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51と53

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
アイシ三兄弟。長男と三男のやりとり。長男×次男前提で。
すんごく短いですがドゾ-

カチリ、カチリ、カチリ
それは、砂壁に架けられた安物の時計が刻む音……
ではなく、小一時間前に些細なことから言い合い、罵り合い、殴り合いへと発展した挙げ句、この夜中に飛び出していった恋人へ安否の連絡を入れるか否かを躊躇する音だ。
半分無意識なのだろうか、ほぼ規則的に携帯電話を開いたり閉じたりしている十/文/字の目は、空中の一点を見据え、開閉を繰り返す度に眉間の皺を深くしていた。
戸/叶は、先刻の二人の下らない喧嘩に口を挟むでもなく、時雨る夜半に傘も持たずに出ていった相手を想う目の前の男に何を言うでもなく、淡々と漫画雑誌を捲っている。
さあさあと流れる水音と、粗悪な紙擦れの音と、無機質な開閉音、それに
気付かれまいと息を殺して僅かに吐き出された溜め息が重なった時、戸/叶はいきなりばさり、と雑誌をテーブルの上に放った。
突然の物音に、十/文/字は肩を震わせる。拍子に手から携帯が滑り落ち、開いたままで畳の上に転がった。
「―何、いきな」
「さっさと行ってこい」
十/文/字の声を遮って戸/叶は吐き捨てた。
面倒臭そうな口調と声のその裏には、二人の強情な親友への気遣いが含まれていることを十/文/字は察する。

その証拠に、戸/叶の口元はうっすらとほころび、サングラスの奥の目はだだをこねる子をあやすように和らいでいた。

ああ、この男にはいつもかなわない、と十/文/字は思う。
「……サンキュ」
立ち上がる自分を見届け、また雑誌に手を伸ばす戸/叶の肩を叩く。戸/叶はそこでようやくニヤリといつもの笑みを浮かべ、傘は一本しかねえけど、と付け足した。
「悪ぃ。明日返すから」
「―そうそう、ちゃんと髪乾かしてやれよ。あいつまた風邪ひくぞ」

思わず振り返ると、あと、ちゃんと朝起こさねぇと追加料金取られるぜー、と更に追い討ちをかけられて、十/文/字は前言撤回、と舌打ちながら、薄い木製のドアを勢い良く開けた。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

全部お見通しの三男でした。


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