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Happily ever after

東野ケイーゴ氏の「名/探/偵/の/掟」で警部×探偵です。
萌えたぎった勢いで書いてしまった・・・
初めてで見苦しいところばかりな上に、
読んだことのある人でないと分らないかもしれません。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

「ハッピーエンドってどんな感じだと思いますか」

探偵が突然そう言い出したのは、
いつものように事件が解決した後のことだった。
因みに今回の事件がどのような話だったかは想像にお任せする。
まあいつものように、登場人物である我々にとっては
顔から火を吹くような展開の連続だった、とだけ言っておこう。

「さあ分らないな。私は作者ではないから」
彼の唐突な問いかけの意味が掴めず、私は曖昧に答えた。
そう言えばもう長いことこのシリーズに登場しているのに、
それはまったく考えたことのない問題だった。
「そうですよね」
探偵はそう呟くと、考え込むような顔をしながらソファに身体を預けた。
また随分と真剣に考えているものだ。
「だって自分たちのことですよ。気になるでしょう」
私の顔を見て探偵は言った。
「そうですね、例えばもしも・・・」
「もしも?」
「警部は捜査中に不慮の事故で殉職、
僕は追い詰めた犯人と相討ちになって死亡・・・なんていう
最終回だったらどうするんですか」

それは確かに嫌だ。ものすごく嫌だ。
しかし我々は所詮、神である作者にいいようにされる運命なのだ。
というか今この男が挙げたその例は、このシリーズの最終回としては
十分ありうる展開のような気がするのだが・・・
・・・いやいやいや!
「君が死ぬってことはないんじゃないか?主人公だぞ君は」
「主人公の探偵が殺された作品が、過去にいくつあると思ってるんですか」
「いや君は大丈夫だ、君は死なない」
「もっと論理的にお願いできませんか・・・」
まったく相変わらず煩い男だ。
こんな状況で『かの名探偵の元祖もそういえば死んでしまったなあ』
などと言える人間がこの世のどこにいると言うんだ!
「最終回はアレに決まっている」
「アレって何ですか」
『そして彼らはいつまでも幸せに暮らしました。めでたしめでたし』
そう言った途端、探偵から矢のような反論が返ってきた。

「ちょっと待ってください警部。
本格推理が謳い文句の作品の最終回に、それは微妙な気がしますね。
いやそれよりもまず、この作者に『探偵と刑事が結ばれてめでたしめでたし』、
そんな超展開が書けるのかどうかが問題な気がする」
一気にまくしたてて息が切れたのか、探偵は黙り込むと私に背中を向けた。

その顔が思い切り赤くなっているのを見てしまったら、
こっちの顔まで赤くなってしまいそうなので、私は黙って煙草に火を点けた。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

あの最終回はちょっと忘れる方向で。


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