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黒×劉

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

ドラマ版 封真の古児朗 黒児士×劉方
スレで出たネタを纏めてみました。スレの姐さん方に感謝。

いつものように屋敷への道を歩いていると、数日通った神社が目に入った。
さすがに今日はアイツと出くわすこともないだろうと思いながら足を向けると、賽銭箱の前に見覚えのある大きな背中があった。
敵である筈の相手なのに、一生懸命に祈っている姿がどこかほほえましくて、階段下まで近づいてから、神頼みはしないんじゃなかったかと声をかけた。
アイツは驚いた表情で振り向くと、照れ隠しにしか見えない怒り顔で、当たり前だ!と言いながら階段を下りてきた。
その割には真剣に祈ってたじゃないかと笑ってやると、思いの他真正面な顔で、別に祈っていた訳じゃないと返された。
「ただ俺は…お前と会える場所を他に知らない」
そうか、お前はこの場所でずっと待っていたのか。俺との決着をつける為に。
不器用な男だ。
敵である事が惜しいと思う。
同じ一族に生まれていたら、いい友人になっていただろう。意外と子供好きらしいので、年下の兄弟達に慕われて世話係になっていたかも知れない。
だが実際は敵同士、殺し合うしかない間柄だ。
立場が違っていれば芽生えたかも知れない友情の証として、俺のこの手で彼岸へ送ってやろう。

そう思った時、アイツはこの前と同じ岩を頭上に持ち上げた。
境内での殺生は気が進まないから場所を変えようと口を開いた時、耳を疑うような言葉が周囲に響き渡った。
「好きなんじゃあぁぁぁ!おりゃあぁぁぁ!!」
………………
…………
……はい?
アイツは俺の動揺に気付かず、叫びとともに持ち上げた岩を、力いっぱい遠くへと放り投げた。
ええと…今、何とおっしゃいました?
聞き間違い……だよな。
とりあえず、俺も岩を持ち上げて、何か叫んでみるべきだろうか?それとも、よく聞こえなかったと言うべきだろうか…いや、それはまずい気がする…
呆然としたまま固まっている俺を見たアイツは、今度は強引に俺を抱き上げながら再び同じ言葉を叫んだ。
聞き間違いでは…なかった。
な………
な……
な、何だコイツ!何て恥ずかしい奴なんだっ!!
お前は小学生か!人を口説いた事が無いのか!!
いや、それ以前に俺達は敵同士だろうが!!
というか、お前は俺にどんな答えを期待しているんだー!!
頭の中がぐるぐるしてまともに考えられず、されるがままに抱えられていたら、いつの間にか数人の幼稚園児に囲まれ、おじちゃん、ちょーかっこいー!と賞賛され、拍手までされていた。
おじちゃんたち、けっこんするのー?という無邪気な声が、戻りかけた俺の思考に追い打ちをかける。
話しかけてくる園児の顔が、いたずら好きの兄弟の幼い頃に見えるのは気のせいだろうか…
その無邪気で遠慮のない声にアイツが何か答えたのか、何と答えたのかは覚えていない。
いや、答えを覚えてないどころじゃない。いつの間にか移動までしていたようだった。
気が付いた時には見知らぬ林の奥にいた。

林というよりも深い森だ。山里で育った俺にとっては、街中よりも遥かに心が落ち着く場所だった。
地に厚く降り積もった落ち葉の上にそっと横たえられ、懐かしい森の匂いに包まれて、俺はようやく自分を取り戻した。
予想外なこの状態にどう対処するべきだろうか。
さっきの一件が俺の油断を誘う為の芝居だったとしたら、今頃俺の命はなかっただろう。
敵を目前にしてあれほどうろたえるなんて……我ながら、らしくないと思う。
それだけじゃない。
俺はどうして、おとなしく抱き抱えられて運ばれていたんだろう。
どうして今、抵抗せずに組み敷かれているんだろう…その答えが欲しくて、目の前の相手をじっと見つめた。
ゆっくりと近づいてくる唇をそのまま受け止めると、軽く触れただけですぐに離れた。
抵抗しないのか?と聞いてきた声がやけに弱気だったので、して欲しいのかと返してやると、小さな声が別に…と答えた。
何というか……可愛い男だな。
あまりの不器用さにほだされたんだろうか、一度だけなら抱かれてもいいかという気になった。
どうせ減るもんじゃない。二度と会わなくなる前に、殺し合う前に一度くらいは……やっぱり、ほだされてしまったような気がする。

結局、今日は一日休戦だと約束させて、身体を開いた。
不器用ながらも優しく丁寧な愛撫を受けて、まるで恋人に愛されているかのようだった。
誰もいないからと囁かれ、請われるままに声をあげ、求められるままに幾度も抱かれ…ようやく開放された時には、もう足腰が立たなくなっていた。
軽く後悔したが、今更文句を言っても仕方がないので街中まで連れて行けとだけ言うと、責任を持って送り届けると言うので、その言葉を信用してやる事にした。
疲労による眠気が緩やかに訪れたが、さすがにここで眠る訳にはいかない。睡魔と戦ってると、何もしないから少し眠れと言われて抱きしめられた。
眠ったらお前と個人的に話す機会はもうないだろうなと言うと、そのうち嫌でも会えると言って笑った。
ああ、そうだったな。三途の川を渡ってしまえば嫌でも会える。どうせ行き着く先は同じだ。まあ俺は当分渡るつもりはないがな。
温かい腕に抱かれて眠りの淵に沈みながら、向こうで会った時、気が向いたらまた相手してやるよと笑うと、覚えておくと答えが返ってきた。その言葉を忘れるなと…
その声を聞きながら、俺は穏やかな気分で眠りについた。

目が覚めた時、俺は自室としてあてがわれている部屋の中にいた。
何故か今の状況が思い出せず、ぼんやりとした記憶を辿っていると、目の前を黒く大きな蝶が横切った。
驚いて身体を起こすと、黒い蝶はヒラヒラと俺の周りを飛びまわる。しばらくその様子を見つめていると、この蝶が何故此処にいるのか、何となく分かった気がした。
布団から出て外に通じる障子を開くと、蝶はフワリと舞って庭へ出て行く。
「胡蝶の夢か…」
蝶は死者の魂だという。
「夢を見たのは、俺かお前か…」
闇に舞う蝶は躊躇いなく庭を抜け、塀の外へと飛んで行く。月明かりに浮かんでいた黒い羽は闇に溶けてすぐに見えなくなった。

蝶のいなくなった部屋へと戻り、布団に潜り込むと再び眠気が訪れた。
眠っていたはずなのに、返って疲労した気がするのは夢のせいだろうか。
だが、もうあの男の夢を見る事はないだろう。
夢は目覚めれば忘れてしまうもの。ならばあの約束を覚えておく必要はない。
アイツには不義理だと言われるかも知れないが、知った事ではない。文句があるなら直接言ってくればいい。
どうせいつかは嫌でも会う事になるのだから…あの川の向こうで。
ああでも、あの馬鹿みたいな告白は覚えていてもいい。他は全部忘れるが、あれだけは一生覚えていてやる。
そう思いながら目を閉じると、すぐに眠りの中に落ちた。

深い眠りの底には何もない。
夢の時間はもう終わったのだ。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

初めてだったので配分のバランスが悪くなってしまった…
ごめんなさい


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