P/e/t/s/h/o/p/O/f/H/o/r/r/o/r/s/ レオン×D伯爵→王(テッちゃん)
更新日: 2011-05-03 (火) 18:07:50
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「はーくしゃくー!!」
アメリカのチャイナタウンにある、小さなペットショップ。
何でも取り揃えているという店に、今日も乱暴な刑事が足で扉を開く。
名はレオン=オルコット。これでも刑事だ。
「なんです、また!足で扉を開けないでくださいとあれほど!」
ちょうどティータイムだったD伯爵は、むかむかと席を立ってレオンに怒鳴りつけた。
ドアは壊れなかったが、きっちり足跡がついている。
「あん?まあそうおこんなよ、ホレ」
と、差し出されたものは、有名洋菓子店のケーキワンホールだった。
「ああっ、それは!!はい、刑事さんそこに座って、お茶を今お出しします」
(ちょろいな)
いそいそとレオンの分のお茶を用意するあたり、まんざらでもないようだ。
「そういや、なんだっけ、えーと、あの素菜(スーツァイ)作ったー…」
ぴた、と、D伯爵の行動が止まる。
「ああ…ミスター王(ウォン)ですか?」
ゆっくりふり向いて、レオンの前にお茶を置いた。
全部が野菜でできているという精進料理を作り、水中百花杏仁豆腐で伯爵の心を射止めた人物の名である。
「そーそー、そいつ。どうなんだよ、どーせアレから連絡ないんだろ」
けらけらとお茶を飲みながらその話題に絡んでくる。
…が、実は内心気が気でない。
あの男、ただならない。それに、甘味でD伯爵はすっかり王の掌中だ。
「いえ、今日も夕方からお誘いがありますが」
その言葉に、思わず茶を噴出すレオンだった。
「あなた、お茶もきちんと飲めないんですか」
呆れ顔のD伯爵の肩をつかむと、大真面目な顔で、レオンは問い詰めた。
「あのよ、誰がどの場所に行こうと勝手だけど、お前何もされてないよな!?もしくはされる予定はないよな!?」
「されていますよ」
「へ!?」
一気に胸に絶望が広がる。
珍しくしゅんとしていると、D伯爵が手を合わせて、うっとりとつぶやいた。
「ああ、今夜はどんなお菓子が食べられるのでしょう、楽しみです。それはそれは素敵なおもてなしをされていますよ」
なんだ、そういう意味か、と、ぽりぽりと頭をかく。
「それが、何か?」
にっこりと微笑む。その笑顔からは何も読み取れない。
「そのうち…ディーが食われるぞ」
「構いませんけど」
またもにっこりと笑む。
その言葉を気に入らないのがレオンだ。D伯爵から離れると、あからさまに不機嫌になりながら、茶をあおってタバコに火をつけた。
けれど正直、鈍いレオンには、なぜこんな感情がうまれるのかは分からなかった。
ただなんだか腹が立つ、D伯爵の浮かれ具合が気になる、まるで珍しい動物を見つけたかのような喜び方。
実際、珍しい動物を見つけたから嬉しいのであって、お茶の話に乗っているのだが、口が裂けてもそんなことは言わない。
けれど。
レオンがこうして心配してくれることは嬉しい。
「ありがとうございます」
柔らかい声で、そういった。
「あ?」
それから数日がたつ。
世間では死体が出る事件であふれている。ああ、と思った。
この男の仕業だ。
王の手がD伯爵の滑らかな素肌をすべる。
「ワインには処女の生き血を」
服が脱がされて行く。
自然と目を瞑る。
「伯爵、あなたの肉はとろけるように甘いことでしょう」
刃物が振り下ろされようとしているのが分かる。
どこが切られるだろう。
肩?首?腹?
このトウテツに切られるなら悪くない。
D伯爵は、ペットショップに王を招いていた。
いつもは招かれている側だから、たまにはと。
そこで口付けされて、ソファに押し倒された。
食われるかな、と、思ったが、それでも構わなかった。
トウテツだ。あの幻のトウテツが手に入るのなら、食われても構わなかった。
このトウテツになら…。
振り下ろされるのかと思っていた包丁は、弾丸によって弾き飛ばされた。
「!」
「そこまでだ王!伯爵から離れろ!」
レオンの声だった。同時にばたばたと、警察官たちが押し寄せてくる。
あっという間に、王は逮捕され、拘束された。
殺人罪だそうだ。彼のアパートから死体がゴロゴロ見つかったらしい。そう、レオンは話した。レオンに起こされ、身支度を整える。
殺人。そんなことは予想がついていた。
ただトウテツさえ手に入ればよかったのに、すんでのところで邪魔が入った。
「…いいところだったのに」
と、D伯爵は言った。
「このオタンコナス!!」
レオンから本気の罵声が飛んでくる。
だがレオンからすれば、D伯爵が犯され、文字通り食われる前でほんとに良かったと思っていた。が、やはりこんなことは言えない。
しかしそんな危ない男にほいほいくっついて行くD伯爵もD伯爵だ。
一発殴ってやりたい。
D伯爵はそっと部屋から出た。ちょうど、誰もがこちらを注目していないときだった。
「刑事さん」
「なんだよ」
まだ怒っている。
そんなレオンにくすりと一つ笑うと、いつもの笑みはどこかへ消え、心から笑っているかのような笑顔になった。
「お?な、なんだよ」
「いつもありがとうございます」
少し背伸びすると、そっとレオンの唇に自分の唇を重ねた。
「!!な、なななななななな!?」
思わず驚いて後ずさりするレオンに、D伯爵も困ったように笑う。
「お礼です。嫌、でしたか」
「いやっ、別に、ああ、もう!事情聴取するからそこで待ってろよ、ディー!!」
「はい」
顔が真っ赤になってるレオンが少し可愛いと思えてしまう。
明日またペットショップに来たのなら、美味しいお茶をご馳走しましょうか。
終
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ ああ、最初に言葉入れ忘れた!
| | | | ピッ (・∀・ )
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旧も見たいといってくださる方がいたので書いて見ましたが、
伯爵デレてます。
このあと伯爵似のアジアン雑誌でピーしてしまうレオンまで想像しました。
お粗末さまでした。新の方の感想ありがとうございます!
- ああううぅ!! すみませんイキナリ変な声をあげてしまって... でも、叫ばずにはいられませんです。可愛いです!!萌えです。 -- ロシオ? 2011-03-29 (火) 13:19:21
- ああううぅ!! すみませんイキナリ変な声をあげてしまって... でも、叫ばずにはいられませんです。可愛いです!!萌えです。 -- ロシオ? 2011-03-29 (火) 13:19:24
- ああううぅ!! すみませんイキナリ変な声をあげてしまって... でも、叫ばずにはいられませんです。可愛いです!!萌えです。 -- ロシオ? 2011-03-29 (火) 13:20:22
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