ロシアン・ルームメイト
更新日: 2011-04-26 (火) 17:03:42
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| 昨年復活した某バンドの新譜が元ねたです。
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| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 文章では巻き舌の「ルーーーシアの」が届けられないしなー。
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| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
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こいつは多分一人っ子でオボッチャマだったんだろうな。
そんなことをぼんやりと思いながら、飯を掻き込んでいるルームメイトの横顔を見つめた。
俺が買ってきたテイクアウトのストロガノフその他のロシア料理の数々。
せっかく2人分あったのにほとんど自分ひとりで食っちゃてんじゃねえか。
容器ごと食ってしまいそうな勢いだが、こいつが飯を食う姿を見ているのはそんなにいやな風景ではない。
早いこたあ早いんだが妙にスマートに食いやがる。
誰かに奪われることを警戒しての早食いではない、自分以外の人間も充分に与えられて育った気の利かなさだ。
ストロガノフをテイクアウトにしてくれた店は俺のいる組が最近始めた表の商売用の店で、小さいけど本格的なロシア料理を作ってくれる
。
こいつは関連企業といえば聞こえがいいが、いわゆるロシアンパブで用心棒をしている。
店に勤めるお姉ちゃんたちは、昼はウエイトレス夜はホステスそしてそれ以外の仕事をあれこれしながら稼いでいる。
俺は北の生まれで多少のロシア語が分かるから、ちょいちょいその店に顔を出すことが多いのだ。
改めて飯を独り占めしている、ルームメイトに顔を向けた。
とにかく体格が良い。
そりゃストロガノフ1人前じゃたりないわな。ってくらいでかい。
俺だって日本人としちゃあ小さな方じゃないが胸の厚みがマズ違う。
軍隊経験もあるし、サンボだかマンボだかの上級者で柔道もやるらしい。
鋼のような体、意志の強そうな顎、色素の薄い瞳が感情を隠すとその鋭い眼差しに素性が分かっている俺でもぞっとすることがある。
俺はなんでこんな男と二人で暮らししてんのかなあ、別に社宅代ケチるほど組は困っちゃいねえぜ。
と改めてしみじみ見つめていたら、ふと顔を上げて俺を見つめ返してきた。
「タベル?」
ようやく自分が俺の分まで手をつけちまった事に気がついたらしい。
その白っぽいグズグズな塊をひと掬いしたスプーンを俺の口元にそっと差し出す。
「ゴメンネ、タクサンタベチャッタヨ。」
「いい。食ってきた。全部お前んだ」
「ホント?ムリシテナイ?」
ポトンとスプーンの端からストロガノフがすべり落ちた。
「ゴメン、ゴメン」
さっと、やつの手が伸びて俺の手を包む。
手の甲にこぼれたストロガノフを舐め取り、その後何度も手の甲を嘗め回した。
「俺まで食う気か」
「コレ、タベチャッタラネ。ツギニタベル」
「欲張りだな」
俺は手の甲を這い回る舌の感触を全身で受け止めながら、ゆっくりとネクタイを緩めた。
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| | □ STOP. | |
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| | | | ピッ (・∀・ ) 来週は北海道でロシア料理~美味しいストロガノフあたらいいな。
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