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無題

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 | | |> PLAY       | |
 | |                | |           ∧_∧  サイキンアツスギルモナ
 | |                | |     ピッ   (´∀`;)
 | |                | |       ◇⊂    ) __
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 畳の上に組み敷かれ、雅孝は逃れようと必死で身をよじった。
のしかかる男と時折目が合う。明かりの消えた室内で、ぎらりと光るそれは肉食獣のようだ。
むきだしの情欲に耐え切れず視線をそらすと、無遠慮な唇が追ってきて、首筋に吸い付いた。
 押さえつけた手の力を緩めず、ボブは雅孝のTシャツをくわえてめくり上げた。
胸の中央を鎖骨へ向かって舐め上げられ、雅孝は身をすくませた。
「暴れねぇのかセンパイ。オレは何するかわかんねぇぞ。」
ふざけるな、と罵る口を途中でふさがれ、強く舌を吸われた。
「……っ、ぷはっ」
「念のため言っとくぜ。キスするときは鼻で息するんだよ。いいか……」
ドレッドの髪が頬に触れ、もう一度唇が重なった。

体重をのせて押さえ込まれた腕はしびれかけている。
なんでこんなことになったんだろう。
雅孝はぼんやりと思い返した。

 凪たち三人が九州へ向かってから二日。
突如鳴り出し、再び沈黙した剣に不安を覚えたものの、真夜と菅野を見送ったボブと雅孝は
軽いスパーリングのあと道場を出た。
「腹減ったな。センパイ、なんか食ってかねぇか。」
「え?でも今夜はジャパンカップやるだろ。晩飯食べて帰ったら間に合わないんじゃないかな。」
「マジか?!ダムッ!今からじゃあ最初の方見逃しちまうぜッ!」
「ウチで観てくか?狭いけど。父さんは会議で遅くなるって言ってたし。」
ボブの感謝の言葉でそれは決定し、番組の合間にラーメンを作って食べながら観ている間は
かなり盛り上がった。やがて番組が終わり、CMに切り替わったところで電話が鳴った。
父から、今夜は帰れそうにないという連絡だった。

「アンタのオヤジさんってのは、ナントカボウヅって言われてたお偉いさんだよな。
それが朝まで会議か……カタギってのは楽じゃねえな。」
「……我王紀氏宗家武領総頭?そんなことまで知ってたのか。」
「ダブりのおっさんに聞いちまった。悪かったか。」

「悪くはないよ。お前も凪も千秋ちゃんも、もう巻き込まれてる。
むしろちゃんと話しておかなくて悪かったと思ってる。でも」
わずかにためらってから、雅孝は続けた。
「俺も、詳しいことは知らないんだ。同じ屋根の下に住んでたのに、
兄さんが何を思って、何を決心したのかも。」
「……あんたには知らせないようにしてたんだな。」
座卓の上にはウーロン茶の入ったグラスが二つ置いてある。
氷がとけて位置がずれ、ガラスに当たって澄んだ音を立てた。

「うん……部外者だったってことだよ。
父さん、いや……高柳家自体が兄さんのために存在してた。
俺はいてもいなくてもよかったんじゃないかな。」

一度でも光臣に勝ったら、皆が自分を見てくれるかもしれないと夢想したこともある。
だから何度でも挑んだ。今はもうわかっている。
万が一にでもそんなことになったら、父が自分を生かしてはおかなかっただろう。
だから、光臣はいつも手を抜いたりしなかったのだと……。

「待てよ。」
なぜか、ボブは怒ったような顔になっていた。
「俺が言いたかったのはそういうことじゃねェ。
大事なもんは箱に入れとくだろ。それが無理なら手元には置かねェ。」
「……」
「俺だってそうする。」
褐色のボブの手が、テーブルの上で雅孝の手首をつかんだ。
反射的に引っ込めようとする動きがテーブルを揺らし、グラスが倒れそうになる。
二人ともそれに目を奪われた瞬間、部屋中の電気が消えた。
「なんだ?!」
冷蔵庫のモーター音やエアコンの作動音もやみ、室内は静まり返った。

 いきなり強い力で引き倒され、不意を突かれた雅孝に
ボブはすかさずのしかかってきた。

 凶暴な力と、触れてくる唇のやわらかさのギャップが雅孝を翻弄する。
執拗になめられた乳首は固くとがり、舌が離れて空気にさらされたときの
温度差ですら刺激の一部になってしまう。
もう解放されるかと思ったとたんに、また口に含まれて舌先で転がされ、
思わず食いしばった歯の間から息が漏れた。

 雅孝が少しずつ反応しはじめていることに、ボブは気づいていた。
だがその変化を愉しむほどの余裕はない。
右手を素早く雅孝のトレーニングウェアにもぐりこませて
固くなっているそこをさぐると、とたんに抵抗が激しくなった。
「やっやめろよボブ!ふざけんなっ」
「ふざけてるように見えるか?俺は今、命がけなんだが。」
ボブは雅孝の左の掌底突きをかわしながら答えた。
「こういうやり方しかできねぇんだ。頭悪くてよ。」

「あ……あ……っ!」
布地の下でボブの手が、指が動くたびに雅孝はかすれた声を上げた。
エアコンが切れた室内は蒸し暑く、互いの身体はとうに汗にまみれている。
「くぅっ……んっ、あ、あっ」
初めての他人からの愛撫は、思いもよらない強烈さで雅孝を追い上げていく。
もう限界だと思ったのと、電気がついたのはほぼ同時だった。
「―――っ!」
目がくらんだのは、いきなり浴びせられた照明のためか、
絶頂の快感のためなのか雅孝にもわからない。
身体が勝手にのけぞり、腰を中心にガクガクと震えが走る。
すがりつくようにボブの肩を掴んだ左手も、自分ではどうにもならなかった。

 雅孝が脱力したあと、ボブは上体を起こしてTシャツを脱ぎ捨てた。
「アンタが欲しくてしょうがねえ。最初にあの廊下で会ったときからだ。」
左手で雅孝の右手をとり、その手のひらを自分の左胸に押し当てた。
「嫌なら、撃ってくれ。今。」
雅孝がボブを見た。
「ブチ抜けよ。」
ボブはわざとそそのかすような言いかたをした。
紅潮した雅孝の顔には怒りと困惑、そして確かな欲情がみてとれる。
「こ、こんな状態で、卑怯だろそんなの」
「そうだな。自分でもここまでギリギリだとは思わなかった。
なんつったらいいんだ……焦がれる、か?」
「知るかっ」
これまで、そんなに激しく求められた経験はない。
包むように顔に触れてくるボブの手を、雅孝は払いのけなかった。
その気になればいつでも反撃はできたのだ。

 雅孝の左手が拳の形になり、どん、とボブの厚い胸板を一撃した。
気はこめていない。
「本気で撃たないのは、武闘家としてのお前が惜しいだけだ。
今の俺にはそうとしか言えない。」
「光栄だ。」
「それでもいいのか?」
「今は、な。そのうちセンパイは俺に惚れる。言い切るぜ。」
自惚れたセリフとは裏腹に、ボブの目はひどく真剣だった。

 唇を合わせ、深くはいってくるボブの舌におずおずと触れながら、
雅孝はどうしても呼吸のタイミングがつかめずにいた。

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 | | □ STOP       | |
 | |                | |           ∧_∧  停電ってこわいモナ
 | |                | |     ピッ   (´∀`;)
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