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ハナガサク

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  花君 難/波*中/央 
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  初体験話
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 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
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王道な感じの初体験です。

誰も居ないとは言え、恥ずかしくないのか。エントランスでしれっとどの部屋が良い?と聞かれて、何でも良いから早く離れたいと思った。わざと言っているに決まってる。
「じゃあここにしよ」
楽しそうな声をさせつつ、ボタンを押した。ランプが点滅する。わからないまま促されて、エレベーターに乗った。
ドアの上にある部屋番号を書いたものがやっぱり点滅していた。中に入るとそこは思っていた以上に広く、綺麗だった。
「ここのホテル、綺麗で新しくて良いんだ」
「そうなんですか?」
座ったら?と言われて大き目のソファに座った。ごくありふれたマンションの一室のようで、初めて来たこともあり感心してしまった。桜咲学園の寮は割りと緩く、寮長にさえ言っておけば外泊も自由だ。その寮長がこんなところに居るのだから、中/央は誰にも言わなくて良い。
「風呂でも溜めてこよう」
――慣れてるなぁ。
慣れているなんてもんじゃない。物凄く慣れている。こういうところに女の子と来たことが幾度もあるんだろうなと想像出来た。
この間は流石に無理だったから、今度はねと言われていた。
土曜日にデートしようと言われ、映画と食事に行った。寮の中でしか難/波を知らなかった中/央は全てが新鮮で、楽しかった。その集大成にホテルに誘われて、頷いたものに戸惑う。
浴室から湯が溜まる音が聞こえてきた。難/波は何のことはないと言いたそうな表情を浮かべて戻ってきた。
ソファに座る。中/央は意識せず、身体がびくついた。
「そんな驚かなくても」
「だって」

正直言って、ホテルに来た経験がない。そもそもこう言った経験がないのだから緊張するなと言われても仕方ない。
いつかは女の子をリードして、と想像していた。しかし生来プライドが高く、慣れてないのが露見するのが嫌で女の子と来たことなんてない。自分がリードされる立場になってしまったことも不思議に思えた。
「中/央」
呼ばれて飛んでいた意識を呼び戻す。難/波を見ると、掠め取るようなキスをされた。キスだけならあの時沢山した。心の中がふんわりとする。そのまま深いキスをされて、どうしようと混乱した。
ソファは広く、押し倒されるように寝ても平気だ。
「お湯が…」
さっきからさほど時間も経っていないのに、言い訳がましく中/央が言った。そんな中/央に難/波は「自動で止まる」とすげない答え。諦めて中/央は力を抜いた。
「ん、ん…」
しがみ付くように難/波に縋れば、手が後頭部をしっかりと支え、逃げられないようにした。見つめあいながらキスすれば幸福すぎてどうしたら良いのか戸惑う。
「お前は可愛いな」
「別に、可愛くなんてないです」
「俺が可愛いって思ってるんだから十分だろ」
ちゅ、ちゅっと鼻先や額にキスされた。音も消えた。難/波は立ち上がると、風呂に行くかと言った。

寮の風呂は狭い。一緒に入るなんてことは不可能だ。久しぶりに広い風呂に入ったので、嬉しくて中/央は足を伸ばした。
難/波が傍に置かれていた小さな袋を破って、ピンク色の液体を浴槽に注ぐ。そしてボタンを押すと、色が変化しながら泡が出てきた。どんどん泡は多くなってふわふわとしている。
「凄い。こんなの寮じゃ出来ないですよね」
「まーな」
「楽しい」
泡を顔の前に持ってきて、ふっと飛ばす。子供みたいにはしゃいで恥ずかしいが、酷く楽しいと感じられた。しかもテレビまでついていて、好きなバラエティを見ながらゆっくりと堪能した。
出てしまうのが気恥ずかしいと言うのもあった。難/波は先に出てるなと言って、シャワーで泡を落とすと出て行った。ここから先は自分で決断しろと言われているみたいだ。
ジャグジーを止め、中/央は考え込む。ここまでついてきたのは自分の意思だ。怖くなんて…多分、きっとない。
思い切って立ち上がると、シャワーを捻った。ぺったんこなスポンジを藪って水につけるとちゃんとした物へ変貌した。隅々まで丁寧に洗うのは時間稼ぎじゃなくって、難/波に不快な思いをさせないため。
大きなタオルに身を包んで、やっと一歩踏み出せた。

部屋の明かりは落とされ、難/波は既にベッドに入っていた。歩いてくる中/央を優しい目で見つめる。恥ずかしくて倒れそうになるのを必死に堪えて、同じようにベッドに入った。途端に覆い被さってくる難/波を見て、目を閉じた。
今度は最初から深いキスで、難/波の腕を掴む。
「後悔しないか?」
「…しません。だって、僕のほうが難/波先輩のことずっとずっと好きだったんですよ?」
「そうだな…有難うな、中/央」
耳もとで低く囁かれて、ぞくりとしたものが背中を走り抜けていった。
難/波の唇が中/央のあちらこちらに触れ、緩やかな快感を引き出していく。どうすれば良いのか解らなくて、為すがまま。胸元をしつこいほど弄られて、くすぐったいだけだったのに、僅かな快感が生まれた。
「あ…」
「もっと気持ち良くしてやるから」
「やだ、難/波先輩…」
足を抱えられて、難/波の眼前にそこを曝す。恥ずかしいほど反応を示すそこに難/波は躊躇いなく口付けた。根元から先端まで舌を這わせ、咥える。唇が上下に動くたびに唾液の音がして、卑猥すぎて眩暈がした。
「…や…あ、ぁっ…」
気持ち良いけれど羞恥が先に立って、ぎゅっと目を瞑った。

次の瞬間、冷やりとした感触が中/央の後ろに感じられた。こじ開けて中に入ろうとする指に違和感を覚え、ますます身体が硬くなる。
すると難/波は口で愛撫していたのを止め、中/央の隣へと這い上がってきた。耳朶を噛みながら囁く。
「嫌か?」
「や、じゃない…けど…」
そんな会話の間にも、ローションを纏った指が中を蠢いている。難/波の声を聞いてやっとちょっとだけ安心出来た。増える指は辛かったけれど、我慢出来た。
三本の指が入り込むと、後ろはすっかりぎちぎちになってしまい、目を潤ませて難/波を振り向く。目元にあやすようなキスをされて、難/波の気持ちを信じられると思った。
「…入れてイイ?」
「っ、あ…せんぱ…」
こくこくと頷く。手を伸ばしてコンドームを手にすると器用に自身に纏いつかせた。やっぱり慣れている。
そのまま後ろから貫こうとした難/波に中/央は思わず、身を捩って抵抗した。
「中/央?」
「…顔が、見えないのって…怖いから」
「でもお前初めてだろ?辛いぞ」
「良いんです」
お願いだと懇願すると難/波は渋々起き上がり、中/央の正面に回った。少しでも苦痛を和らげようと枕を腰辺りに敷く。

「痛かったら言えよ」
「はい」
額へキスをされて、力を抜いた。難/波をこの身に受け入れる不自然さをよく理解していたけれど、好きだから止められない。離れている辛さを思えば、どれほど痛くてもいいと思った。
ぐっと先端が入り込む。我が身が二つに引き裂かれると思うほどの激痛だった。
「く…っ…」
目の前が真っ赤になって、中/央はシーツを握り締めた。難/波は躊躇せず奥までゆっくりと入り込んだ。下手に途中で止めるほうがお互い辛いだけだ。
「大丈夫か…?」
締め付けられて辛いのは難/波に違いない。なのに優しい言葉をくれるから、中/央は嬉しいのか悲しいのか解らなくなって、大粒の涙をぽろぽろと零した。
「平気です」
「無理すんなって」
繋がったまま難/波が中/央の手を取った。指と指を絡めて、温もりが伝わる。もどかしくても動けない難/波に申し訳なさが一杯になった。
「先輩、動いて…」
「でも」
「嬉しいなぁって…思うんです。難/波先輩とこうすることが出来て」
「…可愛いこと言うなよ」
「幸せなんです」
笑ってみせる。難/波ははっとしたように中/央に見惚れた。こんなにも綺麗に笑う奴だっただろうか。この表情を自分が引き出したのだと思うと、優越感を覚えた。

やがて難/波がゆっくりと抜き差しを開始した。声を抑えることも出来ない。
「あ、あぁっ…」
「ごめん、痛い?」
「へ、き…んっ…ぁ…っ…」
キスしながら、難/波の手が中/央の前に伸ばされた。硬度を保っていた場所を握り、上下に擦ってやる。
「んんっ…や、気持ち良い…」
快楽を感じることに罪悪を覚えるのか知らないが、ごめんなさいと中/央はうわ言のように呟いた。もっと感じても良いくらいなのにと難/波は僅かに寂しさを感じた。
「…千/里」
「あ…っ…!」
「名前、呼んでよ」
「南先輩…」
あくまで控えめな中/央に苦笑を漏らした。まぁ、まだこれくらいで許してやろう。
腰を打ちつけながら、幾度も囁く。
「愛してるよ、千/里」
「あ、あぁっ…ダメ…も…」
「うん、イッて良いよ?
「や、やぁ…あぁっ…」
どろりとした液体が難/波の手に零された。少し遅れて難/波も欲望を解き放った。阻まれたそれが中/央の心を濡らす気がした。

いたわりの意味を込めて、軽いキスを受ける。放心状態だった中/央はふっと笑った。こんなにも幸せで良いのかとすら思った。
そっと背中に腕を回すと難/波も抱きしめ返してくれた。人前の照れ隠しは多々あれど、二人っきりのときは大丈夫だ。見上げると照れくさそうな顔をして笑う難/波の顔があって、どこまでもこの人が好きだと思えた。
「そう言えば今度修学旅行があるんですよ」
「らしいな」
「カリフォルニアだって。芦/屋に会えるかなぁ」
「そうか。あいつカリフォルニアだったな。何泊くらいだ?」
「確か六泊七日だったと…一週間くらいは寮が寂しくなりますね」
「ふぅん…」
難/波は何かを考え込んでいるようで、抱きしめたまま黙ってしまった。
「俺も行こうかな」
「え?」
「修学旅行…自腹で金払えば行けるだろ」
「それはそうでしょうけど。でも何で?芦/屋に会いたいから?」
「お前なぁ…」
真面目にそう思っている中/央に難/波はがっくりしてしまった。何も解っていない部分は可愛くもあるが、決して難/波が中/央に執着を持っていると思わない辺りが愚かでもある。
「一週間も離れてちゃ寂しいじゃないか」
「…え、えー?」
やっと意味が解ったようで、照れまくっている。芦/屋に会いたいのも確かに事実ではあるが、それ以上に中/央と離れているのは苦痛だ。

「芦/屋のことがバレたとき、庇ってやって偉かったよ」
「…芦/屋のことは大事な仲間だから」
しみじみ呟く。認めるのは困難だっただろう。しかし自分の信じた友情を貫いた中/央を褒めたかった。
「本当に、お前は自慢の恋人だ」
「僕で良いの?」
「お前じゃなくちゃ困るな…」
まだまだ不安に思っているらしい。完全に解消できるのはいつか、解ったもんじゃない。難/波はぎゅっと抱きしめて、幾度も言った。誰でもなくお前が良いのだと――…。
中/央は嬉しくて、微笑みながら目を潤ませた。想うだけで良いと思っていたあの頃には戻れまい。戻る必要はない。
自分の中に息づいていたものが咲いた。恋の花はきっときっと桜の花に似ていると思った。

終わり

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 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 有難う御座いました。
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
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