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チェンジリング

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  某スレ>>466ようやく。
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  >>93神と>>114神に敬意を表し
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 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ イロイロツメコミスギダッテ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) イツモノコトダガ
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |

「わ!」
大きく開いた口から、これまた大きな声が飛び出す。
その元凶となった人物……もとい・悪魔は、何食わぬ顔で『閉ざされていた』はずの窓を通り抜け、ふわふわと宙に浮いていた。
「こ、こら、メフィスト2世っ!」
慌てて床に落としていた衣服を拾い上げ、半裸の肌にあてがう。そんな様子に、悪魔の笑みは深くなるばかり。
「き、着替え中に入ってくるなよぉぉっ!」
「あーに言ってんだか。いっつも一緒に風呂入って、体の洗いっこしてる仲じゃん」
風も無いのに揺れるマントをひるがえし、メフィスト2世は音もなく降り立つ。
「そ、そーゆー問題じゃないだろう?」
唇を尖らせ、真吾は脱いだばかりの赤いシャツを被る。ちぇ、という小さな声は、とりあえず無視だ。
「だいたい、何で入ってくるかなぁ!?窓、カギかけてたじゃない」
空を飛ぶことも出来れば、瞬間移動めいた事も出来る悪魔にとって、何の封印も結界も施されていないただのガラス戸など、そりゃあ無いに等しいのかも知れない。
だが、だからといってホイホイといつ何時でも入ってきていいワケではない。
そんなわけだから、2人はちょっとした約束をしていた。
窓が開いてるときは、入っても大丈夫。
閉まってたら、必ずノック。
応答が無かったら、たとえ鍵が開いていても入らない。
……まぁ、御覧の通り、この約束はたびたび破られるのだが。
「だってさぁ、なんか楽しそうな事、してたじゃん」
びく。 真吾は大げさなほどに肩を跳ねさせた。その原因は今、真吾の足元に鎮座している。
「着ねーの?」
「君が居なくなったら着る」
「えー」
「えーじゃありません」
「ぶー」
「ぶーでもない!」
「ケチー」
「何でそうなるのさっ」

元々丸い顔をさらに丸くして膨れる2/世に、真/吾は深い溜息を吐く。
「今日はもぅ、厄日だよぉ」
かくんと首を垂れ、真/吾はすべての元凶を睨んだ。

誰が言いだしたのか、今年の学校祭では『クラス対抗・美女姿は誰だ!』という、何とも馬鹿馬鹿しい大会が企画されていた。
初めのうちは誰も本気にしていなかったのだが、頂点を極めたクラスには豪華商品が出るとのアナウンスが出てから……一部の生徒が大盛り上がりを見せているのだ。
で。
「ジャンケンで負けた、と」
「一発目で全員に負けてね」
周りの手が全て開いているのに、自分だけが固く拳を握り締めていたあの瞬間が忘れられないと、真/吾はまた溜息を吐く。
「それで、女物の服とかカツラとかがこんなにあるのか」
「選んでいいよって皆、言ってたけど……」
まるで自由があるかのような言い回しに、半ば騙されたも同然だと真/吾は紙袋を視界の外へ追いやる。悪魔はそれをひょいと取り上げて、中を漁り始めた。
「ほー。これ、誰かクラスの女の子のか?」
「たぶんねっ」
可能ならばもうこの話題を封印したい真/吾だが、興味を持ってしまった相手にはそんな気は微塵もない。
「んー、これとかどうよ?」
「そ、そんなの着れるわけないでしょっ!」
超ミニのスカートに、前も後ろも大きく開いたノースリーブのシャツ。もしも胸と肌に自身のある女性が着たならばそれはそれは素晴らしい事だろうが、残念ながら真/吾にはそんな武器はないわけで。
「えー?んじゃあこっち」
「何でそれなのさっ!」
次に引きずりだされたのは、ゲームセンターの景品にありがちなサテンのナース服。愛らしいピンク色と、サテンのつやつやとした輝きがいかがわしさを倍増する一品だ。
そんな物を真/吾が喜ぶワケもなく、ナース服も間髪開けずに却下された。
「えー?なら、こっち」
次に選び出されたのは、セーラー服だった。当然のように女物だが、スカート丈は膝上だし、布地もしっかりしている。先程のナース服のような安物ではなく、れっきとした正式な制服である。
「それならまぁ……」

この服なら、まだ我慢できるかと真/吾はそれを受けとる。衣裳の決定が更衣とセットだと思っているのか、2/世はいそいそと真/吾に背を向ける。
さっきの彼の言を借りれば、全裸すら晒し合う仲である二人が、今更着替え程度で恥じらうのも遠慮するのは不自然という事になるのだろうが、そのくせいざ着替え
(真/吾は着替えるなどとは一言も言っていないのだが)となると背を向け配慮を見せる2/世に、真/吾は気付かれないように笑った。
「絶対、振り向いちゃダメだからね」
「あーい」
念のために釘をさし、真/吾は再びシャツを脱ぐ。あれだけしつこかった残暑が足早に去り、金木犀の蕾がほころびだした、このところはめっきり涼しくなった。トレードマークとも言える赤の半袖シャツも、そろそろ着納めになりそうだ。
「……んしょ」
長袖のセーラーを被り、袖を通す。着慣れない厚手のそれは、ちょっとごわついて暖かかった。
お次は、スカート。一瞬躊躇したものの、ぼやぼやしていると……今は大人しく背中を見せているこの悪魔が、何をしでかすやわかったものではない。
しぶしぶながらにスカートを手に取った真/吾には、残念ながら、ズボンをはいたままスカートを着るという発想はなかった。
「まーだー?」
「も、もうちょっと」
約束どおりに背を向けている2/世は、肩越しに聞こえてくる布擦れの音やちいさな金属音だけでも胸が高鳴って仕方ない。
あの真/吾がセーラー服を着て、可愛くないはずが無いのだ。おまけにこの調子ならば、ほぼ確実に『赤面恥じらい』のオプションがもれなくついてくる事だろう。
考えただけで、顔が緩んでしまう。
「き、着たよ」
お待ちかねの終了宣言に、2/世は光より早く振り向く。そこには、想像を遥かに超えた光景があった。

律儀なメシア様は、わざわざカツラまで被っていた。顔は耳まで赤く染まり、どれほど恥ずかしがっているかが手に取るようにわかる。思ったよりも丈の短かったスカートを、
行き場を失った手が必死に下へ下へと引っ張っている。手に負けず劣らず落ち着きのない大きな瞳はくりくり動いて彷徨い、ちらと2/世を見ては注がれる視線の熱さにきゅうと目を閉じた。
日常にはありえない更衣の為に用意された姿見の鏡が、後姿を移しているのがまた罪深い。鏡の中だけを見れば、そこに映っているのは紛れも無い美少女の後姿で、
前を守ろうとするあまり完全フリーの無防備なそれは、正に襲ってくれといわんばかりのスカート丈が強調されてしまっているではないか。
「……まいったね、こりゃ」
ごくん、と音を立てて唾液を飲み下し、2/世は眼前に突如現われた美少女に改めて見入った。
いやはや、まさか、これほどまでとは。いい意味で、期待を裏切られた気分だ。
「ちょ、み、見すぎ……」
熱い視線を一身に受け、真/吾はいよいよ落ち着かなくなる。ちらりと流し見た鏡に映る自分の姿は、とてもじゃないが見れたものではない。のに、この悪魔は実に嬉しそうな顔を飽きる事無く真/吾へと向け続けている。
「んー、いいじゃんいいじゃん。似合う似合う」
「嬉しくない」
「可愛い」
「嬉しくないッ」
「ていうか、うまそー」
「……は?」
ごっくん。もう一度、喉を鳴らして2/世は大きく頷く。その意味を掴みかねた真/吾は、赤く染まったまま小首を傾げた。
「うまそうって、…………ちょっ!」
気付いた。
「ガマン限界っ!」
遅かった!
「うわぁ!」
がばっ。
真正面から飛びかかってきた相手を避けきれず、真/吾はされるがまま押し倒されてしまう。後ろがベッドだったから良かったようなものの、これが床だったら頭を強打しているところだ。
「ちょ、メフィスト2/世っ!」

圧し掛かってきた悪魔を振りほどこうと、真/吾はやや大きめな声を出す。が、相手はにまにまと笑んだ顔を近づけながら、シルクハットをぽいと放り投げただけだった。
「えへへ、なんか新鮮」
「あのねぇっ」
「真/吾のこと押し倒してんのに、女襲ってるみたい」
「……」
(後で気絶するまでソロモンの笛、吹いてやるぅぅぅっ!)
いそいそと手袋を外し始める2/世に、真/吾の脳はもう『事後のオシオキ』しか考えようとしない。……このところ、この後始まるであろう行為への抵抗感が薄れてきている、気がする。
「なあ、これってさ、ガッコのみんなの前で着るワケ?」
「そりゃそうだよ、コンテストだもん」
互いの吐息が触れ合う距離で言葉を交わせば、相手の表情の微妙な変化を見逃すことなど無い。元より顔に出やすい彼なら、なおの事。
「ちぇ、もったいねー」
女物の制服に包まれた体を抱き締め、2/世は溜息を吐く。その背中に諦め半分で手を回し、真/吾もまた溜息を吐いた。
「僕だって、ヤだよ」
「こーんな可愛くておいしそーな真/吾、他のヤツに見られるなんて、やだ」
真/吾の溜息が深くなる。
この悪魔が、こんな事を言うから。事あるごとに、こんな事を言うから。
(拒めないんだよなぁ……)
向けられる好意は常に真っ直ぐで、淀みも濁りも無い。若干、方向性が斜め上45度ほど常人とは違うほうへ修正されているが、それは彼が人間ではないという事を考えれば相殺だろう。
「僕は純粋に、恥ずかしいしバカバカしいし、やだ」
「んじゃあさ、当日、オレが何かしよっか?」
唇を尖らせて不快を顕にする真/吾に、2/世が悪戯っぽい笑みを浮かべた顔でそう告げる。悪魔の提案なんて真面目に受けてはいけないはずのものだが、真/吾はそれを聞いてみる事にした。
「どんな事?」
「例えばー、真/吾の出番が来たら停電起こすとか、稲光が光るとか、それとか……そうそう、瞬間移動で浚っちまうのもいいなぁ」

あんぐり。提案を聞いた事をちょっと後悔した真/吾だったが、名案だろうと笑う2/世に邪険な言葉をかけることは出来ない。何せ、押し倒されているんだから。
「それはちょっと……」
「えー?んじゃあさ、いっその事、女になっちゃうとか」
「……それ、何か違う気がする」
否定的な意見を続ける真/吾に、2/世も唇をとがらせていく。その先っちょがチョン、と触れ合って、2人はほぼ同時に噴出した。
「あーあ、もう、諦めるからいいや」
「えー?」
腹を決める決意をした真/吾の顔に、2/世は何度も唇を落とす。幾度となく降ってくる口付けに、真/吾は気の抜けた笑みを返す。
「ねえ、ホントに可愛い?」
言うな言うなと止めたことを聞いてみると、相手は僅かに驚いた顔をしてから大きく頷いた。
「ん、すっげー可愛い」
「そっかぁ。どうせやるなら、優勝しなきゃワリに合わないでしょ?」
押し倒された拍子にずれたカツラを脱ぎ捨てて、真/吾は降り注ぐ視線に甘い視線を返してみる。2/世の笑みは深くなり、キスもゆっくりに、そしてねちっこく変わった。
「真/吾が俺以外を誘惑するとかハラ立つけど、でもまぁ……やるならトコトンだよな、やっぱ」
スカートをたくし上げ、2/世の手がするりと内股に入り込む。下着の上を這う不埒な手に真/吾がうっとりと目を閉じると、それはもう、開始を許諾する合図。
「ホント、真/吾が女の子になっちゃったみたい」
分厚い生地の中に手を入れ、弄るように動かすと鼻奥から高い音が漏れてくる。眼下の赤らんだ頬や潤った瞳に、2/世は体温が上がっていくのを感じていた。
「女の子だったら、困るんじゃないの?」
目を閉じたままそう口にすると、2/世がくすくすと笑いをこぼす。
「そーだな。俺ら、いきなり子沢山だぜ」
「あ、あのねぇ」
ばかばかしい事をいう悪魔の頭を軽く叩いて、真/吾は眉を寄せてみる。しかし相手は懲りもせずに、不埒な手を楽しげに動かした。

「ん」
下着の中で徐々に熱量を上げていくそれの形を確かめるように、手が滑らかな動きで上下する。じわりじわりと下肢に広がっていく疼きに身をくねらせて、真/吾は熱い息を吐いた。
「あー、手袋ジャマッ」
乱暴な動きで手袋を脱ぎ捨て、スカートをめくり上げる。下から現れるのは見慣れた白いブリーフだが、今日は妙に新鮮に感じられる。
「なぁなぁ、当日はさ、イチゴパンツにしよーぜ」
「そ、そんなトコ誰も見ないでしょっ!ぁん」
何をバカな事をと躯を起こす真/吾だったが、直後に再会された愛撫にあっけなく陥落する。上肢を支える腕がじわじわと力を失い、真/吾は再びベッドの上に横たわった。
「俺が見る」
ぺち。
思わず、手が出た。
「いてー、ひっどいなぁ真/吾ぉ」
「ひ、ヒトのスカートの中、覗くなんて宣言しないでよねっ!」
「真/吾のだから見たいのにー」
「だっからその言い方は反則だってばああ!!」
ぺちぺちと何度も2/世の頭を力の抜けた手で叩き、真/吾はいやいやと頭を振るも、それは2/世の笑いを誘うばかり。
「へへへ、濡れてきた」
「言わないでよぉぉ」
おばかな言い合いを続ける間も、2/世の手は絶え間なく動き続ける。下半身を支配する熱は速度を上げ、真/吾の語尾に絡みついてそれを甘く変えていく。
「えへへ、いただきまーす」
しみのできた下着を引っ張り、中から貌を覗かせた熱塊にそっと息を吹きかけると、それだけでソコはびくびくと震える。同時に四肢にくんっと力が入ったのが解った。
持ち主よりも相当素直なソコが望んでいるであろう事をすべく、2/世が口を開き舌を伸ばす。それが触れた途端、真/吾は弓なりに背を反らせた。
「んぅ!」
熱く、ぬめるものが敏感な部位を舐め上げる。特に弱い部位ばかりに集中する刺激に呼吸が乱れ、喉奥から漏れる声が耐え切れなくなる。
投げ出された下肢の、つま先が握り締められては緩められ、内ももがひくひくと震えた。

「あ、ンッ、……ンンッ」
着ている服の所為か、今日は漏れる声がやけに恥ずかしい。何とか押さえ込もうとしても、与えられる熱が甘ったるい音色になって決意を飲み込み押し流してしまう。
「ンッ、ぁ、はぁ、ぁア」
大きくて熱いものが、敏感な器官に絡み付いて離れない。誘うように揺れ始める腰を止めることより、口から溢れる嬌声を飲み込むことを優先したい真/吾だが、どうにも思うように行かない。
そうこうする内に、すっかり『捕食』されてしまった。
「ンッ、あ、に、せ、モッ、も、やぁ、ンンッ、だ、めぇ」
口で拒絶の単語を並べても、半端に脱げた靴下をひっかける足は相手の体を捉えるように絡みつく。にたりと人の悪い笑みを浮かべた悪魔が刺激を強めると、ベッドが一際大きくぎしぎしと鳴いた。
「ンンンッ!も、アッ、ぃ、ダ、メ、で、ちゃぅ、でちゃうぅ!」
熱っぽい息を開きっぱなしの口から吐き、真/吾は強く瞼を閉じる。追い出された涙が零れて耳を掠め、シーツに染み込んでいく。
「いいぜ、イけよ」
短くそう告げて、2/世は一瞬の開放に震えるソレを完全に口内へ収める。真っ赤に充血した先端からどくどくと脈打つ幹まで全てを舌で包み上顎とで挟み、きつく吸い上げると同時に震える秘腔に指を突き入れた。
「ァッヒァッ!!」
甲高い声を上げて、真/吾はビクンッと腰を跳ねさせる。まだ幼い熱から噴出す迸りを、2/世は一滴残さず全て飲み干した。
「ぁ……も……っ」
相手を捕らえるように絡んだ下肢に気付きもせず、真/吾は解放の余韻に浸る。欲液をすっかり吐き出して力を失ったそこを口内から開放し、2/世はべろんと唇を舐めた。
「真/吾、おいしい♪」
「……バカ……」
熱に浮かされた瞳に映るのは、まだまだ足りないと言いたげに笑む黒衣の悪魔。
手袋こそ外しているが、蝶ネクタイの一つも緩んでいないのが妙に頭にきて、真/吾は力の抜けた手を相手へ突き出し赤い布を掴むと力任せに引っ張った。
「お」

しゅる、と心地いい音がしてそれが解ける。愛らしい抵抗を見せた手を掴み、2/世はその指先にちゅっと音を立てて口付けた。
「真/吾はどこもかしこも美味しいなぁ」
「なんだよぉ……自分、ばっかりぃ」
なにやらご不満な様子の真/吾を自分に都合のいいように解釈し、悪魔はにこりと微笑んで真/吾の眼前に貌を思い切り近付けた。
「んじゃ、次は俺をゴチソウするぜ」
満面の笑みで視界を遮り、真/吾がほぼ機能しなくなっている思考を奮い立たせる隙に下肢を抱え上げる。現状に気付いた真/吾が目を丸めるが、抗議の声は唇で、逃げを打つ躯はそのまま貫いた。
「んんんんーっっ!!」
受け入れる悦びを知ってしまっているソコは侵入者を熱烈歓迎し、淫らに蠢く内壁が隙間なく相手を包み込み奥へ奥へと誘い込む。
「ンッ……」
合わせた唇の間から相手の口内に舌を侵入させ、上から下から犯していくとシーツを握り締めていた手が2/世の背中へと這い上がってくる。
申し訳程度にひっかかるカツラが気持ち悪いのか、しきりに首をすくめる真/吾の頭からそれを奪い去り、ベッド脇に落としてやると肉壁が更に力を強めて熱塊をきつく抱き締めた。
このまま思い切り突き上げて、淫らな音色を楽しみながら果てるのも良かったのだが……
「♪」
折角、と告げるイタズラ心に、2/世は素直に従った。
「ふぁ、へへ、真/吾、あれ見てみろよ」
キスを中断してそう言うと、すっかり蕩けきった視線がゆるゆると示された方を向く。そこには、あの姿見が。
「!?」
縦に長い鏡に映っているのは、下肢を抱えられ、右足に下着を引っ掛けたまま、自らを組み敷く悪魔に必死に縋りつく自分の姿。
桜色に色づいた双丘は大きく左右に割り開かれ、谷間の蕾は熱い塊を根元まで飲み込みヒクヒクと震えている。悪魔の肩越しに鏡に写る自分と目が合って、真/吾は思わず息を呑んだ。
「ぁ、締まる締まる」

2/世が何か言っているが、それどころではない。彼と愛し合う自分の姿を見るのは、これが初めてだった。
鏡の中の自分は、滑稽なほどに必死になって2/世を求めていた。奥深くまで飲み込んで『捕食』しているのに、それだけでは足りないと全身が叫んでいるようだ。
背に回された手や、抱え上げられた格好から相手の腰を掴む下肢、真っ赤に染まった貌、熱の塊を美味そうに飲み込む蕾。その全てが、彼を愛していると声にならぬ声で叫んでいた。
「絶景だろ」
鏡の中に気をとられる真/吾の耳を舐め、2/世はゆるりと腰を動かす。生み出されたピンクの電流が脳を叩いて、真/吾は鏡の中の自分を見詰めたまま大きく口を開いた。
「ンぁアッ!」
2/世が腰を引くと、蕾から熱塊が引き出される。その動きにつられて、ピンク色の肉がめくれて貌を覗かせる。
しかしそれは次の動きで中へ押し戻され、その動きが繰り返されるたびに背に回った手は相手の背中を引っ掻き、腰を抱える足がびくびくと震えて空を蹴った。
「アッ、や、にせ、ンッ、すご、ぃ、よぉぉ」
鏡の中の自分は、本当に女になってしまったかのようだった。愛しい男と1つになる悦びを謳歌する、1人の女だった。
そんなにも自分はこの悪魔を愛しているのだと、今更ながらに思い知らされる。
この悪魔は、コトあるごとに『真/吾はかわいい』だの『真/吾はエロい』だのと勝手な事を繰り返すと思っていたが、今の自分を見てしまうとそう言われても仕方が無いように思えてきた。
細胞の1つ1つが、確かに愛を叫んでいる。何億という真/吾が、一度に彼への愛を叫んでいるのだから、それを愛しく思わないほうがどうかしている。
それはこの悪魔も一緒だ。どう頑張っても完全にひとつになることは出来ない躯を必死に重ねて、繋ぎあわせて、飢えた貌をして迫ってくる。
真/吾が欲しい、真/吾が欲しいと口で、行動で、言葉で言葉にならない言葉で必死に伝えてくる。
それこそ、滑稽なほどに。

「ぅアッ、真/吾、スゲッ、締まるぅ」
次第に余裕を失っていく2/世の動きが無遠慮に、そして激しさを増していくと、室内はもう大変な騒ぎだ。
グチュグチュと水音が響き、真/吾は甲高い声を上げながら2/世の背中をかき抱く。甘ったるい喘ぎを聞かされ続ける2/世も吐息に熱持った声を混ぜて吐き、更に激しく腰を打ちつけた。
「ぁッ、アンッ、に、せ、も、っとぉ!」
「く、ぁ、ハッ、しん、ご、真/吾っ、真/吾ッ」
2人の腹の間、狭い空間で扱かれる真/吾の自身が涎を垂らし始めると、とうとう真/吾の理性が姿を消してしまう。
「ンァアアッ!あ、スゴっ、おくぅ、おくっ、すごぃぃ!!」
2/世の動きに合わせて腰を跳ね上げ、少しでも奥へ、奥へと誘う真/吾に、誘われるがまま2/世は腰を打ちつける。強い締め付けに根元から絞り上げられ、熱塊は質量を増しながら淫路を押し開いては去り、またこじ開く。
「へへ、へへへ、お、俺も、スッゲ、イイッ」
「ンンッ、にせぇ、も、もっと、いっぱい、いっぱいぃ!」
悲鳴に近い声に応えるべく、2/世は猛然と動き続ける。水音が一層大きくなり、真/吾はソレがさっき見たあの場所から聞こえてくるのだと思うや否や、何かが弾ける音を聞いた気がした。
「アッ、も、ダメ、い、イクぅ、で、ちゃぅぅ!」
「お、俺も、ヤバッ、も、ぁ、クゥッ!!」
急激な締め付けに2/世が腰を引こうとするが、腰の後ろでがっちりと交差された真/吾の下肢の拘束を解くことは出来ず、熱いマグマを全て真/吾のナカへと注ぎ込む。
どんなに突き入れようとも触れることの無い場所を熱い流れが叩くのを、真/吾は白濁した意識の中で感じ緩く笑んだ。

真/吾が目を覚ますと、外はもうすっかり暗くなっていた。
「……寝ちゃったんだ」
のそりと起き上がった真/吾は、自分がいつもの赤いシャツと茶色の短パンを着ていることに気がついた。
暗がりの中に目を凝らすと、あの紺色のセーラー服がきちんとハンガーにかけられて壁際に吊るされているのが見えた。
ぐるりと視線をめぐらせて自分の隣を見れば、2/世が大口を開けて寝入っていた。
時計を見れば、もう相当遅い時間を指している。今夜の夕食は、ばっちり食べそびれてしまった。
「後で2/世に、死神屋につれてってもらおうっと……」
くう、と小さく腹が鳴くのを聞いて、真/吾は再びベッドに横になる。
「……♪」
よく眠っている愛しい人の頬にそっと唇を寄せて、真/吾は体を摺り寄せて目を閉じた。

なお。
問題の女装コンテストは、停電と謎の発光事件、そして急な嵐によって中断に追い込まれ、真/吾のセーラー服姿が披露されることは無かったという。

【おしまい】

 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 長時間&長々とスマンカッタ
 | |                | |     ピッ   (・∀・;)
 | |                | |       ◇⊂    ) __
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