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小竜太さんの練習

ゴ.エモン2、ゴエモン×小竜太です。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

「うおわああああああ!」

雷鳴の中で遠くなっていく悲鳴が聞こえて、僕はやっと我に返った。
――いけない、ゴエモンさんが!
慌てて引き返し、全速力で悲鳴のもとへ急いぐ。
湖へと落ちていく彼を潰さない様に掴み上げ、陸を目指すために再び空へ舞い上がる。
いや、舞い上がろうとした。

――あれ、体の力が抜けていく?
――駄目だ、このままじゃ……

僕は彼の服を握り締めたまま、ゆっくりと落下していくのを薄れていく意識で感じた。

「ごめんなさい、本っ当にごめんなさい!」

目が覚めたその瞬間から、僕はひたすら謝り続けていた。

ここは竜神湖のほとり。
僕はもともと、ここで竜変化の術の練習をしていた。
最近は一人でだけじゃなく、大江戸城を取り返す旅をしているゴエモンさんが暇を見て練習を手伝ってくれるのだけれど、
未だに失敗や暴走が多く、その度に彼に迷惑をかけてしまうばかりだった。

彼ははぁ……と深々溜め息をついてから、手刀を頭に一撃叩き込む。

「オイラを助けようとして変身解いちゃ意味ねえだろうが」
「ごめんなさい」
「付き合ってやるって言った以上覚悟はしてんだ、気にすんなよ」

彼はそう言って鼻の下を擦ると、すぐさま煙管を片手に立ち上がる。

「悪いと思うならさっさと出来るようにしやがれ。よし、行くぞ」
「は、はい!」

僕もすぐに立ち上がり、彼の後を追った。
次こそは暴走しないように、術を完成させなくてはと思いながら。

しかし数刻の後、

「うおわああああああ」

再び聞こえた悲鳴とともに、状況はまた元に戻るのだった。

「……本当にごめんなさい」
「いや、まあいいけどよ……」

青筋を立てながらそう言われても全くフォローになりませんゴエモンさん。
僕は唇を噛みながら、深々と頭を下げた。

「もう大丈夫です、これからは一人で練習を続けますから。だから、ゴエモンさんは旅に戻ってください」

練習に付き合ってくれることはとても嬉しいのだけれど、その度にボロボロになっていく彼を見るのは正直辛い。
何より此処でゴエモンさんを足止めする訳にはいかないのだ。これ以上は迷惑でしかない。

彼の顔が見たくなくて、僕は暫くそのままでいた。

ボリボリと頭を掻く音がしてから、呆れたような低い声が聞こえてきた。

「……練習は止めねえんだな?」
「え? も、勿論です」
「そうか」

ゴエモンさんは俯いたままの僕の頭を一撫ですると、

「なら頑張れ。オイラもさっさと終わらせて、またお前の練習に付き合ってやるからよ」

そう言って、不敵な笑みを浮かべていた。

「……じゃあ、勝負しましょう。平和になるのが先か僕が術を完成させるのが先か」
「おっ、言うじゃねえか。相手してやるぜ。まあオイラの勝ちだろうけどよ」

そんなこと言ってたら泣きを見るんですからね。それは心の中でだけ言って、僕は顔を上げた。

「頑張ってくださいね」
「おうよ、小竜太もな」

ゴエモンさんはそう言って立ち上がると、ゆっくりと先へ向かっていく。
彼は雷雨を抜けていくその前に、一度だけ振り返った。

「そーいえばよー、おめえ、なんでそんな術練習してんだー!」

僕はうまく聞こえなかったフリをして、大きく手を振った。

「いや、そーじゃなくてよー!」

これも聞こえないフリをする。
そして僕は彼に背を向けて走り出した。目指すは湖。もう一度練習をするために。

「小竜太ァァァ!?」

そのまま空へ舞い上がる。
だって言えるわけがない。叫ばないと声が届かない状況でそんな恥ずかしいことが言えるはずないじゃないか。

「大好きな人のためです」
「あなたの役に立ちたいからです」

なんて、そんな恥ずかしいことは。

数ヶ月後。

九州が空に舞い上がった事件が起きた。

「またお前か」

いやもう本当にごめんなさい。
何度も大地に叩き落としてしまったゴエモンさんに向けて、僕はまたひたすら謝っていた。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

竜神湖ステージは小竜太の修行に付き合っているんだ、という脳内妄想。


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