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サクラサク

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  花君 難/波*中/央 
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  今日ジュノン見たから設定多少違うかも
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 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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こうなったら良いな~という希望です。

思い出すだけで、身体が寒々しくなる。
寮の屋上は密かに中/央のお気に入りだ。たまにふっと来たくなるときがあって、昼間のことを思い出すと来たくなるのは当然だろうなと思えた。
ゲイではないと思っているのだが、その中で難/波は中/央にとって特別な存在だった。はっきり好きだと言っても良い。
難/波もそれに気がついているけれど、決定的な何かはない。寛容されているのだと勘違いしていた。あの夏の日にいつも傍に居ると言われ、それは好きだからだと思った。
泣きたいような笑みを見て、傍に居ても良いと言ってくれた気になっていた。
でも違う。やっぱり違う。中/央の好きと難/波の好きは種類が違いすぎる。触れたいと思う。しかし難/波は違う。はっきり解った。
九十番勝負が終わって冗談交じりで言った熱海でも良いじゃないと言う言葉。腕を絡めたけれど振りほどかれた。何気ない行動だったはず。いやだからこそ、悲しかった。
「諦めなきゃなぁ…」
呟くと夜風がぴゅーっと吹き抜けていった。

それから中/央はさりげなく難/波の傍から離れるようになった。花桜会も復活し、何くれと忙しい難/波はきっと気がつかないだろうと思っていた。しかし、意外な伏兵が居た。それは難/波をライバル視している天/王/寺だった。
廊下でばったり出会ったときにちょっと話があると言われた。ついていったのは間違いだったと思ったがもう遅い。
「お前、難/波を避けているな?」
「別に…避けてなんて居ません」
「難/波は鈍感だから気づいてないが、俺は気づいたぞ」
「…それだけ難/波先輩を見ているってことですよね」
「う…いやそうではない。ただ難/波を見るといつもお前が目の端にちょろちょろと映っていたのに最近ではさっぱり映らないからだな…」
しどろもどろになりながら、言い訳をする天/王/寺を見ていると本当にこの人は難/波のことが好きなんだなと思えた。でもそれも種類が違う好きだ。傍に居られなくて一番辛いのは自分なのに他人に指摘されると余計に惨めになる。

唇を噛み締めて、じぃっと天/王/寺を見つめた。ふと喋り続けていた天/王/寺が言葉を止め、静寂が降る。
「あいつは馬鹿だ」
「――え?」
「こんなに一途に思ってくれる奴が居るのに気づいてて気づかないふりしてるんだろう」
「男ですし」
「関係ない」
「…そう言って貰えるとなんだかありがたいです」
へにゃっと笑って見せると天/王/寺は幾分安心した顔をして見せた。あんな風に横暴なのに慕われる理由が解った気がした。人間的にとても温かな人間なのだろう。
鬱々としていた分、気が楽になった。久しぶりに笑顔を顔に乗せて、中/央は部屋へ戻った。

それからちょくちょく天/王/寺は中/央を構うようになった。他の寮生にも不思議に映るらしい。だが聞かれても中/央はやんわりと笑うだけ。あの夜のことは誰にも話す気にはなれない。言わば天/王/寺と自分の秘密だ。
「…気に入らないな」
「おやおや、気に入らないなんていう権利が貴方にあるとでも?」
「五月蝿いぞ、オ/ス/カー」
あまり弱点を見せない難/波が珍しく不快感を露にしている。オ/ス/カーはしてやったりとばかりに笑った。ここまできてやっと、中/央の不在に難/波が気がついた。どれほど甘えているのか一度知らしめてやったほうが良いと常々思っていた。
何しろ中/央のかんばぜは魅力的だ。本当は自分の寮に欲しいくらいだとオ/ス/カーは思う。

「貴方がいけないんですよ」
「俺かよ」
「真摯な態度には真摯な態度で対応すべきです。その点、彼は良くやったと思います。貴方に見切りをつけたんですから」
「――放っておいたとでも言いたいのか」
「違うんですか?何も言わないままで傍に置いてたのは貴方だ。結果を求めてもしょうがないのに良く我慢したと思いますけどね」
「…それは、あいつが…それで良いと…」
「だからそれが嫌になったんでしょう。彼自身が結論を出して貴方の傍に居ることを止めた。それを責める筋合いはない」
甘えていたのかと難/波は自嘲した。いつだって傍に居てくれるものだと思っていた。だけど中/央は難/波の傍から離れた。選択肢を与えているつもりで、優位に立った気分で居た。
だけど違っていた。
中/央にも選ぶ権利があることに何故気づけなかった。口の中がやけに渇く。天/王/寺が中/央の髪の毛を撫でた。あんなスキンシップ珍しいことじゃない。なのに気になる。そして天/王/寺の視線が難/波を捉えた。いかにも挑発的な視線だった。

過去形にしなければならない、と思って言った。
「好きでしたよ、難/波先輩のこと」
良く解らないが中/津から難/波の部屋に来るように伝言を伝えられて、渋々中/央は難/波の部屋へと行った。行きがけ、中/津は中/央の肩をそっと叩いて「すげぇ怒ってたぞ」と言って激励してくれた。
怒られるようなことをした覚えはない。嫌悪されていたであろう行動も慎んでいるのにどうして?と中/央は思いながらノックした。
射抜くように鋭い視線が中/央に降り注がれた。
――逃げたい。
妙な迫力に押され、椅子に座ったもののなんだか居心地が悪かった。今までそんなことを思った試はない。
「お前、俺のことどう思ってるんだ」
「へ?」
「はっきり言え」

そして言った。過去形で言ったのは多少なりとも意趣返しも込めていたことを否定しない。あっさり受け流してくれるものだと思っていた中/央の期待は裏切られた。
掴まれた手首が痛かった。物凄い力だったためか、くっきりと指の痕が残ってしまっている。
「痛…っ…」
びっくりした。何事にも執着が薄い難/波の激しさを初めて見た気がした。
投げつけられるようにベッドへ放り投げられ、起きる暇もなかった。難/波の身体が覆い被さって、唇を塞ぐ。入り込んできた舌が逃げる舌を追いかけて絡め取った。
「ん…!」
初めてのことに驚いて碌な反応も返せない。ただ傍に居たかった頃と違って、今は確かに欲望を感じていた。抱き合ってキスをして笑いあいたいと言う、明らかな欲。願い望んでいたのは自分であるのに、身体はパニックで拒否する。
「嫌だ!」
「中/央」
「こんなの…嫌です」
諦められなくなる。どうして期待させるような真似をするのか。覚えず涙が浮かんで、難/波を見上げた。さっきまで強気で押していたのに中/央の涙を見たからか、若干の焦りを滲ませていた。

「…離れようとするのを引き止めるだけなら、こんなことしないで」
きっぱり言い切ると難/波の手が優しく髪の毛を撫でた。謝罪らしい。可愛く見えるから止して欲しい。
「オ/ス/カーに言われた…甘えすぎだって」
「甘え?」
「何も言わなくてもお前は傍に居ると思ってた。でもお前にだって選ぶ権利はある。俺はお前が傍に居て欲しいと思っている。どうだ?」
「どうって!」
そんな言い方ってない。信じられない。我侭な難/波を見ていたら笑いがこみ上げてきた。爆笑する中/央に難/波は少し気を悪くしたみたいで、むっと口を尖らせた。
「――もっと、はっきり言ってくれないと」
「はっきり?言えば良いのか?」
耳朶を噛まれ、囁きを吹き込まれた。言葉は甘く歓喜を呼び起こした。自分が望んだ以上の言葉に嬉しくなった。良くは解らないけれど、一緒に居られるのならば一緒に居たい。いつか、選択するときも来る。選択肢はお互いに持っている。そんな対等な関係で居たいと思えた。

良いだけ抱き合って、キスをした。セックスをしてしまうほど準備万端ではなく、それでも幸せだった。
「良く考えたらさ、女の子連れ込めないし同じ寮内にお前みたいな奴がいるのって便利だよな」
呆れてモノが言えないとはこのことだろう。
お前は女の代わりだと言われているようなものだ。中/央は怒るべきだと思ったのに、怒れない。代わりに深く溜息を吐いた。その意味すら解っていない難/波に僅かにイラついた。
「難/波先輩のそういうところ、嫌いだと思う」
「そっかー、嫌いかぁ」
嫌いと言ったのに妙に嬉しそうな難/波を見て怪訝な表情を浮かべてしまった。意味が解らない。
「なんか、良いな」
「嫌いって言ってるのに?」
「俺のこと好きってしか言ってなかったじゃん?そんなお前が嫌いって言うのは新鮮だ」
「もう」
口では嫌いと言っても心からの言葉ではない。それをしっかり理解しているのだろう。気恥ずかしい。
離れ、立ち上がるとドアノブに手をかけた。そろそろ帰らなければ。
「中/央」
「はい」
「おやすみ。また明日な」
「おやすみなさい」
ちょっと寂しい気がしたけれど、難/波の口から明日と言う言葉が聞けて嬉しかった。幸せな気持ちで眠れる。ふわふわとした空気が取り巻いているような気がした。

終わり

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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ お目汚し失礼致しました。
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
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