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きがくるっとる

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

「こーらおいしいです」でお馴染みのAA
奥×手前

その日の彼は疲れているようだった。
玄関の鍵を三分くらいガチャガチャと鳴らし続けているので、どうやら様子がおかしいと思って開けてやると、彼は真っ赤な顔をしてドアの前に立っていた。

「タカシめ、にせものをわたしたな」
「それはくるまのかぎですね」
「タカシにかりたんですよ、あしたこらしめてやる」

まあおはいりなさいと彼の背中を室内に押し込む。
暖かい室内で少し元気を取り戻したのか、彼は冷蔵庫へとフラフラ向かっていった。
あ、と思った時にはもう既に遅かった。

「コーラ おいしいです」
やってしまった、と思い慌てて駆け寄る。すぐにビンを奪い取ってやった。

「いいえ それはしょうゆです」

そうですか、と彼は口のなかでまだ醤油を味わっていた。
カミカミスゥと旨そうに噛んでいる。
ぎゅうにゅうじゃあるまいしと呟くと、いつもの顔で「いいえ けふぃあです」と答えるのだった。

晩ご飯も食べおわり、自室で日課のストーカーごっこをたしなんでいると、ドアを撃ち抜く音がした。
はぁ、と作業を中断してドアに顔を向ける。
案の定彼の顔が嬉しそうにこちらを見ていた。
ほんもののすとーかーですね、と思いながらドアに近寄る。

「ざんぞうじゃないんですね」
「はい わたしです」

ああ、あたまがいたい。
ついついこめかみを押さえてしまう。

「いったいなんのようですか」
「ようはありません」
「ならどうしたんですか」
「とてもひまなんです」
「そう かんけいないね」

仕方のない従兄である、誰だって趣味の時間を中断されたら怒るだろう。
いつまでたっても「かまってちゃん」が抜けない奴の相手をするのも疲れる。
傍若無人なマイペースさが彼の長所であり最大の短所なのだ。

「ひさしぶりにふたりであそびましょう」

ぐいっと手を引かれるまま階段を転がるように駆けおりる。
ああそういばかいだんをぞうせつしたんでしたっけ。
これも彼の希望だった。
長い長い、どこまで続いているのか分からない階段は、彼のお気に入りだった。

「くうきとゆうごう たのしいです」
「きがくるっとる」

坂を転がるみたいに二人で階段を降りる。
足音もドタドタと騒々しいし、いいかげん疲れてくる。
それでも隣の彼はいつもの笑顔だった。

「ゆうごう たのしいです」
「そう かんけいないね」

全く関係無い。
毎日毎日彼の暇つぶしに付き合ってへとへとだ。
でも結局は分かっているのだ、「遊び」「暇つぶし」があるひとつの理由に過ぎないことを。

「ゆうごう したいです」

いつもこの言葉が出るのを待ってやっているのだ。
二十歳にもなれば小さい子供のようには言いだせないのだろう、子供みたいに階段を駆けおりる最中に言ってのけやがる。
小さい頃とは違うというのを彼も分かっているのだろう、遊びを口実・ごまかしにしているようだ。
マイペースなりに考えているなぁと瞬きをした。
そして、いつもの台詞。

「きが くるっとる」

わたしも、あなたも。
ゆうごういぞんですね、と身を寄せると、いつもの心地よい融解感が身を包んだ。
あくえりおんですねと言うので、頭頂部をバラバラにしてやった。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

撃沈orz
わたしじしん きがくるっとる


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