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黒→赤

蛙の黒→赤
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

「軍曹さぁん」
部屋のドアを開けると伍長さんの赤い背中が見えた。
それ以外は誰もまだ来ていなかった。
「タマ.マか」
伍長さんは疲れた顔をして、部屋の真ん中に座っていた。
昨日遅くまで軍曹さんの手伝いをしていたから、きっと朝までそれは続いたんだろう。
途中で抜けて寝てしまうなんてことを伍長さんはできないから。
今日は朝から会議だったけどきっと軍曹さんはまだぐっすり眠ってるはずだった。
こんなに早くに軍曹さんが起きてくるはずなんてない。
早く軍曹さんに会いたくて、トレーニングをいつもよりも早く終わらせてやってきたけど、
軍曹さんはやっぱり姿が見えなかった。
だけど伍長さんは今日は会議だって知ってて、こうやってみんなが集まるのを待っている。
軍曹さんが起きてこないことを分かっていて。それでも。
「軍曹さんはまだなんですぅ?」
「ケロ.ロの奴…今日は会議だっていうのにまだ起きてこんのだ」
そういう伍長さんの声だって弱々しい。
欠伸をかみころしていつも強い光を放つ目はぱちぱちと瞬きを繰り返す。
伍長さんの隣に座って、昨日までの残骸を眺めていた。
カレーやハンバーガーで失敗したからって、今度はラーメンで攻略することになった。
けどこれで地球征服はきっとできないだろうなあと思う。
軍曹さんだってきっとそう思っていて、クル.ル先輩やドロ.ロ先輩も同じ気持ちで、
本気で征服できるかもしれないと思ってるのはたぶん伍長さんだけだ。
伍長さんはいつもいつも一生懸命、地球征服のことを考えてる。
軍人として。地球侵略部隊として。

ボクの軍曹さんは伍長さんのことが好きだ。
だけど伍長さんに嫉妬する気持ちになれないのは、伍長さんが軍曹さんの気持ちに気づいてないからなんだと思う。
地球人のナッチーのことを好きになってしまった伍長さん。
いつかは別れなければならないって分かってるけど、伍長さんはナッチーのことをとてもとても大切に思っている。
ボクが軍曹さんを好きみたいに。
軍曹さんが伍長さんを好きみたいに。
伍長さんはナッチーを好きになった。
ナッチー以外の誰もが伍長さんがナッチーのことを好きだって知っている。
けど伍長さんは決してそれを認めようとしない。
軍曹さんはそれをよく分かってて、辛いとは思わないのかなと思うけど、
それでもいいやって思ってるんだろうなと思うと、ボクの気持ちは少しも届いてないのかなと寂しくなった。
「お前も大変だな」
伍長さんはボクを見て、珍しく笑顔を見せた。
「そんなことないですぅ。伍長さんの方が大変ですぅ」
そう言うと伍長さんは、白い歯を見せてはははと笑う。
「ケロロとは長いつきあいだからな」
しっぽがある小さな頃から、軍曹さんは伍長さんを見てきたんだ。
きっと地球に来たら、伍長さんを独り占め出来るって思ってたはずなのに。
軍曹さんが少しだけかわいそうに思う。
あの女に対する嫉妬とは全然違う。伍長さんに浮かぶのは。
「伍長さん。みんなが来るまで寝てればいいですぅ。ボクがちゃんと起こしてあげます」
大きく胸を張ってそう言ったけど、伍長さんは首を振った。
「そういう訳にはいかない」

「伍長さんいつも言ってるですぅ。眠れる時に眠らなきゃ戦場では生き残れないって。
今なら寝てても大丈夫ですぅ。ボクに任せて欲しいですぅ」
伍長さんは少しだけ迷ったみたいだったけど、ボクの目をまっすぐに見て、
「そうだなタマ.マ。少しだけ見張りを頼む」
そう言って、腕を組み目を閉じた。
眠っている伍長さんを見るのは珍しくて、ボクはじっと伍長さんを見ていた。
軍曹さんの大好きな伍長さん。
小さな頃からずっと軍曹さんは伍長さんを見ていた。
その想いは伝わっても伝わらなくても、きっと軍曹さんはずっと伍長さんを好きで、
ボクもそんな風にずっと軍曹さんを想ってる。
軍曹さんとおそろい。少しだけ寂しいけれど。
すうすうと寝息が聞こえて、伍長さんの体揺れる。
伍長さんの頭がボクの肩に乗ったけど、伍長さんは目を覚まさなかった。
ずいぶんと疲れているんだろうと思う。
持っていたお菓子をそっと床に置いた。
伍長さんを起こさないように、肩を動かさないようにした。
もう少しすれば空気の読めないドロ.ロ先輩か、
ここを覗き見してるクル.ル先輩がやってくるだろうと思ったけど、
もう少しだけこのままでいてみたいと思った。
軍曹さんに早く会いたいけど、もう少しだけ眠っていて欲しいとも思う。
ボクが好きなのは軍曹さんで、伍長さんじゃ絶対ないけど、
だけどもう少しこのままでいたいと思う気持ちがなんなのか、ボクには分からなかった。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

色々見苦しくてすみません


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