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オリジナル、人間の騎士団長×吸血鬼と夢魔のハーフ

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                     | ルナドンのレインと関係はあまりありません
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 楽しんでもらえるかな?
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 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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この世界には妖魔があふれている。
妖魔はどこかの山に群れて住んでいたり、一人でどこかの廃墟ですんでいたりとさまざまだ。
だが、妖魔の中には悪戯をするものもいる。しゃれにならない悪戯をして、殺される妖魔もいる。
 そして今日。夜明け、このだだっ広い館を歩き回る男がいる。
館はところどころが崩れ、蜘蛛の巣がはっている。随分と古い館らしかった。
手には大きな剣、その剣にはいろんな妖魔を蹴散らしてきたのか、血がついている。
そして屍が積み重なる部屋へとたどり着いた。腐臭がひどい。だが、そこには誰もいなかった。
どれもこれもみな、首に小さな穴が開いている。血を抜き取られている。
ヴァンパイアか。そう思い、隣の部屋を空けた。
 そこには、ベッドにしなだれかかった美しい妖魔がいた。
髪は腰まで伸びており、ワンピースのような服を着ているが、薄汚れていて、所々ぼろぼろになっていた。靴は履いていない。
男は剣を構える。
妖魔は、扉が開く気配に目覚めたようだった。
「あなたは…誰?」
小さな口から言葉がつむがれる。赤い瞳、長い犬歯。
「お前を殺しにやってきた。妖魔よ。隣の部屋の屍は全部お前がやったんだな?」
「そうです…お腹が空いていたの…だから…食べちゃった…。私を殺しにきたの?」
「そうだといっている。戦うか、妖魔よ」
妖魔は、立ち上がると、ゆるく首を振った。
そうしてみると女みたいだったが、これでも男らしいことは、胸がないことで分かった。
「いいえ、もうこんな寂しい世界は嫌。私を殺してくれる人を、待ってた」
そして男の前まで歩み寄ると、にっこりと笑って見せた。
花が、咲くような穏やかな笑み。
 そして手を組み、男の前に座った。まるで神に祈るかのように。
「…分かった」
剣をぎゅっと握る、その胸に突き立てた。
引き抜くと、血がしゅうしゅうと溢れ出て、妖魔はその場に倒れた。

妖魔は、満足そうな顔をしていた。

私は死んだ。
あの人間が殺してくれた。
もう、寂しくない。
もう、一人じゃない。
私は死んだ。
私は死んだ。
私は…
「!」
「アイオン様、目を覚ましたようですわ」
目の前には、知らない女性の顔。身なりからして、メイドだろうか。
「…?」
私は…死んだ、はず。
体を起こしてみようとすれば、激痛が胸に走って、力が抜けてベッドに倒れこんだ。
このベッドも、いつも自分が寝ていた埃っぽいベッドとはまるで違った。
豪華なシルクのシーツ。暖かい毛布。
「わ、私は…?ここは…どこ?」
見上げた天井は、いつものひび割れた天井と蜘蛛の巣のからみついたシャンデリアとは違った。
ここはどこだろう。不安に、辺りを見回すと、見覚えのある男が、少しはなれたところに椅子に座っていた。
「あ、あなた、は…うっ!」
しゃべろうとすると、胸に痛みが走る。
見てみれば、血にまみれたぼろぼろのワンピースは脱がされ、胸には包帯が巻かれたような感触があり、さらに綺麗なローブを着せられていた。
「胸が痛いか。貫いたからな。だがさすがはヴァンパイアだ、キズの治りが早い。俺のことがわかるか?」
「…はい。な、ぜ、私を殺さなかったの…」
痛みに耐えながらも、声を絞り出す。
「お前は、ただ人間を殺したようではなかったからな。生きるためだろう。それなら俺のそばにおいてやろうと思ってな」
「…?」

「つまりは、お前をペットにする」
ペット。この世界で珍しい妖魔や美しい妖魔をペットとして飼っている者も多い。
妖魔にとっては、特殊な力を抑制する効果のある首輪をされるので、逃げることができないというわけだ。
だが、この男…アイオンは、ただ単にペットにしたいから助けたというわけではなかった。
見せた笑顔があまりにも悲しげだった。
哀れだった。
 その妖魔を助けたかったなどと皆に言ったら、笑われるだろうか。
「あなたが…御主人様に?私の…御主人様?」
「そうだ。アイオンだ。お前は?…無理にはしゃべらなくていい」
「…っ、レ、レイン。ヴァンパイアと、夢魔のハーフです。今から、あなたのペットに、なります」
随分と素直だった。心に空虚のあるレインには、ペットになろうが殺されようが、もうどうでもよかった。
それに、もしかしたらこの人間が、自分を満たしてくれるかもしれない。
アイオンが机の上においてある首輪を持ち上げる。
青い首輪だった。
「この首輪を」
アイオンが、メイドに首輪を渡した。
一見何の変哲もない首輪だったが、これは妖魔の力を吸収する。
「あ、自分でやります…」
胸の痛みに耐えて起き上がる。
メイドから渡されて、その首輪を首に巻きつけ、固定した。
その途端、レインは意識不明になってしまった。
ベッドに倒れたレインは、汗をかいていた。
首輪はきつく閉められていないはずだが、その威力は相当なものだった。
 あわてたアイオンが首輪を緩める。しかし効果はない。
「リスティ、鶺鴒を、調教師を呼んでこい」

「はい、分かりました!」

「あーあ、この首輪は妖魔の体力を相当吸い取る奴だぞ。こんなのされたらか弱いこんな妖魔は倒れちまう」
ペットの調教師の鶺鴒が、カチャカチャと首輪をはずすと、持ってきた赤い首輪に付け替える。
「…」
程なくして、レインは目を覚ました。
「すまなかった、大丈夫か」
「はい…少し、胸の痛みが響くようになっただけで、さっきのように意識を失いそうな感覚はありません」
「従順だね。調教したら面白いことになるぜ、アイオン様よ」
鶺鴒が、まじまじとレインの顔を見て、アイオンに悪巧みを吹き込んだ。
だがアイオンは、調教などするつもりは毛頭なかった。
「レインにはそんなことはさせない」
「お硬いねぇ」
しかしこの首輪はといえば、アイオンの親友でもあり有能な仲間でもある、雷折が持ってきたものだ。
これなら絶対に大丈夫だといわれたが、大丈夫じゃなかったのはレインのほうだ。
きっと逃がさない目的で仕入れてきたのだろうが…。
「あの、御主人様」
小さな声で、アイオンの耳元で言った。
「なんだ?」
「…お腹が空きました」
斬られて血を噴出したのだから、食事で補給した方が良いだろう。
「パンでも食うか?」
「あの、私の食事は…血と、そして半分夢魔なので、精気です」
その瞬間、辺りにいる皆が頬を赤くした。
夢魔の精気収集といったら、人間もする口淫だ。
だがそれを恥とも思わないレインにとっては、なぜ皆の動きが急にギクシャクしたのか分からなかった。
「あの、御主人様?」
「な、何だ」
「御主人様の精気、貰えませんか?」

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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 続きます
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
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