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よくじょう

コ/ー/エ/ーのゲーム、戦☆国☆無☆双☆2で、前田慶次と真田幸村
棚に投下しといて何だがストーリーに触れる描写があるから難解な個所があるかも…

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

 今日も無事死線を乗り越えた。本当の意味での死線。慶次殿と出会って初め
てそれを体験してから少し日が経った日。さっさと戦の片付けを済ませ、私はご
当地で有名な浴場に足を運んだ。
 ひっそりと在る露天は小さくて人気が居ない。付近で今しがた戦があったのだ
から民が避難していて当然でもある。貸切状態だろうか、と思いながら重い武具
を外し浴場へ向かう。
 そこに居たのは。
「け、慶次殿。いらしてましたか。」
 先ほど思い返したばかりの偉大な人がそこに居た。思わず憧れのその人を少し
避けて洗い場を選ぶ。
「幸村。こっち来いや。」
避けたのを変に思われたか。慶次殿に呼ばれてはいと答え、ひとつ間を開けたと
ころに桶を置きなおした。
 どうにも居心地が悪い。それというのもここは浴場で、無論私も慶次殿も裸な
のだ。男同士何も気にすることはない。わかってはいるがつい目のやり場に困る。
私さえ小さく見えるほどに、慶次殿は大きすぎる。
 ふ、と、違和感に気付く。慶次殿の赤い髪留めが無い。浴場に居るのだから当
然か。違う。髪の形はそのままだ。この湿気の中前髪もいつものように獅子の鬣
よろしく立っている。
「見ろよこの剛毛。半日も結えば癖がついちまう。」
私の視線に気付いた慶次殿が、前髪のひとふさをつまんで笑ってみせた。
「はは、髪のひとふさまで慶次殿らしいです。」
私が冗談で返すと、慶次殿が合図のように目配せをし、汲み置いた湯を一気に頭
からかぶって見せた。

「ま、これで一気にぺしゃんこだ。俺は未だにこれを見るのが面白くてね。」
本人はいつもと同じように豪快に笑うが、彼の髪は私が未だ嘗て見たこともない
様相だった。力なく慶次殿の額や肩に纏わりついていて、少しガタイが小さく見
えるのが新鮮だ。何よりも美しかった。白金の輝きをたたえた彼の髪は、剛毛だ
と笑ったわりにしなやかで意外なほど長い。豪傑の稀に見る雅な姿に、私はあろ
うことか軽い陶酔を覚えた。不意に髪が纏わりつく逞しい肩が目に入り、陶酔は
うっすらと眩暈に変わる。
「……幸村?」
不審がった慶次殿に呼びかけられて初めて我に返る。
「あ、ああ。すみません。あまりの変わり様だったもので。」
そうだ。見惚れていてはいけない、と再び慶次殿から目をそらした。
「ほら、私も。慶次殿ほどではないですが。」
苦し紛れに私も湯をかぶった。量感を失くした髪が顔に纏わりついて鬱陶しい。
「それじゃまだまだだぜ、幸村。」
誤魔化せた、と言っては語弊があるが慶次殿の顔から不審の色は消え笑顔が戻った。
「わかってますよ。髪の量で慶次殿と張り合う気は毛頭ないので。」
あくまで慶次殿と目を合わせないままそそくさと身を清め始める。目を合わせて
いなければ、いつものように振舞うことが出来るのだ。今日はどうも調子がおか
しいらしい。疲れが出ているのかもしれない。
「俺はな幸村。どんな些細なことでも日の本一になりたいんだ。」
慶次殿がにわかに発した言葉。"日の本一"、か。
「では私も、義と勇においていつの日か慶次殿を越えて見せましょう。」
目は合わせられずに私は心で見据えて慶次殿に誓った。
「その意気だぜ幸村。今日はなんか、様子がおかしかったからよ。元気そうで安
心した。」
そう言い慶次殿は立ち上がった。さりげない気遣いが胸を突いて押し寄せるよう
だ。そのまま慶次殿が露天の方へ向かうようなので私も続いた。

 そのとき、見ないように努めていた慶次殿の身体が目に入ってしまった。広い
背中も、逞しい肩も、力強いその腕も。そればかりか思わず慶次殿の足のつけ根
に目が行ってしまい湯気も相俟って上せたようによろめいた。慶次殿の逞しい腕
が私の体を抱きとめたことは、おぼろげにしか覚えていない。

 「幸村!」

 途切れた意識を繋ぎ合わせるとまったく時間が経っていないことに気付いた。
「幸村。やっぱりお前おかしいぞ。いくら上せたってあんな急に倒れるもんじゃ
ねえ。」
先程と同じ浴場。慶次殿が顔を覗き込んでくる。
「心配を、かけました……。」
咄嗟に身を引こうと体を起こすが、
「どこかぶつけてねえか? 吐き気は?」
また慶次殿の顔が近づいてくる。視界が慶次殿でいっぱいになって。
「…………。」
 ある距離近づくと慶次殿は何も言わずに体を離した。意味深な表情。何かを、
悟ったような。
「ありがとうございます。平気ですから、慶次ど……、」
「幸村。」
私の言葉を、慶次殿が私を呼ぶ言葉が遮る。初めて慶次殿に名を呼ばれたときの
感情が蘇る。
「お前は今日、どこかおかしいんだ。」
諭すような語尾の強い慶次殿の言葉。休め、とでも言うつもりだろう。
「いいえ、慶次殿。ありがたいですが私は大丈夫ですから。」
当たりをつけて私がそう言うと、慶次殿はより強く言った。
「お前は今日、どこかおかしいんだ。」
あまり強く繰り返し言われると、私が気でも違えているように聞こえて慶次殿と
いえど癪に障る。そう思っていると、慶次殿がまた近づいてくる。
「……っ慶次殿! 本当に、大丈夫ですから。」
少し、ムキになりすぎた。だが後悔する間もなく慶次殿が私の、自身に触れる。

 「慶次殿、何を……、」
動揺を隠せないまま腕をつっぱねて形ばかりの抵抗を示す。実際は事態に追いつ
けないですがるように慶次殿の腕を掴んでいるまでだった。だが慶次殿は返答を
返すこともなくあろうことか掴んだそれを扱き始めた。
「け、慶次殿……!」
こればかりは流石に力いっぱいの抵抗。私は悪い夢を見ているような気心に陥っ
た。だが、先程まで私が見惚れるほどの肉体は見せかけのものではない。私の抵
抗など取るに足らないものとばかりにその腕は、その手は、私を高みに導いてい
く。
「おやめ下さい慶次殿、こんな……」
「少し黙ってくれないか、幸村。」
名前を呼ばれて。それでもう私は何も出来ず、何も言えない。

 しばらくされるがままになっていたが、高みが見えてきた。まさか慶次殿の手
で果てるわけにはいかない。
「慶次殿、どうしてですか。」
制止の言葉を言えず私は遠まわしなことを言う。本当に言いたいのはこんなこと
ではない。
「幸村。こんなことはきっと今日限りだ。今日はどこかおかしいんだ。」
慶次殿は同じ言葉を繰り返す。その間にも慶次殿の手はやわやわと玉を揉み裏筋
をなぞり亀頭を刺激する。声を上げるほどではないが息が荒くなってくる。
「幸村。……俺も今自分がわからない。すまない幸村。」
悲痛な様子で詫びを述べる慶次殿の様子とは裏腹に今もその手が止まることはな
い。
「慶次殿、慶次殿。少しでいい、待ってください。慶次殿。」
繰り返し慶次殿の名前を呼ぶ。どこか倒錯した雰囲気。おかしいんだ。それなら
少し落ち着かないと。私が少しおかしいということを否定はしない。だが今は慶
次殿の方が正気の沙汰でない。このまま私が果ててしまえば、何かが壊れてしま
う、気がする。だが慶次殿の手の動きは止まらない。このままではいけない。

 「慶次殿!」

今度は私が、強く慶次殿の名を呼んだ。
 すかさず慶次殿が覚醒する。覚醒、する前は一体何が起きてたというんだ。
「幸村……。すまない、すまない……。」
しきりに詫びる慶次殿の髪が揺れる。濡れているせいでしなやかな慶次殿の髪。
はたと気付いた。私は慶次殿に欲情してしまっていたのだ。気付いたところで今
更どうすることもできない。許されることではない。
「慶次殿。私が、私の方こそ……許されるとは思っておりませぬ。しかし何と詫
びればよいやら…慶次殿、誠に申し訳無い。」
「止せ幸村。お前が何を詫びることがある。俺がバカなことをした。」
慶次殿も床に手をついて謝る。また綺麗な髪が揺れる。
「慶次殿、申し訳無い。」
私がまた繰り返す。
 「……ふ。」
「はははははは!」
慶次殿が突然、豪快に笑い出した。
「幸村、ばからしいと思わないか。大の男が2人して。何やってんだろうな。」
そう言われて考えれば確かに。浴場で裸で謝り合って。
「そう、ですね。」
そう言って合わせて笑ったそのとき。
「というわけで幸村。」
慶次殿がまた意味深に名を呼ぶ。
「なんでしょう。」
私は身構えることも無く答える。
「詫びのしるしにイカせてやるよ。そのままで辛いんじゃないのかい?」
辛いとか辛くないとかじゃない。男の本能としての辛さはあるが、私は一人の人
としての慶次殿を敬愛している。違うのだ、根本的に。
「まさか、慶次殿。ご容赦下さい。明日からどんな顔で会えばいいのです。」
ただ、今宵は。露天の月明かりと慶次殿の髪が美しかった。絆されたのか。
「言ったろ、俺たちは今まともじゃねえんだ。明日になればいつもどおりさ。」

 ぐい。慶次殿の手が私の腰にまわってくる。強い力で引き寄せられる。抗わな
い。そのかわり何も言わない。是非を越えてただ私は慶次殿の目を見た。慶次殿
もそれに答えるように見返す。
 慶次殿は偉大だ。大きくて。強くて。そして私は慶次殿に詮無い思いを抱きは
しない。決して望んだわけじゃない。ただ今日慶次殿が大きくて。美しかったか
ら。現の中で慶次殿は私のものを扱いている。そして私は現実の中で言い訳をする。慶次殿は偉大だ。大きくて。強くて。美しくて。だから、抗えないのだ。そう言い訳をして、夢の中に上へと詰める。

 「……っく……」

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
お目汚し失礼しました!


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