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ヒーロー

しゃちほこ球団マスコット話
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

 俺は主人公じゃない。
 ただの脇役、引き立て役。お客さんが退屈してしまわないように色んなことをして気を惹き、場を盛り立て、特に飽きやすい子供たちの受けを狙う。道化役といってもよかった。
 球場に上がる前、選手たち、すなわち主人公たちは緊張する。彼らの気分を解すのも、一応は俺の役割だ。
「う…、う、く…っ」
 高揚した気分をこんなやり方で解消してあげるマスコットっていうのも、珍しいんじゃないだろうか。俺は古いロッカーの扉がガタガタ鳴るのを気にしながら、懸命に力を抜いてなるべく深く受け入れてやる。
 勿論みんながみんなこんな真似をするわけじゃない。いくら俺のケツや尻尾が性的だからといって、でかい頭のコアラに突っ込みたがる奴はそういない。でもこの顔がうまく、男を犯すというリアリティを中和しているようだ。
 彼らは決して女を抱くようにするのではなく、荒々しく、けれど道具扱いというには気遣いの見える力加減で俺で緊張を解す。
 ユニフォーム汚さないでね、というお願いは大抵聞き入れてもらえるけれど、中に出さないでね、というもっと切実なお願いは無視されることが多かった。まったく脇役は損なものだ。
 時間もないので、大抵の選手は寄り道せずに自分の快感を追う。ガツガツと突き上げられるのは最初の頃は苦痛でしかなかったけれど、最近は大分慣れた。
 なんだかイけないみたいだから身体を捩ったりよさげなふりをして煽ってあげようとか、イきそうだから腰の動きを早くしてあげようとか、そんなふうに考える余裕がある。
 俺はあまり出さない。

 そもそもあんなところにデカイもの突っ込まれて掻き回されるのでは快感どころじゃないし、これも仕事のひとつなら我を失うわけにはいかないだろう。男にこんなことされてイきたくないというプライドでは決してない。
 むしろ俺も気持ちよくなれれば苦にならなくて済むのにな、と思うことがある。
 時々気まぐれのように俺の性器も弄ってくれる選手がいて、やさしいんだかなんだかよく分からないけれど、それには一応感謝していた。
「う…、ン、ン」
 今俺の中にいる選手は、しかし、何故だか腰を動かさずに俺のものばかり触っている。気まぐれに手荒く擦り立てては、快感をかわすように根元をやわやわと揉まれたりして、ちょっともうやばい。
 俺ばかり膝をがくがくさせて息を荒上げて、選手は偶に息を詰める程度というこの状況がやばい。俺が先に射精なんかしちゃったら興ざめだ。
 触ってくる手を払いのけようとすると急に尻から性器を引き抜かれ、勢いよく奥へ突き立てられた。衝撃で顔を思い切りロッカーにぶつけてしまい、ぐしゃりと音が立つ。
 背骨がぴりぴりと快感で痺れていくのが怖かった。脚に力が入らない。だめ、イかせないで、と態度で懇願して身体を捩る。
 選手は面白がるように深い部分で硬いそれを揺らし、俺は震えてロッカーの扉をがしゃがしゃ鳴らす。
 だめだよ、本当に出してしまう。大体時間はどうなっているんだろう。こんなふうに遊んでいる余裕はないはずだ。俺も多少の余韻が残るくらいなら逆に頑張れるけれど、思い切り焦らされた挙句達してしまったら、本業に差し障る。
 こんなに脚ががくがくになって大丈夫かな、ちゃんと飛べるかな。
 出して終わりの選手と違って俺は後始末もしないといけないんだから、その辺の気遣いはしてほしいものだ。
 でも俺が何を思ったところで、所詮は脇役。主人公の気が済むまで弄られ、嬲られ、変なところをぐちゃぐちゃにされるしかない。

 声を出してはいけないのに、どうしても食い縛った歯の隙間からうめき声が漏れ出てしまう。もっとせめてかわいい声が出せればいいんだろうけれど、裏声で喘がれても迷惑だろうから、せめてロッカーについた腕に顔を伏せて隠す。選手が笑った気配で奥をぐっと突いた。
 そのときだ。古い扉が音を立てながら開いた。
 誰だろう。この時間ここで誰かがこうしているということは暗黙の了解になっているから、まったく興味のない選手が訪れることはない。まさか他にもしたい人がいたんだろうか。時間押していそうなのにどうしよう。
「お。忘れ物?」
「……いえ、別に」
 長い間の後聞こえた声に、息を吸い込んだ。ぎゅっと締めてしまったらしく、選手の性器が内部で角度を変えたのが分かった。
 ギギギとまた音を立てて扉が閉まる。後ろで選手が低く笑い、俺の腰を掴みなおした。
「時間ないみたいだから」
 何を笑っているんだろう。どうして笑うの。竦んでしまった身体は、性器が音を立てて深く入り込んでくる度にロッカーを揺らした。がちゃがちゃうるさい。でもそのおかげでびしょびしょに濡らされた部分からの水音が掻き消される。
 ───いえ、別に。
 そう言いながらあの人は、俺をどんな目で見ただろうか。剥き出しの尻を突き出して、明らかに勃起した状態で難なく男のペニスを受け入れている俺の姿を。
 きっと無表情で、少しだけ眉を寄せている。どうでもよさそうな顔をして目を逸らしたに違いない。まともな人だから、嫌悪感は間違いなく感じただろう。でも関係ないから。
 俺が何をしていても、主役のあの人には関係ないから。

「く…う、う…」
 強く目を閉じても、声が出る度にじわじわと涙が出てきてしまいそうだった。でも俺にとってはこんな切なさやつらささえ、気持ちよくなるための手段になっていて、選手の硬い手にごりごりと性器を擦られたときよりも余程感じた。
 背後の男が息を呑んで痛いくらいに奥へ捻り込んでくる。は、とゆっくり息を吐いていく気配。身体の中に熱いものが漏れ出して、充満していく。
 そんな奥に出されたら指じゃ届かない。どうやって出せばいいんだろうという現実的な心配も確かにあったのに、俺はそんなことにどうしようもなく興奮して、萎えたペニスを咥え込んだまま俺は自分のそれを擦って果てた。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!


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