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OO 録荒・茶説

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  └──────│某スレ>>550からのお風呂ネタ
            .|せっちゃんの風呂嫌い捏造気味。
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「わああああああっ!!」
盛大な水音と共にロック/オンの悲惨な悲鳴が響き渡る。
4人の舞スターの内、ただ一人脱衣所で待機していたティエ/リア・アーデはその悲鳴に耳を塞ぎ、
眉間にしわを寄せてため息をついた。

「こらっ、刹/那! 暴れないで……っ、言うことを聞いてよ!」
「うるさい! オレは……風呂くらい一人で入れる!」
普段は穏やかなアレ/ルヤが、声を荒げて刹/那を羽交い締めにする。
刹/那もまた普段の冷静さを忘れ、泡まみれのあられもない姿でじたばたと暴れ回っていた。
しかしきちんと鍛えたアレ/ルヤの腕はビクともせず、
夢中でばたつかせている手足に洗面器やら石鹸箱やらが当たって浴室内を飛び回っている。
そんな刹/那の必死の抵抗の最中、冒頭で浴槽の中へ投げ込まれたロック/オンの頭に石鹸が当たり、
ゴツッと鈍い音を立てた。
アレ/ルヤがその音に振り返ると、頭の先までずぶぬれになったロック/オンが浴槽の中で怒りに震えていた。
「嘘つけっ! いつもシャワー室で水被るだけで仕舞いにするくせに!」
案外に大人げないロック/オンが浴室内に響き渡るような怒声をあげる。
あまりの剣幕にアレ/ルヤは、まるで自分が叱られたようにびくりと首を竦めてしまった。
刹/那は図星を突かれたためか、突然暴れるのをやめ、憮然とした顔のままアレ/ルヤの腕の中で収まった。
不機嫌ながらもアレ/ルヤの両腕におとなしく抱えられるその様は、まるで悪戯を叱られた後の猫だった。

「ちゃんと髪はシャンプーで、体は石鹸で洗わないとダメだよ。
 水だけじゃ汚れは落ちないんだから」
「言われなくても、そのくらい分かってる」
アレ/ルヤの優しい声にもつっけんどんに低く唸り返す。
アレ/ルヤはこれ以上刹/那に何を言っても無駄なような気がして、ロック/オンに目配せをした。
ロック/オンも浴槽から這い上がりながらアレ/ルヤを見やり、お手上げだという様に肩をすくめた。
アレ/ルヤはそれを見て同じように肩をすくめ、ため息をついて刹/那を拘束していた腕を解いた。
「しょうがないな……。
 今日はなんとかキレイになったからいいけど、これからは一人で頭も体も洗うんだよ?
 泡が目に入るのが嫌なら、今度地上に行ったときにシャンプーハットを買ってきてあげるから」
アレ/ルヤの許しの言葉に、刹/那がこっそりと安堵した次の瞬間、
まだ泡にまみれた刹/那の頭に洗面器いっぱいのお湯が被せられた。
「わっ」
「~~~~~っっ!!」
突然の出来事に刹/那が声もなく体を硬直させ、ギュッと目を閉じる。
おかげで泡は目に入らずにすんだが、刹/那は鬼の様な形相で振り返り、ギロリとアレ/ルヤの背後を睨みあげた。
そこには、大人げなく洗面器片手に仁王立ちになっているロック/オンが同様の表情で刹/那を見おろしていた。
「次はねえからな」
まるで戦場で敵を狙い打つときの様に冷酷な声を出すロック/オンをフンと鼻で笑い、
刹/那はアレ/ルヤの膝の上から立ち上がって浴室を出て行った。

その後1 録荒

「ったく刹/那のヤツ、手間かけさせやがって……」
もうもうと立ちこめる湯気が濡れた服と肌にまとわりついて気持ちが悪い。
ロック/オンは雫のしたたり落ちる前髪を掻き上げ、浴槽の栓を抜いて用済みの湯を流した。
刹/那の風呂嫌いはマイスターになった当初から手を焼かされてきた。
水浴びだけでもするようになったのは刹/那的には大きな進歩なのだが、現代人の衛生管理レベルにはほど遠い。
初めは、土煙の中から突然現代都市生活に放り込まれて戸惑っているだけだと思っていた。
しかし違うのだ。
刹/那は風呂が嫌いなのだ。
とりわけ石鹸やシャンプーのような薬剤を嫌う。
最初にシャンプーを頭に垂らしてやったときなどは、声なき悲鳴を上げて頭をぶるぶると振って嫌がった。
まるで犬か猫だ。
確かその時も自分たちは水浸し、泡まみれになって大変な思いをした気がする。
戦争を終わらせる前に、俺の育児戦争が終わるんだろうか……。
ロック/オンはそんなことを思ってため息をついてしまった。
そんなロック/オンの横でクスリと笑う声がした。
アレ/ルヤだ。
アレ/ルヤはロック/オンの育児に疲れ切った横顔を見つめながら苦笑のような笑みを浮かべていた。
ロック/オンがその視線に気付きアレ/ルヤの顔を見ると、アレ/ルヤは小さく、お疲れ様と囁いた。
先ほど似合わない大声を上げたからだろうか。少し声が掠れている。
ロック/オンはアレ/ルヤの長い前髪が頬にぺたりと張り付いているのに気づき、それが自分が刹/那に引っかけたお湯のとばっちりだと悟った。

「アレ/ルヤ、大丈夫だったか? 悪ぃ、びしょびしょになっちまったな」
厚めの前髪を指先で押し上げてやると、濡れた髪の間から金色の瞳が覗いた。
不思議な色合いの瞳はいつ見ても目を奪われる。
アレ/ルヤはロック/オンの指をくすぐったそうに避け、少し楽しげに笑った。
黙っていると冷たく見られがちなアレ/ルヤの容姿は、笑うと花が綻んだように可憐なのだとどれだけの人間が知っているのだろうか。
ロック/オンは男性に対する表現として適切ではないと思いながらも、アレ/ルヤの笑顔を愛らしいと思っていた。
少し困ったように眉尻を下げて微笑む彼を、抱きしめてやりたいといつも思う。
そしてロック/オンはただ一人アレ/ルヤからそれを許されているのだ。
この特権を使わない理由はない。
「君だってびしょびしょだよ、ロック/オン。ほら、髪が張り付いてる……」
ロック/オンは額に伸ばされるアレ/ルヤの指をおもむろに掴み、自分のほうへ引き寄せた。
ロック/オンの突然のアクションにアレ/ルヤは不意を突かれ、ロック/オンの方へ姿勢を崩す。
「ロ、ロック/オン……?」
訝しげなアレ/ルヤの瞳をじっと見つめ、ロック/オンは極力顔を近づけてアレ/ルヤの名を囁いた。
「アレ/ルヤ……」
低く篭もり、セクシーな響きになるロック/オンの声に、アレ/ルヤは彼の意図を知る。
ロック/オンの左手がアレ/ルヤの腰に回り、濡れたシャツの裾から侵入してこようとする。
「ロック/オン……、ぁっ……」
アレ/ルヤの目尻が恥ずかしげに赤く染まっていくのを、ロック/オンは間近で視認する。
(まぁ、こんなご褒美があるなら、子供のお守りも悪くないかもな……)
ロック/オンはそんな風に溜飲を下げ、満足げに笑みを零した。

その後2 茶説

逃げるように浴室から待避した刹/那は、そこで待ち受けていた意外な人物に少し動揺した。
ロック/オンやアレ/ルヤのする茶番にもっとも興味を抱かなさそうな男が待っていたからである。
「逃げてきたのか、刹/那・F・セイエイ」
嫌みったらしくコードネームをフルネームで呼ぶティエ/リアを、刹/那はロック/オンにしたように殺気だった目で睨んだ。
「貴様には関係ない。そこをどけ、ティエ/リア・アーデ」
負けじとフルネーム呼びで応対するが、ティエ/リアの顔に特別な反応はなかった。
相変わらず、感情の読めない無表情で刹/那を見据えている。
「俺は俺の任務を遂行するだけだ」
「なんだと」
無機質に放たれたティエ/リアの言葉に刹/那が呻く。
任務、という単語に警戒心を強める刹/那の少し丸まった背筋からティエ/リアは猫を連想したが、
それを表情に出すことはなかった。
「ミス・皇からのミッションだ。お前が風呂を出た後のサポートをしろと、な」
まだこの茶番が続くと知って刹/那は激昂する。
「余計な……お世話だ!」
素早い身のこなしで刹/那はティエ/リアに蹴りを繰り出す。
しかし刹/那の足裏がティエ/リアの顔に届くよりも先に、ティエ/リアの華奢な指が強い力で刹/那の足首を掴んでいた。
足を引こうにも引けない不安定な体勢で刹/那は悔しそうに唇を噛みしめた。

そんな刹/那の額に、堅い鉄塊が突きつけられる。
黒い装甲と直角に曲がったシルエット、重さのある圧倒的な威圧感……。
懸命に無表情の仮面を被ろうとする刹/那を見て、ティエ/リアは微かに唇を歪め酷薄な笑みを作る。
「おとなしく髪を乾かされろ。さもないと濡れたコードで感電させるぞ」
脅しつけるように銃口、ではなくドライヤーの排気口を刹/那の額に押しつけると刹/那の顔が目に見えて引きつる。
ドライヤーはシャンプーを凌ぐ刹/那の天敵であった。
顔に吹き付けられる熱風を想像しただけで刹/那の背筋に不快感が走る。
刹/那はドライヤーをはね除けて後ろへ飛び退き、入り口を背にしてティエ/リアを威嚇する。
「オレに触るな……っ! こんなもの使わなくても……」
「言っておくが、濡れた髪のまま外へ出ようとしたら……君を後ろから撃つ」
そう言ってドライヤーを構えるティエ/リアの目は真剣だ。冗談を言っている風でもない。
冷酷なティエ/リアのことだ。このまま背を向ければ、たちまち後ろ手を捕まえて、
刹/那の意思にかかわらず、ドライヤーの熱風を当てることだろう。
そんなことになるぐらいなら、自分でやったほうがマシだ。
「こ、このくらい自分で出来る!」
情けなく震えてしまう喉を叱咤し、刹/那は虚勢を張る。
自分でやれば加減が出来るぶん、恐怖も薄れると思ったからだった。
ティエ/リアは刹/那の進言に少しだけ目を開き、次いで凄絶な笑みを唇に敷いた。
「ほう。ではやってみろ」
投げて渡されたドライヤーの重みを噛みしめながら、刹/那はドライヤーに目を落とした。
こう断言した以上、もはや刹/那に逃げ道は残されていない。
しかし刹/那は自分でドライヤーを扱ったことがなかったのだ。

長く垂れるコードは電源に差し込めばいいのだとして、肝心のスイッチはどこにあるのだろうか。
ドライヤーのグリップ部分には3つの窪みがあるだけだ。
どれがどの操作に対応するのかはグリップに印字されていたようだが、擦れて既に解読不能になっている。
ティエ/リアに大口を叩いた以上、使い方を聞くことなど出来ず、刹/那は途方に暮れて立ちつくしてしまった。
そんな刹/那を眺めながら、ティエ/リアは呆れてため息をつくしかなかった。
「……分からないな。何故君のようなお子様がガソダ厶舞スターなのか」
それから、めっきり静かになってしまったバスルームから漏れる声と物音に頭痛を催し、
こめかみを押さえてもう一度深くため息をついた。

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