さらいや五葉 政之助×弥一
更新日: 2011-04-26 (火) 15:43:40
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| さらいや五葉 政之助×弥一
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 政之助が桂屋の用心棒になってからのお話
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ハジメテトウカシマス…
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
いるかい、という短い伺いの後、木戸がすらりと開かれる。薄暗い部屋に小春日特有の馬鹿明るい光が差し込み、政之助の目は一瞬眩んだ。
「……弥一殿」
「いいって。部屋にいる時ぐらいくつろいでな」
たたずまいを畏まらせようとしたところを、弥一に声だけで制止される。
懐手で柱に背をもたせ、弥一は随分と気だるそうだ。ただでさえやくざ者にしか見えない風貌に、色悪の雰囲気が重なって見える。普段より隙がある気がする、したたかさの抜けた顔つき。
今まで寝ていたのだろうか、昨日も忍んでくる遊女の相手をしていたのかもしれない、と政之助は柄にもなく邪推した。
「ちょっと用がある。半刻ほど身を貸してくれ」
そう頼まれ、訳も分からぬままとりあえず頷く。どこかへ参るので、と問うと、今ここを空ける訳にはいくめぇよ、と含み笑いで返された。
「女達は浅黄裏の相手、他は湯使いだ。三町先の銭湯に顔の良い三助がいるとかでな。主人は作らせてるかんざしの進み具合が気になるらしい」
「松吉殿の店でござるか」
こんな端近の部屋を宛がわれておきながら、遊女達の行き先はおろか、人が出払っていることすら気付かないとは……。
政之助は己の愚鈍さに嫌気が差した。滅入る気持ちと共に吐いた息はごく小さく、溜息さえも度胸が無い、と我ながら呆れるばかりだ。
「つまり今は人がおらぬのか。そのように無用心にして、女所帯だというのに大丈夫であろうか」
弥一は僅かに目を見開き、それからさっきよりも露骨に笑い声を立てた。くく、と口の端を震わせながら、火鉢の前へ着座する。
「なんのためにここにいるんだい、あんた」
全くだ。自分でも十分すぎるほど分かっているのだが。
政之助は弥一の口利きで桂屋に入った。用心棒として雇われているはいるが、女郎たちに気押されているばかりで日々が過ぎ、正直護衛として役立つどころではない。
居候、と呼び名を変えてしまった方がいっそしっくり来る。
「面目ない……。だがそんな簡単に留守を預けられてしまっては」
「竹光差してるんじゃねえんだ、もっとしゃんとしな。腕は立つんだからさ」
弥一は片頬で笑みながら煙管に火を浸ける。
片肌脱ぎになった二の腕。立膝でだらしなく座る足元。懐の奥や肌蹴た裾から覗き見えるのは、肌理の整った――――
今まで幾度となく抑圧してきた邪さがまた焔を上げんとする。政之助は恥じ入るように俯き、少々間を置いてから本題に入った。
「して、今日は如何様で」
「如何様で、ねぇ……」
鸚鵡返しにする弥一の声から、先程までの軽やかさが消えた。唐突なその違和感に気づいた政之助が、はっ、と顔を上げると、向かいに座っていたはずの弥一がすぐ隣で構えていた。整った顔が目の前に迫る。
肩口を軽い力で、とん、と突かれただけで、あっけなく畳に寝転がされてしまった。
「おめえさんが欲しいんだが……今は気が乗らねえか」
「……わからないでござる」
「乗らねえ、とは言わねえんだな」
勝気に出られれば、誠之助元来の引っ込み思案が先に立ってしまう。ぐ、と押し黙っていると、弥一はその気弱さに器用につけ入り、政之助の全てを目くばせ一つで制してくるのだ。腰紐に手を掛けながら寄越す、優しく、それでいて有無を言わさない逼迫した視線。
弥一の強気な表情を見ると、優柔不断でうだつの上がらない自分が許容されているような、流されてしまいたいような気分にさせられる。
「好きにさせてもらう。嫌ならいつでも言えばいい」
彼の言葉は、常にそれの意味以上でも以下でもない重さをしている。政之助は止めることも進むことも出来ず、ただ戸惑っていた。いつもの手立てと分かっている。だが、それに抗えた試しは一度たりとてない。
弥一は自らの懐へ手を入れ、もう片方の肩口からも腕を抜く。露にされた、儚くしなやかで透き通りそうな上半身。
政之助は知らぬ間にその胸元へ掌を寄せていた。
その白さは、狡かろう……。
我慢の利かない自分が恥ずかしくて仕方ない。政之助はぎゅっ、と童のように固く目を瞑った。
この御仁のようでありたい、と、この御仁が欲しい、は同義なのだろうか……。
などとしゃっちょこばって考えているうちに、気付けばすっかり弥一の中に飲み込まれていたのだった。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ ジダイコウショウオカシカッタラスマン
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ありがとうございました
このページのURL: