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秋羽トプラス尾出

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   | ̄ ̄ ̄|   1です。さっそくト口イネタ投下します。
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                    (__)_)

自分でスレ立てて投下するのもどうよとは思うけど
賑やかしみたいなものなので許してね。
秋羽トプラス尾出です。

 

 
 「秋レス。もう寝たのか」
 秋レスの陣屋を尾出ュッセウスが供も連れずに訪れると、秋レスは
贅を凝らした寝椅子に腰掛け、従兄弟であるパトロク口スを膝の上に
のせるようにして竪琴を教えていた。
 どちらも半裸のところを見ると、どうやら肌を重ねたあとらしい。
その様子に思わず目を細めると、秋レスが視線を上げて、意味ありげ
に笑んだ。
 「なんだ、尾出ュッセウス。今夜は勝利を祝う宴とやらじゃなかっ
たのか」
 尾出ュッセウスは棘のある声に肩を竦めてみせた。「今日の勝利を
もたらした、主役である男もいないのでは話にならないだろう」
 不機嫌な秋レスを前に、こうして余裕のある表情を浮かべていられ
るのは自分くらいのものだろう。他の者なら怯え後ずさるところだ。
尾出ュッセウスはそれを知っていた。
 例外があるとすれば目の前にいるパトロク口スくらいだが、気性の
激しい秋レスはこの従兄弟に対してはいつも柔和な顔をしてみせる。
そのせいか、パトロク口スは秋レスの機嫌を気にしたこともないよう
で、今もいつもより低い秋レスの声を気に留めずに、一心に琴を弾い
ている。
 秋レスは尾出ュッセウスの皮肉に碧眼を光らせた。しかし、尾出ュ
ッセウスが動じずに微笑みを浮かべたままでいると、やがてふと身体の
力を抜き、パトロク口スの耳元に何か囁いた。
 するとパトロク口スは琴を置き、立ち上がる。秋レスによく似ては
いるものの、彼のような鮮烈さはなく、どこか淡く優しげな面立ちで、
鹿のような美しさがあった。
 行為のあとの身体を恥じらいもなく晒すのは、まだ子供だからなの
だろう。それを微笑ましく思い、尾出ュッセウスは柔らかな声を掛け
た。

 「前に会ったときより少し背が伸びたな。パトロク口ス」
 「そうだろう?でも、じきに秋レスだって追い越すよ」
 肌を晒したまま無邪気な笑みを浮かべた従兄弟に、秋レスは面白く
なさそうな顔をして、寝椅子に掛けてあった衣を放り投げた。パトロ
ク口スは俊敏にそれを受け止め、無造作にそれを身につける。一方秋
レスはその様子に溜息をついてから、ゆっくりと黄金色に輝く肌に覆
われ、筋肉のついた身体に衣服を纏った。
 それを側の奴隷女たちは熱い瞳で眺めている。さもあろうと尾出ュ
ッセウスは思った。夜目にも輝く金髪に加え、海を思わせる深い蒼の
瞳。女神を母とすると噂されるのもわかる美しさだ。
 「宴とやらのお誘いに来たのか」
 パトロク口スは面白くもなさそうに言い、甕から杯へと酒を注いだ。
尾出ュッセウスはそれを受け取り、礼を言って口にした。秋レスもそ
れを見ながら一気に杯のなかの酒を飲み干す。
 「ミュ家ナイ王がお前の不在に気づいて機嫌を損ねていたぞ」
 秋レスの阿賀メムノン嫌いを知っていてわざと言ってやると、秋レ
スは荒い動作で自分の杯に酒を注ぎ足した。酒が零れ、滴り落ちてい
く。
 「知ったことか。あの男は勝利さえ得られればいいんだろう。それ
を与えてやったんだから十分なはずだ」
 秋レスの不機嫌が尾出ュッセウスにはよく理解できる。
 阿賀メムノンはここのところ、領土を広げるにあたって、それぞれ
の軍の中で最強の兵士同士を一騎打ちさせて戦の勝敗を決めるという
やり方を多用していた。言うまでもなくそれはこちら方に秋レスがい
るからであって、前々から阿賀メムノンを嫌っている秋レスにしてみ
れば体の良い利用のされ方をするのは我慢ならないのだろう。もとも
と尾出ュッセウスも戦は好かず、イ夕ケで妻子と過ごす方を望むので、
秋レスに同情しないでもない。

 しかし一方で仕方がないではないか、とも思う。秋レスは戦うため
に生まれたような男だ。美男ではあるが、宴を賑やかし女に溜息を吐
かせるためだけに生まれてきた器ではない。――それにこの男が一番
美しいのは、戦っているときなのだ。不思議なことに。
 「皆我らが英雄殿のおかげで負け知らずだと浮かれているぞ」
 尾出ュッセウスの言葉に、秋レスは舌打ちした。「人に戦わせてお
いていい気なものだ」
 「今日の一騎打ちのこと?秋レスはどうだったか話してくれないん
だ。尾出ュッセウス、聞かせてよ」
 細身の剣を振って型の練習を始めていたパトロク口スが口を挟む。
尾出ュッセウスはにこやかに頷いた。
 「いいとも。――勝敗を決するにはさほど時間がかからなかった」
 「秋レスの圧勝だった?どうやって勝ったの?」
 「いつものように。相手は大男で秋レスより頭二つ分は背が高かっ
たが、舞うように人を殺めるのだよ、お前の従兄弟は。剣を持ち、軽
やかに相手をかわして急所を刺した。それで終わりさ」
 「くだらない話をするな」
 苛立たしげに秋レスが言った。「パトロク口スに話すようなことで
はない」
 「どうしてだよ」
 パトロク口スは不満げに返す。秋レスは一瞥しただけでそれを無視
したが、尾出ュッセウスはパトロク口スの肩を抱いて味方に引き入れ
た。
 「いつまでもお前の従兄弟を子供扱いするのもよくないぞ、秋レス。
彼ももう15。いずれお前のような戦士になるだろう。そのときのため
に教えてやったほうがいい」
 パトロク口スはそうだろうと頷いてみせた。秋レスは不満顔のまま
だ。
 「剣や槍なら私が教えている。竪琴も弓も全て」

 「しかしお前一人が全てを教えるのも考えものだろう。やはりいろ
いろな相手と本気で剣を合わせてこそ強くなれるものだからな。実戦
について教えることも大切だ。どうだ、パトロク口ス。たまには私の
陣屋に来て過ごさないか。私なら雌鳥ではなく剣を贈るぞ。細工を凝
らした、鋭い美しい剣だ。君によく似合う」
 「本当に?」
 顔を輝かせた従兄弟を引っ張って腕の中に取り戻すと、秋レスは尾
出ュッセウスを睨み付けた。「駄目だパトロク口ス、あまりこの男を
信用するな。その優しげな漆黒の瞳の奥には、神々をも欺く謀略が潜
んでいるぞ。――尾出ュッセウス、何が目的だ?どうしてほしいのか
早く言え」
 尾出ュッセウスは目を眇めた。秋レスといるときに一番重要なこと
は、秋レスを恐れないということなのだ。殺すことに長けて生まれて
きたせいか、それともその凄みのある美貌のせいか、或いはそのどち
らもあってか、世の人々は秋レスを恐れる。あの阿賀メムノンですら
だ。しかし、秋レス自身はそれを疎んじているということを尾出ュッ
セウスは見抜いていた。
 視線が絡み合う。尾出ュッセウスはそれを楽しんですらいた。秋レ
スは強く美しい男だ。相手にしていて楽しくないはずがない。
 「特に。――ただ今日の主役が宴にも現れないというのはどういう
わけか気になってな」
 「阿賀メムノンには今日の戦いの疲れで今夜はもう立てぬとでも伝
えろ」
 尾出ュッセウスは目の前に立っている秋レスに向かってにっこりと
してみせた。「そうか。立てぬとあらば仕方がない。しかし誰も連れ
ずに宴の席に帰るのは寂しいので、パトロク口ス、どうだ一緒に?ミ
ュ家ナイ王の前で琴を弾いてくれ。英雄達も名高い秋レスの従兄弟殿
に今日の戦いの話をしてくれるだろう」
 パトロク口スは惑ったように瞳を揺らした。しかし、誘惑に心を惹
かれていることは明らかだ。秋レスは乱暴に杯を置いた。

 「狡賢いイ夕ケの王子め。狡猾な男など友にするものではないな」
 「私は英雄の友を持って誇らしく思っているがな」
 哄笑して、尾出ュッセウスが言うと、秋レスは不快げに眉を寄せる。
しかしやがて根負けしたのか低く笑った。
 「仕方ない。それでは姿を見せたらすぐに帰るからな」
 「おや、ミュ家ナイ王は秋レスの竪琴もご所望のようだぞ。何しろ
剣ばかりでなく琴の名手でもあるからな。君は」
 宴にふさわしい豪奢な衣装を身に着け始めていた秋レスがゆっくりと振り
向く。奴隷女の差し出した首飾りをつける秋レスに向かって、尾出ュ
ッセウスはまたしてもにっこりとして言った。
 「もちろん、弾いてくれるだろうな?宴に来て琴も弾かないなど、
そんなつまらぬ男ではないはずだぞ、私の友は」
 「…まったく、とことんいい性格だな。…パトロク口ス。ここで待
っていろ」
 「一緒に行っては駄目なの?」
 「駄目だ」
 「連れて行ってやればいいじゃないか。パトロク口スを夜に一人に
すればよからぬことを考える兵士もいるかもしれないぞ。彼ほど美し
い少年もそういないから」
 「我が軍にそんな不届き者はいない。…パトロク口ス、適当な衣に
着替えろ」
 喜んで衣服を着替え始めたパトロク口スを見て、尾出ュッセウスは
内心ほくそ笑む。宴の席で秋レスを引き止めたければ、パトロク口ス
を引き止めればいいからだ。
 「何が智将尾出ュッセウスだ。人の足元を見ているだけじゃないか」
 ぼやく秋レスに尾出ュッセウスは目を細めた。「お褒めの言葉に礼
を言おう。私は友である英雄にも掬えるような足元があって、大変助
かっているよ」

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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ エロナシ自己満足でスマソ…と。
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