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夜明け前

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  地理とて珍弟子師匠だよ。
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  >>90の弟子視点だからゴウカーン注意報発令。
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 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 「コンセプトハメロドラマ」ダッテサ…
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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夜明け間近の神社の境内に、早々はひとりだった。
最低限の身の回りのものをまとめた風呂敷がひとつ、背中には大切な座布団をくくりつけ、
早々はたったいま、長年住み込んでいた早若の家を出てきたのだった。
師である早若から、「出て行け」と今までに何度言われただろうか?土下座で懇願されたこともあった。
それでも3年間、早々は決して早若の元を離れようとはしなかった。
けれど、今回ばかりはもうどうしようもないのだ―――。
暗闇の中、早々はただ項垂れる。

ここ最近、早若の荒みようは目に見えてひどくなっていた。
何かから逃げるように増えた酒の量。落語に関することを全て拒否する頑なな態度。
今日も、向かいの居酒屋で酔いつぶれた早若を迎えにいった早々に投げつけられたのは、
落語を否定する言葉と、師の飲んでいた酒。
そして……、早々を拒絶する言葉だった。
どうしても信じることができなかった。だから早々は、夜も更けた早若の部屋に訪れ、懇願したのだ。

自分を見捨てないで欲しい、と。
嘘だと言って欲しかった。いつものように頭を撫でて、微笑んでほしかった。
側に居てもいいのだ、と安心させて欲しかった。
けれど師の態度は昼間と変わらず、再び投げつけられた拒絶の言葉――。
目の前が真っ赤になった気がした。自分に背を向けた早若を引き倒し、早々は衝動のままに師の身体を貪った。
激情が去り我に返った早々が見たものは、自分の下でぐったりと意識を失ってる早若の姿。
その身体には無数の情痕。身を引くと、抜け出た場所からは血の色の混じった白濁の液が。
それは、早々が、師である早若を引き裂いてしまった、紛れもない事実だった…。

どんなことを言われても揺るがない自信があったのに。
どんなことがあっても、側に居続けようと誓っていたのに。
側に居て、できることならば支えてあげたいと、そう願っていたのに――。

けれど早々に突きつけられているのは、早若からの拒絶に逆上し、そんな師を陵辱してしまったという現実。
行為の跡を清め、手当てをした後も目を覚まさない早若を見つめ、早々は涙を流す。
どうしてこんなことをしてしまったのか、などと言うつもりはない。
――早々は、いつの頃からか師である早若に、道ならぬ想いを抱いていたのだから。
逆上して、我を忘れた思考の片隅に、どうせ離れなければならないのならいっそのこと、
という思いが無かったとは言い切れない。無理やりとは言え思いを遂げた瞬間に、
自分の中に昏い喜びが湧き上がったことは否定できない。
そんな自分が許せなくて、師の側に居続ける資格などないのだと思い至って、
早々は早若の枕元に控えながら、嗚咽を抑えることができなかった。
やがて早若が目を覚まし、許されることはないと分かっていながら、早々は師に許しを請うた。
早若の返答は、ふかぶかと吐き出されたため息だった。
「・・・・・・わしも落ちたもんやな」
掠れ声で早若は呟いた。とうとう弟子の慰みもんに成り下がるとはな、と。
そのあまりの言いように早々は言葉をなくした。そんな弟子を見上げる師の顔は、自嘲の笑みに歪んでいた。
「まあお前がそういうつもりなら、それでもええけどな…、しかしお前も酔狂なやっちゃ…」

「やめてください!!」

捨て鉢なことを言う師の声は、けれどかすかに震えて消え入りそうだった。
浮かべる薄ら笑いに反して、その目からは涙が流れていた。
ひどく追い詰められた目をしていた。そんな目をさせたのは、他ならぬ早々なのだ。
「もうええです…もう、ええですから……」
もう駄目だ、と早々は思った。
もう本当に、自分はこの人の側には居られない、と。
自分が側に居ることで早若を苦しめるのだ。自分の、落語への思いが、この人を追い詰めるのだ。
大切な師のことを。

―――大事に思う人を。

早々の目に新たな涙があふれた。
けれどこれ以上みっともない泣きざまを師に見せたくなくて、早々はただ早若に向かって深く頭を下げた。
畳に付いた手の上に、ぱたぱたと涙が落ちる。
その涙をぐい、と拭うと、早々は立ち上がった。努めて見まいとする師の姿が、それでも視界の隅に映る。
その、自分を見上げる師の顔が――、ふわり、と笑ったような気がして……。
胸の痛みに耐えられず、早々はその場から逃げ出した。

そうして、早々は師の元を飛び出したのだった。
言えなかった言葉は書置きに残してきた。きっと隣人の喜代美が見つけて、早若へと伝えてくれるだろう。
不思議と心の中は凪いでいた。悲しいだとか、悔しいだとかいう気持ちはすでになかった。
しかしどこにも行くことができず早々は、こうして早若の家近くの神社でうずくまっている。
月も隠れた夜明け間近の神社の境内。外灯の明かりは頼りなく、もちろん早々の他に人の気配はない。
まるで迷子の子供だ、と早々は自分の状況を苦く思う。けれども、どうしたらいいのか分からない。
だって本当に、早々には師匠だけだったのだ。
師匠の落語だけが、早々には全てだったのだ。
それを取り上げられてしまったら、早々には生きていく術がないのだ。
しかし、そんな早々の存在が、師を苦しめる。
それでも、自分は―――。
堂々巡りの思考に縛られ、早々はここから動き出すことができない。

そのまま、どのくらいの時間が経ったのか、辺りが次第に明るくなりだした。
白々と明けてくる空を眺めながら早々は、いつまでもここに居るわけにはいかない、と思った。
どれだけ考えても、行き着く結論は同じだった。
早若の元を離れて、落語を続けていくことができるのか定かではない。
自分がそうすることで、師はまた苦しむのかもしれない。
それでもやはり、早々は、落語を諦めることができない。
落語をしていたいのだ。
早若の、落語を。

だから自分にはきっとまだやれることがある、と早々は立ち上り、朝日の差し込み始めた神社の境内を後にした。

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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 妄想なので原作との整合性の無さはご容赦を…
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途中なんどかageてしまってすみませんでした。
おおっとぉ!放送が始まった!!


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