実シ兄+524
更新日: 2011-05-02 (月) 20:37:11
おかりしますー
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| オ/リン/ピック‥‥。ぽえまー
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 実況&解/説ナマモノです_| ̄|○
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「今日で終わりですね」
いつも穏やかな人だが、今も変わらない穏やかな響きで彼は話した。
一仕事終えた後、偶然会った彼を食事に誘った。快諾してくれた彼と話すのが
楽しく、いつもより酒が進み、会話も弾み、自分でも少し浮かれているかもしれないと思ったが、その過ごす時間の楽しさに身を任せていた。
その時、その言葉が彼の口から出てきた。
「オリンピック、終わりますね」
その言葉は、自分の浮かれた気持ちを一気に冷やした。
どんな言葉を投げかけられても、それに応える事が出来る自信がある。
しかしその時は、当りさわりのない返答も、相槌すら出てこなかった。
「私は、明日の便で日本に帰ります。借家さんは、どうされるんですか?」
声が詰った。
「借家さん?」
「私は、まだ、仕事が…」
かろうじて、出てきた言葉は、ひどく掠れていた。
自分の声がこんなに掠れた響きを帯びた事は記憶になく、急に不安が襲い掛かる。
「子二誌さん、もうちょっと、ゆっくりしたら。
そんなに急いで帰らなくても。まだ。オリ/ンピックは終わってない事ですし。
ほかの競技も、結構面白いですよ。良かったら、私が。私が――」
言葉を一気に吐き出す私に、彼は、驚いたように目を見張った。
そして、戸惑ったような口調で言った。
「残念ですが。飛行機の切符をもう取っていますから」
当たり前の事だと思った。
彼の仕事は終わったのだから、ここに、これ以上いる意味はない。
彼は、一足先に、日常へ戻っていってしまうのだ。
又詰って、黙り込んでしまった私への彼の戸惑いが感じられる。
彼が帰るというだけで、ショックを受ける自分がおかしいのだと分かる。
彼がここからいなくなるという事がどうしても耐えがたく感じるのがおかしいのだと感じる。
しかし、彼がいなくなるということが、自分のどこかを損失する事は確かなのだと自覚した。
「大層、勝てて良かったですね」
なんとか、会話を続けようとするあまり、前後の脈略がなくなってしまったが、彼は、何事もなかったように会話を続けてくれた。
試合中もそうだった。
抑えようとしても押さえ切れない感情の発露に興奮する自分は彼の声と言葉に何度もなだめられ、何度も、救われた。
「そう、ですね。あの子たちは本当に頑張ってくれていたので」
「ええ」
「大層をはじめる子供が増えてくると嬉しいですよね」
「増えますよ」
「そう、だといいんですが」
「増えますよ。きっと」
「はい」
「今回のオリンピックを見て感動した人が、大層をはじめて、
そして、成長した後のオリンピックでまたメダルを目指しますよ」
「そう、ありたいですね」
「そうなります」
「又、同じ事言ってもらわなければいけませんね」
「え?」
「今度は、泣かないようにしますね」
その瞬間、団体の試合を思い出して胸が熱くなる。
終始、日本の勝利を疑わず、盲信せず、卑下せず、冷静に見えた彼の感情が溢れた瞬間。
あの瞬間の彼を最も近くで見ることが出来た自分が、我慢できずに、吐き出した言葉。
「いえ。泣いてください」
酒のせいだけではなく、少し赤くなった彼が否定する。
「泣きませんから」
「いえ。泣いてくださっていいんです」
「泣かせる人がいなかったら、泣きませんから」
「じゃあ、泣かせますから」
むきになって言う私に、とうとう彼は笑い出した。
「――次も、素晴らしい演技が見れたらいいですね」
「そうですね。一緒に、見られたらいいですね」
「そう、ですね」
次も、その次も、その次の次も。あの瞬間を共有できる人が彼である事を、強く祈る。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ ヒトリデコソーリミルヨ
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
改行シッパイした_| ̄|○
このページのURL: