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TOI、ハスタ×リカルド、ネタバレ注意

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                     |  萌えが滾ったのでTOIのハスタ×リカルド
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  エロ無い上にネタバレ注意ダヨー
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 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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糧食の燃える臭いがする。
それは己の作戦行動の成功を如実に伝えていた。
穀物が焼ける臭いに混ざる死体の焦げた臭いが、慣れたものだと言っても鼻に付く。
しかし、今は饐えた臭いを厭う嗅覚よりも、目の前の男が問題だった。
同じ傭兵部隊に所属している、いや、所属していた男、ハスタ。
そして今、己に唐突に牙を剥いた。

レグヌムの軍勢は戦況を不利と見るや退却したのだろう。
おおよそ戦場に似つかわしくないガキ共が去った後、戦場には己とハスタしか居ない。
己と相対するハスタを目を眇めて観察する。
大振りの槍をふざけたように構える立ち姿の後ろを、黒い煙がゆっくりと流れ、
焦点の曖昧な赤い瞳が、今は炎を反射してちらちらとオレンジ色に輝いている。
いずれも見覚えのある光景だ。
もっともそのときは共に戦場を駆け巡る同志としてだったが。

――同志?冗談を言うな。こいつと同輩になった覚えは無い。

「先ほど言った通りだ。軍法に代わり、貴様を処分する」
ハスタが、さも待っていました、と言わんばかりのにやけ顔を浮かべる。
まだ十代の面影が残る顔立ちで形作られる笑みは、見る者を不快にさせる要素を持っている。
黒い銃口は寸分違わずハスタの額に照準を付けていた。
狙いを違える距離ではない、それはハスタにも分かっているはずだが、
まるで頓着した様子も無く、不安定に体を揺らしながら笑っている。
「やあやあやる気になって嬉しいね~。…ところで、あんた誰?
 2年前に公園の前ですれ違ったマリアンヌちゃん?あらまぁ大きくなっちゃって~。お母さんは元気?」
愚にも付かぬ軽口が返って来る。いつものことだ。
眉を動かす手間さえかけてやるつもりもない。
元より敵意を持って相対する者相手に一欠けらの躊躇を覚えたりはしないが、
この男が相手なら、トリガーを引く感触を羽毛より軽く感じるだろう。

「それともオレの脳内お花畑に定住している小人さんかなぁ。
 どっちにしても、ザックリ血祭りに上げ――」
奴が全てを言い終える前に、引き金を引いた。
軽い音が響き、ハスタの体が見えざる手に押されたように傾く。
大きく仰け反った体を前に引き戻し、足に来たのだろう、そのまま膝を付く。
咄嗟に避けたのか狙いがブレたのか、頭ではなく肩に着弾したらしい。
上着の赤い色を濃くするように、肩口に滲んだ血が版図を広げる。

「貴様の冗談は聞き飽きた。あの世で好きなだけ喋っていろ」
俯いたハスタの顔は伺えないが、漏れ出る哄笑で、恐らく笑みの形を作っているのだと推測する。
無駄な推測だ。もう終わらせる。再び眉間に銃口を合わせる。
腹や肩に何発打ち込んだとしてこいつの生命活動を阻止出来るとは思えない。取り逃がしても後々面倒だ。

きっちり脳漿をぶち撒ける必要があるだろう。

一瞬にも満たない思考を巡らせた後、トリガーに掛けた指に力を加える。
その気配を察したかどうかは分からないが、男が言葉を発したのは同時だった。
喉から隙間風を吐き出すような耳障りな笑い声が止まり、

「あんた、ヒュプノスだろ?」

――今なんと言った?こいつは――
驚愕が顔に出たのだろう。動揺を鋭く察知したハスタの動きは素早かった。
一瞬にして俯いた顔を上げ赤い目を閃かせ、獣のような跳躍で俊敏に距離を詰める。
しまった、と思ったときにはもう遅かった。
すれ違い様に首を掻き切る軌道を描く三又の槍の矛先。
咄嗟にライフルの銃身を斜めに持ち替えて首元を守る。

「――ッ…!」
ギャリ、とも、ガリ、とも付かない音が響き、一瞬の交錯が終わる。
銃身越しに感じるインパクトが重い。手負いの人間が、しかも片手で振るった槍のはずなのに。
通常の人間には到底出来ない芸当だ。――やはり、そうなのか。

半身を翻らせてハスタの位置を確認するべく振り返りながら、攻防の結果に一瞬で頭を巡らせる。
痛みはない、血の噴出す感覚も無い。無傷だ。
ハスタの姿はすぐに捉えることが出来た。
先ほどと位置を逆転させ、熱風の風上に立ち、愉悦とも狂気とも取れない表情を浮かべ、
あろうことか、どこに隠し持っていたのかオレンジグミの包装を歯で破り、口の中に放り込んでいる。
今すぐにでもふざけた頭をブチ抜いてやりたいところだが、槍の一撃を受けた腕が痺れ、照準が付けれそう

にない。
全ては一瞬でも隙を見せた己の失態だ。内心激しく叱責しながら眉頭を寄せる。
その俺の反応を面白がってか、ハスタはさも真面目そうに顔を整え、両手をそろえて直立する。
「しゃきーん!オレンジグミが美味しいので、帰らせていただきます!
 また夜空が綺麗な夜にお会いしましょう!」
秋の天気のように移り変わる口調の最後に――いや、秋の天気などというものではない、
狂気の為せる技だ―低く囁くようにして締め切られた言葉を残し、ハスタは煙の向こうに消え去った。
横切った風の一陣が煙を綺麗に払い去ったとき、ハスタの姿はどこにも見当たらない。

「……やれやれ」
肩口に銃剣を預け、嘆息と共に吐き出す。
どっと疲労が去来する。あの男と相対すれば、大抵の人間はそうなるだろう。
確かオレンジグミを一つだけ所持していたはずだ。
すり減らした精神力を回復するべく、懐に手を入れる。
――やつも転生者なのは間違いない。だとしたら少々面倒なことになる。
いや、それより次の依頼はなんだった。そうだ、あの少女を探しに行かなければ。名前は――
巡らせていた思考が、唐突に中断する。

「……あいつ」
懐から出した指先は何も掴んではいない。
今指先が摘まんでいるはずのものは――そうか。
「……この分も、まとめてお返しをするべきだろうな」
語尾に溜息が混ざる。
新たにTPが1ポイント減る音を、どこかで耳にした気がした。

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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 分割ミスった、ゴメン。ハスタの台詞回しがムズカシイヨー
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 | |                | |       ◇⊂    ) __
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