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助っ人団

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                     |  飛翔で大絶壁連載中の助っ人団ス
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  眼鏡の人×ゴーグルの人です
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 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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男二人の部屋は、何となく居心地がよくない。と、佑助は部室隅に設けられた一畳畳の上で寝そべりながら考えた。

珍しく平穏で、恐ろしく暇な放課後だった。
紅一点をつとめるはずの一愛は、自称舎弟に引っ張られてとっくに帰ってしまっていた。女の子がいると場が華やぐ、
というが、なるほど確かに鬼姫などというふざけた異名を持つ元ヤンキー、そのお付きの元暴力女(ファッションセンスは
少し古め)がいないだけで、良くも悪くも室内はこんなに静まり返ってしまうものだった。

おまけに依頼と名のつく騒動もない。
一応の活動時間中ともなれば仮にも部活動の仮にも部長がサボって部室を空けるわけにもいかず、結局のところ
和義とともに暇な時間をだらだらと殺していく以外、佑助にできることは何も無かった。

ぐだぐだとだらしない佑助はさておいて、和義は佑助ほどには退屈を感じていないようだった。パソコン一台さえあれば
これ以上何かを望む必要はない、といったところか。
かれが何をしているかなんて他の人間にはおおよそ見当もつかないが、まあそれはどうでもいいことにすることにしよう。

そんなこんなで、いつもは賑やかなはずの助っ人団部室内には、何ともいえない妙な沈黙が漂っていた。
以下が、佑助と和義のやりとりである。……誰がなんと言おうと、やりとりなのである。
「……」「……」
「……」「……」

とうとう痺れを切らしたのは、当然と言うか何と言うか、やはり佑助のほうだった。面倒くさそうに上半身だけを起こし、
井草の編み後がくっきりついてしまった腕を伸ばして、犬猫のようにだらしなく伸びをして、そして、
「……だああぁぁ! いつまで『……』続けるつもりだ! 無駄に行数稼いでも何の得にもなんねーんだよ!」
ようやく叫んだ。
が、動かざること山の如し、スルーすること風の如しの和義の前では、そんな叫びひとつでは何の力も発揮されない。
『……』
「お前それいい加減やめろって! せめてなんとか言えよ、なんとか!」
『ナントカ』
「そーいうことを言ってるんじゃねー……っていうか、それは古すぎてやべーって」
ダメだこりゃ。である。

『……さっきからうるさいが、何か用でもあるのか?』
しばらく黙り込んでいた後、唐突に和義は口を開いた。目線は相変わらずディスプレイに向けられている。
「用って……別にそういうわけでもねーけど」
でも暇なんだよーっと言って、佑助は畳の上で寝返りをうとうとして背中を窓際の壁にぶつけた。
和義は視界の端に移るそ光景を見て、馬鹿な奴めという気持ちを、悪意はなくそして表情にも出さずに思う。
『じゃあ邪魔しないでくれないか。今いいところなんだ』
「何がだよ」
『いやぁ、祭りスレが炎上中で。これがなかなか面白い』
「……まさかそれお前じゃねーだろうな」
心外なことを言われたのがちょっと癪で、和義は寝そべる佑助をからかい半分に睨みつけてやった。
『冗談がきついぞ。俺はそんな面倒くさいことはしない』
和義は、再び秒単位で動き続ける文字の羅列へと視線を移す。

そしてまた、しばらく沈黙が続いた。
和義もいよいよ掲示板を眺めるのに飽きが来て、パソコンの画面から目を離し、カバンの中に潜ませていた文庫本を
読みふけっている。そしてますますだらしのない格好に磨きのかかった佑助は、またもや和義を退屈しのぎの相手に選んだ。
「……ねーお前さ、……たまには喋ったら?」
『だが断る』
即答。
「パソコンでカタカタやってる方がぜってー面倒くせえと思うけど」
『俺のタイピング力は53万です』
即答その2。
「……カラオケでも行かね?」
『くどい』
止めにもう一度、即答。
こんな調子である。

「スイッチお前喋れ」はもはや定番と化した会話に困ったときのお約束だったが、やはりというか何と言うか、にべも無い
返事が即答で返されるだけで、結局会話を成り立たせる火種にはなりそうもなかった。
こうして会話にもならない言葉のやりとりは、これ異常ないほどにだらけていく。
「あー……暇」
『……』
「だからもうそれやめろって、KB食うばっかでいいこと一つもねえんだから」
『・・・・・・』
「もっとタチわりぃよ! やめろっつってんの俺は!」
『・・・・・・・・・・・・』
「だあーもういい加減にしろってだからそれ! そもそも俺『……』ってなんて発音してんの俺!?」
『てんてんてんてんてんてん、じゃないのか?』
「あああああやめてやめて、ゲシュタルトが崩壊するから!」

「……なーおい暇だよ構えよ」
しかし佑助も懲りない奴だ、と和義は考える。あれだけ騒ぎ立てていればもうそれで十分暇つぶしになっていだろうに、
それに気づかないとはまったく見上げたものだ。
『面倒くさい』
「スーイーッチー」
このまま無視し続けたところで余計面倒なことになるのはおおよそ予想がつくので、和義はこのうるさく吠え立てる
犬もどきを黙らせてしまうことにした。
『いい加減にしないと、』
「しないと何だっつーのー」
和義はおもむろにパソコン前の指定席を立って、へにゃりと寝そべる佑助の脇に腰掛けて、
「うぎゃっ」
そのからだに覆いかぶさった。
「え、あれ。あの、もしもし、スイッ、チ、くん?」
あれよあれよという間に帽子とゴーグルが外されてぼさぼさの猫っ毛に指が触れて、その時点でようやく佑助は我に帰る。
「あの、ちょ、大人しくするからやめません?」
無言の瞳がまっすぐに自分だけに向けられていて、佑助は少しだけ焦った。
「あれ……もしかして、スイッチ入っちゃった? あだ名がスイッチだけに?」
その眼には、先程までのお調子者の雰囲気はどこにもない。
「分かった、分かりましたよ。お手上げ」

いつも帽子を被っているおかげで触れられるのに慣れていない髪の毛は、ひと房ふた房と指に絡められるだけで
くすぐったさを訴えてきて、その感触に佑助は思わず首をすくめた。
それを合図にして、和義は自分のちょうど眼下にある唇を舌で、つつとなぞる。
シャツのボタンを一つ一つ外していく間も、黒のアンダーをたくし上げる間も、佑助はされるまま和義に身をまかせた。
だらしなく穿いたズボンに手をかけても、佑助は少しからだをひねるばかりで大した抵抗を見せない。

こういう風に組み敷いたとき、佑助はいつも最初こそ騒いでみせるが、決して暴れようとはしなかった。
――自分はこんなにもかれに受け入れられている。
そんな気がして、和義はそれがとても嬉しい。けれど、もちろん本人にその旨を伝える気などはさらさらない。

「あ。あ、ちょっと、ちょっとタンマ」
シャツのボタンは全て外され、アンダーはめくれたまま、ズボンもほとんど脱げかかっている、と、そんな状態で佑助は
突然「待った」をかけた。
何がどうしたという目線を受けて、佑助はドアを指差す。「鍵、かけないとまずいんじゃね?」

佑助の指示に従い部室のドアに鍵をかけ、和義はさっさと次の行動に移ることにした。
再び畳台の上に腰掛ける。まだ寝そべったままの佑助に、改めて覆いかぶさる。もう一度唇を軽くなめあげて、そしてすぐに
顔を離した。何度やっても恥ずかしいものは恥ずかしいから、と、佑助は表情を見られないよう、和義に抱きつくようにして
肩の向こうにさっさと顔を預けてしまう。
これだけくっついているのではもっと恥ずかしいんじゃないかと和義としては思うのだが、本人にそれを伝える気は絶対に無い。
和義としては密着度の高いこの体勢の方がありがたいからだ。

はじめは指を入れるだけであんなに嫌がっていたくせに、と和義は思う。
すでにほぐされたそこにはすでに熱く昂ぶったものが割り入っていて、ゆるゆると腰を動かすたびにびくびくと肩が揺れる。
「っふ、ぅ」
慣れてきたとはいえ、やはり完全に息を殺すのは難しい。佑助は与えられる強い刺激から逃げ出そうとでもするように肩を
ひねって吐息をもらした。
寄せては返す衝動に、足指の先が引き連れたように動く。もう限界が近い。
「あ、あ、う、あ――……っ」
ああもう駄目だ、と思った途端、眼前が急にチカチカとまぶしくなって、何かが爆ぜるような錯覚を覚えて、そこで佑助の意識は
ぷつんと途切れた。

開け放たれた窓から吹き込む風が冷たくて、佑助は目を覚ました。
とんだ暇つぶしになってしまったが、まあそういうこともあるだろうと思っておくことにする。そうにでもしないと、色々な
割り切れなくなって、とても面倒だからだ。
着乱されたり脱ぎ散らかされたりした衣服類はちゃんと着付けられていて、下半身は違和感こそあれきれいに
始末されていて、そういうところばかり無駄に律儀な和義が何だかおかしかった。おかしくて、誰もいない部屋の中で、
一人笑ってしまった。

そう。部室内にいるのは、佑助ただ一人だった。

やけに静かで、花壇で鳴いている虫たちの声ばかりが響いていた。
和義の姿はどこにもない。普段こういう場合、かれは佑助が目を覚ますまで必ずすぐ横で待ってくれていたので、
そうでないことに佑助は軽い違和感を覚えた。
だるい足腰を無理やり立たせて、机の上の携帯電話を手にとって見る。かれのことだからメールの一通でも入れて
いるのではないかと思ったが、こちらも予想に反して着信はゼロ。
代わりに、机の上にメモが残されていた。

「どうしても欠かせない用ができたから先に帰る、目が覚めるまで傍にいてやれなくてすまない」というようなことが
そこには書かれていた。他にも乱暴にしたことを詫びる言葉や体を気遣う言葉がいくつか書き連ねられていて、
ボールペンで書かれたその文字は乱雑でとても読みづらかった。

手書きの伝言。
佑助には、それが何故かすごく嬉しいものに思えた。
喋らなかろうが笑わなかろうが、ちょっとした目線だとか、癖の強い文字だとか、そういう「声」以外のところで、笛吹
和義という男はこんなにも表情豊かで生き生きとしている。

例えば、達する直前にだけこらえきれないで一瞬だけ喉を鳴らすこととか、そしてそのときに悪い夢から覚めたばかりの
子が親にしがみつくように強く抱きしめてくる腕の力とか。

そして、佑助はそういうすべてを持った和義という男をとても好ましく思っている。
ノートの切れ端を丁寧に畳んでズボンのポケットに突っ込み、かれは思い切り赤面した後、こらえきれず笑みをこぼした。

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 | | □打ち切りSTOP!!.  | |
 | |                | |           ∧_∧  間違い多くてすみませんです。
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )  腐女子の皆、オラにちょっとだけ
 | |                | |       ◇⊂    ) __   アンケを分けてくれ!
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
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