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雨と君と俺

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  某曲をイメージして書いたマスター&カイト話
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  曲が解る人はBGMにしても
 | |                | |             \ いいかも。
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
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「・・・・・昼までは晴れてたのに」

放課後。
バケツをひっくり返したような土砂降りの雨を前に、俺は校舎の玄関でひたすら途方に暮れていた。
夏に降る雨はどこか重々しく、薄暗い景色が憂鬱な気分に拍車を掛ける。
(ついてねー・・・・)
俺は憂鬱な気分と一緒にため息をついた。

ふと俺の横を仲の良さそうなカップルが良い感じの雰囲気をか持ち出しながら雨の中へと消えていく。
赤い傘の愛合傘。・・・・なんだろうか、この腹の底から湧き上がるドス黒い感情は。
・・・・ちくしょう。俺だって、俺だって、
脳内で「一緒に帰ろ」と傘をさし、眩しい笑顔でこちらを振り返る可愛い女の子が、
髪はフワフワでおっとり優しくていつも俺の事を気にかけてくれるそんな子が俺だって・・・・・
(・・・・・・うん。虚しいな・・・)
フッ、と自嘲の笑いを吐き出し、気をしっかり持つようかぶりを振る。
所詮は妄想。
そう、現実は厳しい。そんな女子がいないからこそ俺は未だにこうして玄関に立ち尽くしているわけで・・・・。
さて、これからどうするか。濡れるの覚悟でコンビニまでダッシュを・・・・・・

「ま、マスタァーーー」
「!!!!!っ!!??」

突然聞こえてきた声に、思わず俺は目玉が飛び出る勢いで驚いた。
声と共に濃い霧の奥から徐々に見えてくるのは、見日ごろ慣れたここに居るはずのない、
というか居ちゃいけない―――――

「カ、カイトっっ!!?」
「あっ!マスター!!
よかった、すぐに見つかって」

ふにゃっと笑うボーカロイドの青年が小走りで駆けてくる。
奴の右手には青い傘。左手にはなぜか近所のスーパーの袋。
「お、おまっ、なんで・・・!?」
「それが、さっき笑子さん(マスターの母親)におつかいを頼まれたんですよ。
その時雨が降ってるのを見て、マスター、今朝傘を持って行ってませんでしたよね。
丁度良い頃合かと思ってちょっと帰りに来てみました。大正解でしたねっ!」
と笑顔を浮かべるカイト。

こ、こいつは・・・・。何が大正解なんだ。
カイトの笑顔とは正反対に俺は顔が引きつるのを感じた。
そんであのオバンは何を考えてる!?おつかいとかカイトは使用人じゃねえって何度言えば(ry!!

「ね、マスター。よろしければマスターと一緒nむぉご!」
「マスターマスターここで連呼すんなッ・・・・!!(小声で怒鳴る)」
「は・・・・はふぃ(はい)・・」
下校する生徒がもの凄いジロジロこっちを見ていく。まぁ、無理もない。

「・・・・あのなぁ、カイト。俺、外出は禁止って言わなかったか?言ったよな?」
噛締めた歯の隙間から唸るような声色で彼を睨み上げて言う。
「う・・・・・・。え、えっと。その、
・ ・・・・・・・すみません・・・・」
ショボーンと落ち込むカイト。

「あのな、勘違いしてもらっちゃ困るが、俺は別に意地悪で言ってるんじゃないんだ。お前の事が心配だから言ってるんだからな。
・・・・・ったく、しかもよりによってこんな雨の日に出歩きやがって。
雨に濡れた所為で起動しなくなったりしたらどうするつもりだ!
それと真夏にコートとマフラー巻いてる男が道中ウロウロしてたら怪しいっつの!!」

・ ・・それに、
今、ここにいる「カイト」の存在はもしかしたら本来あってはならないものなのかもしれないんだ。
ソフトウェアであるはずのものが実体化して生活してるなんて、あまりにも非現実的。
もしこの事が世間に知れたら、それこそ今までの生活を続けていく事なんて出来ないだろう。
俺の白熱する説教に「はい・・・すみません・・・ごめんなさい・・・」とだんだん涙目でぺしょーんとなっていくカイトを見つめ、
こいつそういうとこ分かってんのかな。と、溜息が出た。

「いいか、分かったなら今後一切外出禁止!!破ったらアイス一ヶ月やらん!!」
「えええええええ!!一ヶ月ですかっ!?」
「出歩かなければいい話だろ。なんなら一年にしてもいいんだぞ」
「ああああ、いい、一ヶ月でいいです!一ヶ月で!!」

必死の形相で首と手を左右に振るボーカロイドの様子を見て、やっぱ分かってないな。と肩を落とした。

「あと、お袋には俺からよぉぉぉぉおおく言っておくから」
「・・・・・はい・・・」
しょんぼりとすっかり元気の無くなったカイトに、俺は思わず苦笑する。

本当は、こいつの気持ちだって解ってるつもりだ。
体があって、心があって、ほとんど俺たちと変わらない生活が出来るのに
ずっとあの小さな家の中にしか居られない。

「・・・・・あ。」

突如差す光に気づけば、厚い雲の隙間から太陽が覗き、
濡れたコンクリートは太陽の日差しをキラキラと反射させていた。
雨はいつの間にか止んでいたみたいだ。

「雨、止んじゃいましたね」
力なく笑うと、カイトは閉じたまま持っていた青い傘を紐でくるりと巻いた。
「にわか雨だったみたいだな」
俺は空を見上げたまま返す。
綺麗な虹が出来ていた。

虹から視線をカイトの方へ戻すと、彼もさっきまでの俺と同様、眩しそうに空を見上げていた。

「・・・・・ぶはっ!!」
「えぇ!?なっ、何で笑ってるんですかマスター!?」
「・・・だっ、だって・・・・!おまえ・・・・っ!!」
「え、ぅ、あ、あのっ!?お、おれ何か・・・?」

お前、まるでこの世の見納めみたいな情けない表情してたぞ。思わず笑っちまったじゃないか!
わけが解らず慌てふためいてるカイトを尻目に腹抱えて思いっきり笑う俺。
あー涙出てきた。
「・・・もう!いいですよっ」
とかやってる間にカイトはすっかり拗ねたご様子だ。

まったく、しょうがねぇ奴だなぁ。
今日だけはいいかな、なんて思ったのはただの気まぐれ。

「カイト」
「・・・・はい?」

俺は玄関から大きく一歩足を踏み出すと、カイトを追い越し、ふり返って言った。

「アイス、食いに行くか」

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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 801臭が薄くてスマソ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
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