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やんつん

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
長くなっちゃいましたが梅のたしになればと。
なんだか攻めがどんどんあほに……

相手の過去などどうでもいい、今そばにいるのは自分なのだからと、頭では分かっていても気になるのは己の狭い了見か並外れた独占欲の為せる業か。
以前、耐えきれずに尋ねてみた事がある。
自分だけだと天にも昇るような答えが拳と共に返って来た。
あれは物凄く痛かった。
ともあれ、そんな事があっても今なお付き合いがある以上、好かれてはいると思う。
そう思いたい。
この無駄にプライドの高い意地っ張りがその気もない相手にこうまで体を許すとは思えない。
しかし。
それならば。
普段からだってもう少しこちらに打ち解けてくれてもいいのではないか。
今日だって、おもいがけず偶然出会えた事が本当に嬉しくて、気付いた時には抱き締めてキスしてた。
ちょっと賑やかな大通りで。
この再会に人目など気にしていられない、そう思っていたのはこちらだけだったらしい。
次の瞬間には突き飛ばされて頬を張られて持っていた荷物が飛んできた。
かなり怒ってはいたようだが、それでも誘いにはあっさり乗って来た。
確かに、少々強引な提案だったかも知れない。少々驚いていたようだし。
しかし、多少の事は多目に見て欲しい。
そう簡単に会えないものと諦めていた所に偶然再会できたら、誰だって多少は舞い上がるものではないだろうか。
その辺りは理解してもらいたいと思うのは、やはりわがままなのだろうか。

部屋に入り、二人きりになるやいなや抱き締めてキスをする。
先程のようなことはないはず。間髪入れず押し倒す。
夢に見るほど焦がれた体を腕の中に閉じ込めて、思いのたけを存分にぶつける。
欲しい。
感触が、声が、匂いが、熱が、もっと、欲しい。
いくら触れても求めても足りない。
泣いて制止するのも聞かず、何度も……泣いて?
少し体を離し、あらためて見てみれば、震えながらぎゅっとつぶった目からぼろぼろと涙をこぼしている。感極まって、とはほど遠い泣き顔。
すーっと冷たいものが頭の中を通りすぎていく。

……しまった!またやりすぎた!

酷いなんてものじゃない。どう見ても無理矢理乱暴されたようにしか見えない。
もしこの場面だけを見せられたなら、草の根分けても犯人を探し出し、八つ裂きにしてもあきたらない、そんな惨状。
体が離れた事に気付いたのか、ゆっくりと起き上がる。寝台の上に座り直しこちらを見る。目が合った。
違う。こんな顔させたかったんじゃない。
とても嬉しかったから。
最初に気付いた時に向けられた笑顔が、
張り倒された後苦笑と共に差し出された手が、
食事の時の楽しそうに話す声が、
部屋に誘った時膨れっ面を装いながらも赤くなってうなづいてくれた事が、
とても嬉しかったから。
すっかり有頂天になり、だんだんと理性のタガが緩んでいくのに気付いていながら止められなかった。
やっと会えたのに。楽しそうにしてくれていたのに。
全部自分で台無しにしてしまった。
「すまない!あの……やりすぎた、その、本当に……」
感情が消えていくその表情に謝罪を続けることすら出来なくなった。
「……お前、頭の中、こーゆーコトしかないのか。」
「……。」
ああ、怒ってる。これは凄く怒ってる。
意外にも静かな口調の少しかすれた声が痛々しい。いっそ思いきり罵倒された方がまだましだろう。
目をそらす。顔どころかまともに相手を見られない。

「前にもあったよな、こんな事。」
あった。
その時には手掛り一つ残さず姿を消し、一と月以上音沙汰無かったのを押し潰されそうな気持ちで必死に探し回った。
やっと見つけた時、あの時の心情はちょっと言葉では表現できない。
「……その時、何て言ったか覚えてるか。」
その時の事は忘れようもない。
どれだけ想っているかを言葉を尽して切々と訴えた上ただひたすら謝り倒し、もう二度としないと誓ってやっと許して貰えた。
「……もう、二度と、こんな事はしない、と……」
「で、これか。」
言うべき言葉も見付からない。
あの時、許して貰えた後もその態度からぎこちなさが無くなるまで、かなりの時間がかかった。
どれだけ傷付けてしまったのだろう。
その時と同じ思いをまたさせてしまったのだろうか。
見付け出したときの怯えた姿が今と重なる。

嫌われた。今度こそ。
それだけならまだしも、もう二度と顔も見たくないなどと絶縁宣言などされたら。また姿を消されたら。
触れるどころか二度と顔すら見られなくなったりしたら。
生きて行く意味など無くなる。
「君を殺して私も死ぬ!」
「はあ?!」
そして自分が死んだ後、見知らぬ誰かのものになるくらいなら。
「一緒に死んでくれ!」
「何の話をしてるんだお前は!」
掴みかかると、べちん、と両頬が鳴った。平手で顔を挟まれたようだ。物凄く痛い。
「少しは落ち着け!それと、逃げないからちょっと力緩めろ。」
痛いんだよ。と言いながら視線で肩を示す。見ればツメがくいこんで血がにじんでいた。
慌てて手を離す。
「そりゃ、会えて喜んでくれるのは嬉しいけど、今日のこれはやりすぎだ。」
「……。」
返す言葉もない。
「……何をそんなに焦ってるんだ。」
焦っていたわけではない。手の届く所にいる。ただ嬉しかった。それだけだったはずなのに。
なぜいつも行きすぎる?
大切なはずの人を傷付けて。
……やはり会ってはいけなかったのだろうか。
これまでの事が、全て一人勝手な思い込みに思えてきた。
だとしたら、苦しませていただけなのか?
楽しんでくれていたように見えたのは優しさから合わせてくれていただけ?
私のしていた事は、大事な人を不幸にしていたのか?

ばちっ。
再び頬が鳴った。
もう痛いというより熱い。
「だから、ちょっとは人の話聞け。お前今またわけ分からん考え事してただろう。」
「わけ分からんとは失礼な。こんなに悩んでるというのに。」
だからなんでそこで吹き出す。
「いや、悪い。しかし、どうしてそう両極端かなあと思って。」
それこそわけが分からない。
「だからさ。さっきみたいに考え無しにただ突っ込んでくのと、今みたいに考えすぎて一人でがんじがらめになってるのと。」
「……君のせいじゃないか。」
そうだ。他ならぬこの想い人だからこそ、こうまで心が乱される。
「なら、なんで何も言って来ない?そんな悩みの元凶が目の前にいるのに、なんで全部一人で完結しようとするんだ。言えばいいだろ、文句でも何でも。……少しはこっち見ろ。」
「あ……え?!」
今の言葉はどう解釈したらいい?
どう考えても都合の良い答えしか出てこない。
そんなはずない。あんなに傷付けてしまったのに。

「君が優しいのはよく分かった。だから、そんな誤解させるような言い方はやめてくれないか。」
両頬が今度はぎゅ、とつままれた。たいして痛くはなかった。もう感覚が無いだけかもしれない。
「多分、当たってる。誤解なんかじゃ、ない。」
「じゃあ、君は……」
「腹がたつのはお前がやりすぎるからだ。いきなりこれじゃ、誰だって混乱するだろ。会えて嬉しかったのはこっちだって同じだってのに。」
本当に?喜んでくれていた?自分一人の空回りでなく?
恐る恐る手をとってみる。ちらりとそちらを見ただけで手を退こうとはしない。
思いきって涙の跡の残る頬に手を添えてみた。流石に身じろぎはしたが、真っ直ぐ見返してきた。
「許して、くれるのか?」
「だから言ってるだろう、こっちだって会えて嬉しいって。何度も言わすな。ばぁか。」
すねた子どものように頬を膨らませ口を尖らせてあらぬ方向へ視線をそらす。顔が赤い。
よく知った照れ隠しの癖。
ゆっくりと抱き締めた。
先程の熱のように激しいものではなかったが、より確かに思える暖かさ。
これが欲しかったのかもしれない。
そのまま静かに押し倒す。
「おい。さっきの今で……」
みなまで言わせず唇を塞ぐ。
ゆっくりと静かに、深く。
「仕切り直させてもらえないか。」
「仕切り直し?」
やり直したい。できるものなら。
台無しにしてしまった再会を、不必要に傷付けてしまった今日を。
「さっきみたいな真似は、しない。その……やさしく、する、から。
いやでも、あの、無理に、とは言わない。それこそさっきの今で言えることでは……」
今度はこちらの唇が塞がれた。予想もしなかった事に、頭の中が真っ白になる。
「ここまで来といて、そこで引くな。ばぁか。」
埋め合わせはしてもらうからな、という言葉に応えるべく、もう一度こちらから唇を塞いだ。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )ヤンデレ X ツンデレッテ コウデスカ! ワカリマセン!イジョウ、ジサクジエンデシタ!
元ネタはあるような無いような。
つかもう原型留めてません。
長々とお邪魔しました。


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