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サスケさんの再起動

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ネオ桃山でゴエサス オオクリシマース!

「ぐ……こ、ここは……」

苦難の末に手に入れた2つの電池により、今までアイテム扱いをされていた最後の仲間が目を覚ます。
閉じていた目を開き、ぱくぱくと口を開ける。手がゆっくりと動かされた。

「サスケ!」
「サスケはんっ」
「サスケさん!」

彼を呼ぶ三重の声が重なる。その声で、ウォームアップ中であった彼は完全に覚醒した。

「……ゴエモンどの、エビス丸どの、それにヤエどのも!」

サスケは目をぱちりと開き、素早く上体を起こして……いや、若干硬直した後に、わなわなと震えながら仲間達を見上げた。

体を起こしたその瞬間、何かが胸元でふわりと揺れた。
その違和感につられて自分の胸元へ目線をやった瞬間にサスケは再び起動を止めていた。
見たこともない桃色づくしの服には彼にしてみればボロ雑巾にしか見えないフリルがこれでもかというくらいにあしらわれ、
おおよそ膝丈ほどのスカートから覗く足にはこれまたフリル盛りだくさんの足袋と真っ赤な南蛮の靴が装着されていた。
胸元では真っ赤な柔らかいリボンが揺れている。先程感じた違和感は恐らくこれだろう。
いや、認識した今となっては全てがおかしくて仕方ない。

「ゴエモンどの!?」
「は? い、いや、オイラじゃねえって!」

素早く怒鳴りつけると、ゴエモンは大慌てで否定する。ぶんぶん激しく手を横に振り、冷や汗を流しながらも訴える。

「オイラ達がおめえを見つけたときには、すでにそうなってやがったんでぃ!」
「な……」

ならば誰が好き好んでこんな服を着せるのだ、と問おうとしたところに、今まで見ているだけだった二人が口を開いた。

「ゴエモンさんの話は本当よ。私たちがざぜん町でサスケさんを見掛けたときには、既にこんなことになっていたわ」

手に入れた、とは言わない。本人の名誉のためにも。

「せやせや。それにどうせ着るんやったらわてが美しく……」
「殴り飛ばすぞ」
「ほにぃっ」

殺生な、と叫ぶ声が聞こえたのとほぼ同時に何かが潰された鈍い音がする。
潰れたのはエビス丸の頭であったりするのだけれど、サスケはそれを見なかったことにした。今さらだ。

続くようにボカスカ何かを殴り続ける音がして、ヤエは目を逸らし苦笑いを浮かべた。
こほん、とサスケが咳払いをする。

「それならそれで、せめて着替えさせておいて欲しかったでござる」
「南蛮の衣装だからどう処理していいかわからなくって。ごめんなさい」

心から申し訳なさそうにそう言うヤエを見ていると何も言えなくなって、なら仕方ないでござるが、とだけ呟いた。
この一行は基本的にエビス丸に厳しくヤエには異様なまでに甘い。
ヤエはごそごそと荷物をあさり始めると、これだ、と小さく呟いてから見覚えのある衣服を取り出した。

「もとの服はちゃんと預かってきてるんだけど……はい」

手渡されたそれを見て、サスケはやっと息をつく。
その色もよく肌(と言って良いものかは解らないけれど)に馴染む質感も、自分が見慣れた衣だった。

「おう、動きづれえだろ? さっさと着替えてきちまえよ。いつまでもそんな南蛮衣装を着てたってしゃあねえだろ」

いつの間にやら(一方的な)殴り合いを終えたゴエモンが軽く言い放つ。
サスケは一瞬固まってから

「当たり前でござる」

とだけ答えて、服をひっ掴み大樹の影に隠れた。

ゴエモンはなんでわざわざ隠れるんだ、と言いそうになって、隣にヤエが居ることを思い出した。
うら若き乙女の前で晒す物ではない、当然だ。一人頷くと、ヤエが不思議そうにゴエモンを見た。

「どうかした?」
「サスケの前にヤエちゃんが仲間になるのに慣れてないからよ。調子狂っちまったみてえだ」
「……そうなの?」

よく解らない顔で答えるヤエに対して、ゴエモンは苦笑いで頷いた。

一方大樹の影では、サスケが少々むくれ気味で着替えを始めていた。
ふう、と聞こえない程度に溜め息をつく。それから忌々しげに吐き捨てた。

「……そんな南蛮衣装、って」

確かに自分は女でも何でもないし、こんな物を着せられていた事への憤りも激しくあるのだが、
こうも反応が薄く素で返されるとそれはそれで悲しくなる。
それなりにイジって貰いたかった、と思うのはいつの間にやら自分に生まれた芸人魂のせいだろうか。
……いや、それだけとは言えない。
けれど、頭に浮かんだもう一つの理由は無かったことにしようとした。しかしサスケの口は正直だった。

「もっと他に何か言うことが……」

そう突いて出たのは無意識だった。
何かとは何だろうか。似合ってる? 可愛い?
そんなことを言われても苛々するだけだ。ふうと力無く溜め息をつく。

だが、笑いながらそう言う『彼』を思い浮かべた途端に何故か表面温度が熱くなっていくのを感じる。
気のせいだと言い聞かせた。しかし、一度浮かんだその想像が消えることはない。ぴたりと手が止まる。
もし、あの晴れやかな顔で「可愛いな」と言われていたら。それならば、今頃きっと――

「何ぼーっとしてますのや?」
「うひょおおお!?」

背後から飛んできた間の抜けた声に、サスケは思わず飛び上がって驚いた。
ぴょいんぴょいんと幾度か跳ねた後、振り返って声を張り上げる。

「エエエエビス丸どの! 驚かせないで欲しいでござる!」

いつの間に背後に居たのだろうか。驚きと自分の妄想に熱暴走を起こしかけながらも、サスケは必死で理性を保つ。
息を荒らげて猛抗議すると、エビス丸はいつものおちゃらけた顔でほにっと鳴いた。

「えろうすんまへんなぁ」
「まったく、びっくりしたでござるよ……」

この顔と声がいきなり間近で襲ってくるのは酷く心臓に悪い。
ゴエモンどのも重禄兵衛どのもよく耐えられたものだ……などと呟きながら、脱いだものを丁寧に一つ一つたたんでいく。
最後に履き物を整えたところで、エビス丸が口を開いた。

「サスケはん、その衣装なんやけど。わてが貰ってもええやろか」
「……入らないと思うでござるよ」

地獄絵図を想像してしまい、青ざめながらも鮮やかなピンク色のそれを相手に押し付ける。
似合う似合わないでなく入らないと言ったのは優しさであり残酷さの現れだ。

「大丈夫やて、わてやのうてゴエモンはんにやから」

それはそれで地獄だ。
忌々しげに扱った服ではあったが、今後の用途が不安で仕方ない。
悪いようにされないことを祈りながらも、サスケは愛しげに抱き締められたそれを力無く見つめていた。

【おまけ・その数日前】

「ところで、なんでまたこんなけったいな服を着せてやがったんだろうな?」
「ベンケイさんもああ見えて少女趣味だったのかもしれないわね」
「お人形遊びでっか。やー、人の趣味ってわからへんもんやなぁ」

絶対そうじゃないと思います。
思いますが、背中の上の人たちにそれを伝える術がありません。
第一心からそう思っている皆さんにそんなことを言うのは恥を晒すだけにしか思えません。
ママうえ、僕はどうすればいいのでしょうか。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

姐さん方のネタで萌えたからやってしまった。今は反省している。
ゴエサス分が薄くなってしまって申し訳ないです。


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