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黄金の邂逅

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  序所5部終了後のシリアスDI0×ジョルを真夜中にコソーリ投下。親子ネタ注意
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  当時もしDI0が生きていたら…という無駄無駄親子if話です
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 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ボウWRYナ帝王ソングニ触発サレマシタ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) 
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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 その館の一室で闇から抜け出るように現れた男の姿を見たとき、ジョルノは我知らず、
体の奥底がドクンと高鳴るのを感じた。
「何をしに来た?」
 闇夜に浮かぶ透き通るような白い肌と、黄金の髪。凍りつくような面差しの中で
ひときわ目立つ唇が開き、恐ろしいほど静かに問う。
「ディオ・ブランドー。あなたに会いに」
 それとよく似た金髪の少年の声もまた、しきりに警鐘を鳴らす胸の鼓動とは対照的に
落ちついていた。
「なぜだ?」
「さあ、なぜでしょうね」
 ただ、と言いかけて、ジョルノは言葉をつまらせた。

 生まれてからただ一度も会うことのなかった父が生きていると知ったのは、闘いも終わり、
15の若さで組織の頂点に収まってからしばらく経ってのことだった。
 あるときパッショーネのボスとしてミスタを伴いエジプトを訪れたおり、ジョルノは
ひとつの風聞を耳にした。さる無人の館に吸血鬼が居り、そして人の生き血を啜る
その男の首には、星形の痣があるのだという。

 まさかと疑いながらも館のありかをつきとめ、単身訪れたジョルノを迎えたのは、
写真で見た父そのままの顔をしたこの男だった。
「……ただ、ここにあなたがいることを確かめたかった」

 そんな衝動に駆られたこと自体、我ながら、不思議なものだと思う。
 父は死んだと聞かされた昔は、まだ見ぬ肉親にそれほど強い憧憬を寄せていたわけではなかった。
偶然ポルナレフの口から己の父の正体とその最期を知らされたときでさえ、現在も、そして
これからも、父の生き様が自らの人生に関わってくるようなことはないと考えていたのだ。
 しかし今確かに自分は、目の前の男に、言いあらわしようのない血の共鳴を感じていた。

「フン」
 男は低く鼻を鳴らし、目の前の少年に興味があるのかないのかわからない様子で唇を歪める。
 そうして気づいたときには、いつのまにかジョルノの背後に回ったDI0の両手が、
少年のうなじから髪に触れていた。
 とっさに身構えるどころか、瞬きするほどの間もなかった。

 これが彼の『世界』。噂には聞いていたものの、実際にその能力を体感すると背筋が凍る。
 その気になれば、彼はこの一瞬で相手に致命傷を与えることもできたのだから。
「髪の色は、私に似たらしいな」
「ええ、おかげさまで。これでも昔は黒髪だったんですが。――それはともかく、
ぼくの質問にも答えてください。あなたはここで何をしている?」
 内心の動揺も表に出さぬそぶりで、振り返らずに問う。
 すると髪の一房をもてあそんでいた指先がふっと離れ、代わりに両肩に重みが加わった。
「1年前の闘いで、仲間を失ったそうだな」
 最も忘れがたい、しかし余人には掘りかえされたくない記憶を耳打ちされ、ざわりと心が波立つ。
「己の血を受け継ぐ人間のことはすでに把握済み……というわけですか」
「たとえ同じ因子を継いでいようと、わたしに子供などというものは存在しない。
大事なことは、このDI0の役に立つ者か、仇なす者か?それだけのことだ」
 帝王は一人だけでいい。傲慢なほどの口ぶりが、この男の酷薄さを物語っていた。

「答えは簡単だ。再び『世界』を我が手に。敗者は汚泥にまみれ這い蹲り、勝者は
至上の天国を支配し、そしてその先にあるわたし自身の世界を完成させることだ」
 かつて昔語りのように伝えられた、ジョースターの一族とディオの闘いの物語を思い出す。
 その世界へ至るまでに犠牲になるであろう、またこれまで男が踏みつけにしてきたであろう
者たちの運命を考え、ジョルノは少しずつ腹の底に不快感がつのっていくのを覚えた。

「そうして、これまで大勢の人間の生命を奪ってきたのですか」
「生き抜くために食事をとり、向かってくる浅はかな輩には報いを。それが頂点に立つ者として
当然の義務ではないか?」
 お前はなにも犠牲にせずに今日まで生きてこられたというのか? 
 そんな嘲笑が聞こえたような気がして、唇を噛みしめる。
「あなたはすでに滅びたはずだ。恐怖の支配者であったあんたは、確かな正義の意思の前に
裁かれ、完全に敗北した」
「だが今はここにいる。再び生を得たからには、たとえ泥を食み骨一つになろうと、
生きることを諦めはしない。おまえもどうやら、闘いに勝利し生き残るだけの能力は
持ち合わせているらしい。このDI0に忠誠を誓い共に来るというのならば、
このまま傍に置いてやってもよいが……どうだ?」
 思わず安らぎに身を委ねてしまうほど妖しく、甘い声で囁かれた誘惑を、しかし少年は
毅然と撥ね退けた。
「無駄だ。たとえこの体にその血が流れていようと、今のぼくには目指すべき夢があり、
そして仲間の残してくれた遺志がある。あんたに誓いをたてる必要など、どこにもないんだ」
「夢だと? ならばその仲間とやらも、わたしの血で亡者として甦らせようか。それとも
生き残った仲間に肉の芽を植えつけて、おまえの忠実な僕にしたてあげてやろうか?」

 これは父ではない。
 それを思い知ったとたん、心にわずかに残っていた写真の面影を振り切るように、
何かがジョルノの中で爆発した。

「そんなことは……させないッ!」
 少年と男の立っていた空間を隔てるように、黄金色のビジョンが激しく浮かび上がる。
 ゴールド・エクスペリ工ンス。己の傍に立つ者であり、己の半身であり、かつての過去と
闘いの中で彼が得た、黄金の正義と希望の象徴。
 そうしてジョルノは初めて背後を振り返り、正面から男と対峙した。

 ところが、少年の強い瞳の輝きを間の当たりにした瞬間、男の表情が一変した。
 その曇りのない視線の奥に、まるで別の『何か』を見出したかのように。

「……その目は、あいつと同じなのか」

 その眼差しは、あの血統の精神を受け継いでいるのか。
 憎悪と歓喜の双方に彩られた、どす黒い声がその唇からこぼれる。
 それは彼がはじめて少年の前で露にした、激しい感情の迸りであり、地中に深く潜む
溶岩のように煮えたぎった執着の塊のようでもあった。

 はじめて向けられた男の眼の色に、一瞬戸惑い、惹きこまれそうになったそのとき、
DI0の手がそっと静かにジョルノの腕を掴んだ。
「今のはただの冗談だ。そんなに怒るな」
 底冷えするような囁きが耳元で響き、その声色と腕の感触にゾクリとさせられる。
「離してください」
 と冷ややかに手を引こうとして、体が思うように動かぬことに気づく。

 男はかまわずジョルノの顎を上向かせて、うっとりと夢見るように低くつぶやいた。
「おれとおまえの肉体からこんな子供が生まれてくるなど、皮肉なものだなァ? ジョジョ。
だが曇りなき太陽の輝きなど、このディオには無用のもの」
「何を訳のわからないことを……。2度同じことを言わせないでください」
 なお逃れようとあがき、しかし蜘蛛の糸に絡めとられた獲物のように上手くいかない
もどかしさがつのる。
 男の目も、声も、有無をいわさぬ力を持ちながら先ほどまでの剣呑さが嘘のように優しく、
そして自分自身、無意識のうちにその声と目に魅入られてしまったらしいことが、
いっそうジョルノの困惑を深くする。
 いつのまにかスタンドも、本体の抵抗の弱まりと呼応するように、その姿を消していた。

「そんなものは無駄無駄無駄無駄無駄……無駄だ。その黄金の輝きが腐りはて消えるまで、
おれに真の平穏は訪れないとあの時思い知った。よかろう。今はおまえもおまえの仲間も
あえて傷つけるつもりはない。おまえの魂がどこまで持ち堪えるか、それを見届けてみるのも
また面白い」
 するとDI0は少年の前髪を強引につかんで引き寄せ、愛しげに頬を撫でたかと思うと、
指でたどったその唇に噛み付くように口付けた。
 言葉もなく目を見開くジョルノの顔を、ぞっとするような朱い瞳が覗きこんでいた。
「なあジョルノ? 我が息子よ」

「あ……っ」
 首のつけ根に浮かぶ星形の痣を丹念に愛撫すると、まだ成長しきっていない少年の背中が
ビクリと跳ねる。
 なだめるようにゆっくりと髪をすきながら、己の背中にもあるその印に舌を這わせ、
おもむろに牙を剥いて首筋に突きたてる。そこからワインのように赤い血が滴る様を
楽しげに爪の先でなぞり、戯れに片手で軽く喉を絞めあげる。
「うああっ、く……」
「苦しいか?」
 それはすまないことをした、と罪悪感のかけらもない調子で続け、今度は恋人にするように
優しく優しく唇を重ねて舌を絡め、ちゅ、と甘く吸いあげる。
「すまないと思うのなら……やらないでください」
 全身に惜しみなく与えられる刺激と苦痛と愛撫に呼吸を乱しながらも、冷静な口調を
崩そうとしない少年に、男はクッと喉を鳴らす。
「おまえのその目を見ていると、何故か血が疼く」
「実の子供に手を出すなんて変態ですか、あんたは」
「言ったはずだ、おれには子供などというものはいないと」
「だったら都合のいい時だけ息子呼ばわりしないでくださいよ。……あッ!」
「面白いな。おまえと話していると退屈しなくていい」
 身体の最奥に触手めいた肉の芽を捻じこまれ、悲鳴をあげるジョルノを満足そうに眺めて、
DI0は背中に寄り添うように身体を密着させながら、なお耳元に語りかけた。

 知っているか?
 おれの体は、ジョースターという男の肉体を奪って生き延びた。
 奴は100年前、その魂と勇気と命をかけておれと闘い、そして死んだ。
 ……おれたちは二人で一人。おまえはその肉体と、おれの体から生まれてきたのだ。

 おまえがどちらの血を受け継いでいるか、そんなことはどうでもいい。
 ただ、その黄金の魂に刻み付けてやろう。おまえは生まれ落ちた瞬間からおれのものだということを。

 蝋燭の灯火もない暗闇の中で、男の逞しい背中だけが青白い月明かりに照らされる。
 その首元に浮かぶのは、自分と同じ、星の形をした小さな痣。
「どうした? ジョルノ」
 なんとはなしにぼんやりと見つめる視線に気づいていたのか、振り向きもせずに問う父に、
ジョルノは少しだけ首を横に振る。
「いえ。なんでも」
 数刻前までの熱情と狂乱が去り、今は気だるい絶頂の残骸だけが残る。
 ずっと執着という名の狂喜にとり憑かれていた男の顔も、再び元の凍りついた表情に戻っていた。

 さきほど仲間に対する侮辱としか思えない行為を口にしたことを、この男はただの冗談と答えた。
 しかしそれは彼にとって気分しだいでたやすく実行されるようなものであるということ、
この男を放っておけば、いずれ仲間どころか世界をも巻き込む惨禍が訪れるであろうことを、
ジョルノは察していた。そしてそんな惨状を己が知れば、決して見過ごせはしないということも。
 彼が彼として生きるかぎり、いずれぼくはこの人と対峙し、いつか……。
「いつかぼくは、あなたを殺します。お父さん」
 彼が生み出した、その『世界』の災厄の大きさの分も。
 つい言葉となって出た決意に、DI0はゆっくりとジョルノの方を向き、やがて横たわる少年の
両手を押さえつけ覆いかぶさるように顔を近づけた。
「フン。できるのか?」
「できますよ。ぼくがぼくであり、あなたがあなたである限りは」
 それが逃れられぬ運命であり、選んだ真実なのだと。ジョースターの血を引く人間が存在するかぎり、
この男が永遠に心の呪縛から逃れられぬのと同じように。
 組み敷かれた状態のままでも、少年の目には、変わらず黄金のような希望があった。

 すると男は愉快そうに笑って、ジョルノの頬に触れた。
「やってみるがいい。できるものならな」
 そうして子供におやすみのキスをするように、肩を抱き、唇が耳に触れ、頬を合わせ口付けを交わす。
 これが表面だけのものだと分かってはいても、頬に触れる手は冷酷な中にもどこか慈しむようで、
いつも写真だけでしか見ることのなかった男の表情は、今はたとえようもなく穏やかに思えた。

 なぜか、涙が一筋あふれ出た。

「なぜ泣く?」
「わからない」
 不思議そうにその涙を見つめるDI0に、ふいにわきあがった感情の高まりを抑えるように首を振る。

「あなたは……残酷だ。自分に息子などいないと突き放しておきながら、何故ぼくに触れる?」
「おまえこそ、それをわかっていながら何故ここに居る?」
「わからない」
 途方に暮れた子供のように、それだけをつぶやく。

 何も知らなければよかったのだ。
 男のこんな一面を、誰かをいとおしむような手を、そして狂おしげな眼差しを。
 己の名を呼ぶ声も、優しい口付けも知らなければ、この父だという男を悪と定め、
倒すことへのためらいなど抱きはしなかったものを。
 それでも彼の求める『世界』は、少年の目指す道とは、あまりにも違っていた。

 さあ、どこまで堕ちずにいられる?
 そんな父の声が聞こえたような気がして、ジョルノは両腕で顔を覆う。
 朝の陽光は遠く、今はいっそう深い闇が二人を包んでいた。

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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ オソマツ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
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  • イイ -- これがみたかった? 2011-12-18 (日) 21:47:52

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