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芸人 ロンドンブーツ1号2号 亮×淳

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  最近のゲ仁ソ投下に便乗して。
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  倫敦ブーシです。
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 一応金赤なヨカーン
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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 もうずっと前。今から十年も前に、誓った言葉がひとつある。

 不機嫌を顔一杯に貼り付けてそっぽを向いた俺の周りを、さっきから窺うような
素振りで厚がうろうろとしている。
 今終わったばかりの収録で、その場の勢いで厚が俺の秘密を暴露してくれて、
それはそれは俺的には大変な事態になった。まぁ、よぉあるって言えばよぉある話。
職業柄、しゃーない事でもある。厚ばっかりが悪い訳でもない。
 そうは思っているものの、いやいややっぱりキッカケは厚やってんから、なんて
自分に言い聞かせて不機嫌を貫いてみる。
 俺が厚の優位に立てんのは、こんな時だけやから。
 ちらちらとこっちに視線を送っている厚が何を考えてんのか、大体は予想がつく。
声かけるかかけへんか

って迷ってるんやろう。いつもならどっちからともなく歩み寄って仲直りをする。
それが今日出来へんのは、ひとえに俺が拒んでるから。
 阿呆やなって自分でも分かってる。
 こんなやり方で、厚の気持ちを確認するみたいな真似して、ホンマに格好悪い。
 分かってるけどやめられへんのは、多分自信がないんやろう。
 ずっと前に誓った言葉。守れているとは思えない。
 イラっとしかけて、無意識に手が煙草を探した。数分前に吸ったのが最後の一本やったと
気付いて、舌打ちする。
 上手い事いかへん時なんて、連鎖するもんや。かの井ノ樹先生も言うてはったっけ……。
 ぼんやりとそんな事を考えていたら、背中にぽふっと重みが乗った。
「……厚?」
「…………」
 返事はなくて、首を捻ると厚の茶色い髪が俺の右肩に乗っているのだけが見えた。
額を肩に置いて、厚は何も言わずに、抱きつくでもなくそうしている。
 あぁ、やっぱり俺は阿呆やな。
 自虐でもなくそう思った。

 普段冷徹なキャラで売ってるけど、厚は結構小心者で、今かって俺と喋られへんのが
気まずくて、でもやっぱり声をかける勇気はなかったんやろう。
 あぁ、俺はホンマに阿呆やな。こうでもしないと、厚に俺が必要かが分からへんねんから。
「……厚」
 言いながら、茶色い髪を左手でぎこちなくくしゃくしゃにした。
 ようやく顔を上げた厚はほっとしたみたいに俺を見る。
「寮君、ごめんなさい。」
「あれはしゃーないよ。厚だけが悪いんちゃうわ。……俺も態度悪かったやろ、ごめんな」
「ううん、俺も本当にごめん。」
 画面の中では見られない素直さで、厚はそう言った。
 こうなれば仲直りは簡単で、もう数十分後にはいつも通りの俺らに戻ってる筈や。
 俺らの喧嘩はいつだって、仲直りするのを前提に行われているから。
 それでも反省はする。
 こんな時でもないと優位に立てない自分に。
 守れていない約束を、それでも放棄する事の出来ない自分に。
「なぁ、あっちゃん」
「ん?」
「ごめんな」
 説明出来ずにそれだけ告げると、厚は一瞬きょとんとしてから「何謝ってんの?」と
笑いながら言った。
 唐突に口にした謝罪の真意は、多分厚には伝わってへんのやろうけど、それを受け止めて
笑ってくれたこの相方を大切やって思ってる気持ちは本物やねんけど。

 もうずっと前。今から十年も前に誓った言葉がひとつある。
 『厚の面倒は僕がみます。』
 こいつを笑わせるんも、泣かせるんも、全部俺でありたいやなんて我侭をずっと持ってしまってるんよ。
 でも絶対に大切にするから。それだけは守るから。
 言葉には出さない気持ちが指先から伝わればいいと願って、俺はもう一回厚の髪をくしゃっとかきまぜた。

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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 雰囲気だけの話で申し訳ないです。
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