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ゆうはく 幽蔵(狐)

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

体の奥底から何かが突き上げてくる感覚に押されて目を開けると、視界は淡く光る銀色に覆われていた。
首を捻って見上げれば、やはり仄白く光って見える美貌が自分を見下ろしていた。
「うおぁ」
一拍遅れて出てきた声は、随分間の抜けたものだった。
寸分の狂いも無く整った顔が笑みを形作る。
「魘されていたように見えたが、どうやら大丈夫そうだな」
上から退かれるのを追って、自分も起き上がる。
「あー、なんか体ん中で暴れまわってる感じがしてたんだけどよ」
目覚めのインパクトが強すぎて治まっちまった、とは流石に口にはしない。
「まだ少し力を持て余しているんだろう。体力が有り余っていて眠れなくなる子供と同じだ。心配無い、じきに馴染む」
説明する声はどこか楽しげに笑みを含んでいる。
大きく一つ息を吐いてから笑い返した。
「やっぱお前はお前なんだよな」
言った途端、目の前の顔に疑問の色が浮かぶ。
「…それはオレの台詞じゃないか?」
「や、お前洞窟ですげー怖かったじゃねぇか。武術会で妖狐のお前見た時の感じと一緒で、違うお前見てるみてーでさ」

話しながら改めて目を向ければ、真っ直ぐ向けられていた視線と重なった。
「けどお前、オレが魔族んなっちまったつった時、その姿で笑ったろ。それ見て思ったんだよ、やっぱお前はお前だったってな」
湧き上がる笑みを素直に顔に出すと、妖狐の姿では初めてであろう柔らかい微笑が返ってきた。
「お前こそ本当に…変わらないな」
その表情の綺麗さに、今更ながら照れる。
思わず指先で頬を掻いた時、指に絡んだ髪の感触で自分の状況を思い出した。
「あ、そう言や髪」
「朝起きたらオレが切ってやるよ。だから今だけ、」
手を取られ、仄白い顔へと導かれる。
「魔族らしい遊びをしよう」
触れた掌に、獣の仕草で頬を摺り寄せてくる。
視線に誘われる。
一度は鎮まったものが、再びざわめき始める。
笑みを交わし合った。
それが合意の合図だった。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )ヨウコハ オガタボイスデ ドウゾ。


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