を指差し
「忙しそうなんで声を掛けなかったんだが…全く、そんな注意力でよくムーソと渡り合えたものだ」
彼のその言葉に、ソ/ウヤは我が耳を疑う。
「あんた今、なんて…?」
聞けば、過去で出会ったソ/ウヤから『歴史を変えようと旅立った日』を聞いて
覚えていた彼は、その日に何が起こるか観察していたという。
「お前の父親に電話してみたら、急にお前がよそよそしくなった気がするとか
言っててな、今日は部屋に篭ってしまったと心配していたので来てみたんだ…
大役ご苦労だったな、ソ/ウヤ」
その言葉を聞いた途端、ソ/ウヤは彼に縋り付くように力一杯抱きしめた。

「なんだ、お前の望んだ世界だろう、楽しんだらいいじゃないか。両親にも思い切り甘えたらいい」
「そんなことは後回しだ、実は…」
確かに、人と緑と活気に溢れた町並みや戦いのない日々、すべて望んだ
ことが叶ったことは嬉しい。
しかし、ソウヤがこちら側(ソウヤが歴史を修正した平和な世界)にやってきてから
気づいたことがある。こちら側の記憶が鮮明になるにつれ、向こう側
(ムーソと蝶/成体によって破壊された世界)の記憶が徐々に薄らいでいるのだ。

「歴史を修正した結果だ。向こう側は無かったことになった今、こちら側で生まれ育った
ソ/ウヤに吸収・同化されつつある証拠だろう」
「…覚えているだけでも記録しておこうと思ったんだ」
机の上のノートを見つめながらソウヤは言う。
「嫌だ、あんたと一緒にいた時間が無かったことになるなんて、全部忘れるなんて!」
ソ/ウヤは彼に抱きついて、子供のように泣いた。こうしている間にも、記憶は消えていっている。
「こっちのあんたに会うのも、本当は怖かったんだ」
こちらの彼は顔も声も同じでも、ソ/ウヤが強くなりたいと願えば容赦ない厳しい修行を
つけてくれた彼でも、幼い頃熱を出して寝込んだとき、一晩中手を握っていてくれた
彼でもない。顔も見たことがない両親より、育ててくれた厳しく優しい彼は尊かった。
もうその彼はいないと確信したくなかった。

いつしか美しく誇り高く聡明で、一人でホムンクルスと渡り合える強さを持つ彼は、
ソ/ウヤにとって憧れ以上の存在になっていた。強さの反面、未完成のホムンクルスの
うえ病気のままの脆さを持つ彼を、自分が危険から遠ざけるんだと決意もした。
なんでも自分一人で出来る、そんな考えは思い上がりだった。おせっかいな彼の
おかげで気づいた。過去の彼と両親とで力を合わせてムーソを倒した、この成長した
姿を見て褒めてもらいたい、そんな願いも叶わない。

「なんだ、この俺では不満か?」
なだめるようにソ/ウヤの頭を撫でながら彼は言う。
ソ/ウヤは、記憶を全て失ったとしたら、このノートも若気の至りで書いた空想と
思うのだろうか、と思うと悲しかった。
「ごめん、あんた俺を育ててくれたのに…」
「信念で行動した末の結果には、代償への覚悟は必要でも後悔はいらないんだぞ」
ソ/ウヤは彼が苦笑したように見えたが、それがなぜかは分からなかった。
「俺は、何もかも忘れるのか?」
「たとえお前が全て忘れてしまっても、俺は忘れんぞ、過去で共に戦ったお前のことを…何十年でも何百年でも」
その言葉は、ソ/ウヤにとって何よりも嬉しかった。

「そのノート、出来上がったら俺にも見せてくれないか?」
彼はメモに今俺はここにいるから、と研究所権アジトの場所とロック解除のパスを書いて
ソ/ウヤに渡した。なんでも、最近は気が向いたので新薬の研究をしているという。
「向こう側には少し興味があるんでな…いつでも来るといい、俺がいなくても
蔵書庫の本は勝手に読んでいいぞ」
照れくさいから彼に見せるノートは編集が必要だ、なんて考えつつやっと泣き止んだ
ソ/ウヤは笑顔で答える。
「ありがとう、ちょうの…」
その言葉に、彼は明らかにギクリとする。
「おじさん!」
こちら側のソ/ウヤが使う、彼の呼び名だ。
「蝶のおじさんではないと言ってるだろう、パピヨンと呼べ!…じゃあ、またな」
パピ!ヨン!と高らかに叫ぶと、彼は夜空の闇に消えていった。
またな、か…過去の彼も言っていた。そういえば、向こう側で自分を送り出すときの彼は
そう言わなかった、きっとすべて分かっていたのかもしれない。
そして、あの特別な呼び名は父にしか許されていないのだ、とまた嫉妬を募らせる。
向こう側で彼に認めてもらおうと厳しい修行を乗り越えるたび、「それでこそあいつの息子」
と褒められ、その度苛立ちと同時に沸き起こる気持ちの正体が、最近ソ/ウヤにも分かってきた。
向こう側の自分の、例え一部であっても彼は覚えていると約束してくれた。そう考えると
ソ/ウヤはさっきより気が晴れるのを感じた。
今は早くノートを完成させて彼に会いに行こう。父を超えるという決意と彼への思いはきっと忘れない。

後日、ソ/ウヤは彼のアジトに出入りしていることが母にばれて諌められそうになったが
父のおかげで免れたとか、こっそり彼のアジトに入ったら見知らぬ屈強な男と彼が
睦みあっている姿を目撃してまた部屋に篭ってしまい、説得する彼を苦労させたとかなんとか。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

勢いで書いた、きっと後で後悔する。失礼しました!


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