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オリジナル、エルフ×ダークエルフとエルフのハーフその8

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                     |  思った以上に長くなってしまった…。(全編で)
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 長いのでその1から読むことをお勧めします。
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 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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「でも、あの人間はなぜ私たちにあんなことをさせたのだろう。もう少しまともなことをやらせてもよかったのじゃないかな」
『おぬし、あのハーフエルフを愛しておるな。孤独な、魂を百年以上も抱えたあのハーフエルフを』
「うっ」
『この儀式はおぬしの心の底からの望み。あのハーフエルフを抱きたいというな』
「それは…」
『どうじゃ?体だけでもつながった喜び。幾度もあのハーフエルフを抱いただろう、わしは無償で占ってもよかったんじゃがの、あまりのおぬしの一途さに打たれて』
「それは?」
『以前にも似たようなことがあっての。そのときは願ってるほうが無理強いをして相手と不仲になってしまっての。だがおぬしなら…』
「…俺が…」
『おぬしならあの孤独なハーフエルフを癒してやれると思ってな。まあ、そんなことは言ってもただの遊びじゃ、老婆のな』
「お前を…」
『まあ、ええもんみしてもらったわい、やはりハーフエルフといえども、肌が綺麗じゃのう』
ぷち。
頭に血管が浮かび上がる。
なんだかんだ言ってただ見たいだけだったのと違うか、あの老婆。
「?」
スペルが見上げてくる。
「何でもねぇ、とっとと寝てろ、俺が火の番をしてるから」
老婆の言葉が耳について、今日は眠れそうにない。毛布を被る。
スペルをひざに転がすと、満天の星空を見た。
「私の番になったら起こして、クィン」
「おう。それまで寝てろ」

星は光り、美しかった。
スペルが甘えるようにひざに顔を擦り付けてきた。
髪をなでる。
そのうち寝息が聞こえた。
いつも眉間に皺寄せて。何かを警戒するように眠っていたスペル。
あの夜から、変わった。子どものような無垢な寝顔。クィンの笑みがこぼれる。
安心しきって、何もかもを任せてくるような。
とろんとした目で、愛してるといった。
結局はあの老婆の計らいがなければこんな関係になることもなかったのだろう。
見られたことはいまだに根に持つが、とりあえず感謝、しておこう。
『ほうれ、よかったじゃろ?』
あの老婆の声が聞こえてくるようだ。

真っ暗。暗闇。
周囲には、ぽつぽつと青い炎がともっている。
それはなんだろうと近づけば、その炎の中に、人間が見えた。
人生。
その魂の人生だ。
一歩下がる。注意深く暗闇を見る。
分身ともなる石をはめたイヤリングがゆれる。
後ろを向く。そこに、それはいた。
『弟を、帰せ!』
叫ぶ。
だがそれは一つ魂をつまむと、骨だけの手で握りつぶした。
しゅう、と、青い魂の炎は消えた。
『やめろっ!』
だがその声は聞こえない。次々とそれは魂をつぶして行く。

「やめろ!」

「!…どうした?」
目を開けると、クィンがいた。
いつもの表情、優しくなでる手。
ああ、夢だったか、と、スペルは思った。額に汗がにじむ。
暗い、夢だ。
確かに、ぼろ布をまとった骸骨のようなそれが、カタカタと笑うのを見た。
大きな鎌を持ち――…死神か。
「顔色が悪い。寝ていろ」
「いや、いいんだ、今度はクィンが寝て」
起き上がると、火の中に枯れ木を入れる。
「分かった。なー、俺にも膝枕やってー」
「何を甘えているんだ。…全く」
反省する様子もなく、クィンはスペルのひざの上に頭を乗せた。
そのまま目を閉じる。彼は心底嬉しそうだ。
スペルは、まんざらでもない様子。
早々に寝付いたクィンの頬をなでる。
そしてそっと、その唇に唇を重ねた。

それから山道を歩いて町について、やっと皆に会えた。

皆が、無事を祝うように出迎えてくれる。
ベッドの上のケイは顔色が悪く、依然としておきる気配はない。
「ケイ…」
恐る恐る近づいてみる。
胸に手を当てると、上下しているのがわかって、ほっとした。
一気に疲れが襲ってくる。
いいや、休んじゃいられない。早く、早く助けなければ。
「ねぇクィン、何か分かった?」
レナが、恐る恐るといった風に話しかけてくる。
「ああ、まあ、分かった。ユウ、話がある」
クィンは助っ人要請にと、ユウに話しかけている。
スペルはその場から動けずにいた。体温はあっても、それでも低いわが弟に、眉をしかめている。
はやく、はやく。
焦ってはいけないと分かっているのに、心は焦ってケイの手を強く握る。
「スペル、休んだら?」
レナの姉、レイムがスペルのその様子に気づき、隣室で休むようにと促す。
レナは剣士だ。なのに、戦力になれないなんて。
あの次元は人間は入れない。
「そう、だね、少し疲れてるみたいだ。休むよ。ありがとう」
ゆらりと立ち上がる。
足がもつれて、クィンがそれを受け止めてくれる。
「大丈夫か」
見上げた顔は、泣きそうだった。

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