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義明日、QL×橙

捏造だけで書いた。
後悔はしていない。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

暴力描写含みます。

[落日、または絞首台に上がる王への一考察]
人生というものは、幸せと不幸せなことは大体トータルしていくと半分になるらしい。
それがどのつまらない人間が紡いだ言葉なのか、知る由も無い。
硬いベッドの上、拘束されて、何も無い天井だけを見やる。
ここに閉じ込められて一体、何日たったのか、五日数えて辞めてしまった自分には知る由もないが。
尋問もいくつかされ、否定の言葉を吐き出し、その度に否定され、繰り返す中国製のスロウ・ボートのように。
殴られもしたし、屈辱的な言葉も投げかけられた。
暴力―。
「綺麗な顔には傷などつけたくないでしょう?」
そういって、硬い軍支給の靴で何度か―十八回目で数えて辞めた―腹を蹴られた。
あれほど気を使っていた髪型でさえも、今では乱れ、見る影も無いに違いない。
ここから出ることは出来るだろうか。
ふとした絶望が浮かんでは、深海魚のように消え行く。
オ/レ/ン/ジ?
一体その単語が何だというのだ。
何かの取引だと?

忌々しい。
だが、すでにその「オ/レ/ン/ジ」は蔑称として一般兵士にまで行き渡ってしまっていた。
忌々しい。
何度も吐き出した言葉を、反復する。
降格で済むだろうか。
辱めを受けるくらいなら、本国に戻ろう等と弱気な自分が顔を出す。
辺境卿であったころの自分が酷く懐かしく思えた。
たった数日間で人間というものは、こうも容易く弱くなる。
そういえば、キ/ュ/ー/エ/ルに殺されかけたこともあったな。
あの時、殺されていれば、このような事態に陥ることも無かったのだろう。
キ/ュ/ー/エ/ルがあのような行動に走ったのは、純血派の覇権を握ろうとしたからなのだろう。
容易に想像ができた。
あの時死んでいれば、偽者の「オ/レ/ン/ジ疑惑」と共に心中していたかもしれない。
そしてそのほうが、幾分か自分の名誉を守れたのかもしれない。

死ぬ―?

死ぬ、か。
ゼ/ロへの復讐も果たしていない。
疑惑を掛け、自分を転落させた張本人を。
だが、ここに来て以来、どうでもよくなってしまった。
ゼ/ロがなにものであるかとか。
エ/リ/ア11が何処へ向かうかとか。
自分の地位だとか。

王様はその鳥の囀りだけが生きていく「かて」でした。
自分が絞首刑台にのぼる日がこようとも、いちるの希望に縋りました。
死んでもなお、ほこりだけは失わずにいようと。
せめて―。

「随分やつれたなぁ、オ/レ/ン/ジ」

愉快そうな声の主は、キ/ュ/ー/エ/ル・ソ/レ/ィ/シ/ィだった。
愉快そうな声とは言ったが、顔は険しい。
嫌悪、そういったほうが正しいだろう。
まるで鼠取りに引っかかった溝鼠でも見るかのように。
嫌であれば、こなければいい。
学生のような身勝手な意見のようだと思う。
それに返事をすべきかあぐねていると、更に追撃をする。
「お前のせいで、純血派は求心力を無くした」
お前がまとめればいい。
でなければヴ/ィ/レ/ッ/タがまとめるだろう。
反撃の声は、昨夜の腹への打撃のせいで呻きにしかなからなかった。
「純血派全体が疑われ、失墜している。お前のせいで」
返事をすべきか否か悩んで、無駄なことだと悟る。
ここ数日で随分と自分も学習したものだ。
いつもの尋問の時間―体内時計でそう感じたのだが―なのに、キ/ュ/ー/エ/ルしかこないということは、本日の尋問は彼であるらしい。
酷く殴られることにも、血反吐を吐くほど蹴られるのも、慣れた。
「殴る、か?」
やっと出た単語はそんなもの。
檻の外からキ/ュ/ー/エ/ルは、首を振る。
「そんなことをしたところで疑惑が晴れるのか?」
「…」
押し黙る。
「随分と弄られたものだな」
無機質な音がして、檻が開く。

無機質な音がして、檻が開く。
「哀れなものだ。一時は純血派を率いていたというのに。いまや牢獄でなぶり者。数ヶ月前には想像だにしていない、落ち方だ。きっと没落した―」
「もう、いい。お前が純血派を率いていけばいい」
捨て鉢な気持ちだった。
虚ろな目で、天井を見ていた。
何も、何も、何もない。
いっそ、いっそ。
「死んだ方がましという顔をしている。勝ち逃げは許さないからな」
「勝ち逃げ?」
そんなことをしただろうか。
拘束をしている帯を、指で弄ぶ。
「学生時代に、お前に『何か』で一度も勝てた覚えがない。今だってそうだ。いつも見下されているような気がしていた。事実、そうだっただろう」
否定をすべきか悩んで、キ/ュ/ー/エ/ルの瞳とかち合う。
返事はするな。
その瞳が伝えたので、言葉を呑む。
「見下して、尊大な態度で、自分以外どうでもいいくせに、人を惹きつける」
それは的確な指摘だった。
人を惹きつける?
そんな素質があったのかどうか、今となっては判断出来がたいが、キ/ュ/ー/エ/ルの目には
そう映ったのだろう。
拘束帯が、一つずつ外される。
一時の自由な感覚に戸惑いながら、キ/ュ/ー/エ/ルを見た。
かっちりと着込んだ軍服に、いかにもゲルマン人らしい顔立ち。
神経質そうな指先が切れた口角のあたりをなぞる。
「死にたければ、勝手に死ね。惨めったらしく本国に戻るでもいい。だが、答えろ。駒のひとつだったか、私は?お前にとって、純血派のナンバー2などではなく、ただの都合の良い手駒だったか?友人でもなく、ただ利用しがいのある男だったか?答えろ、オレンジ」
自分を殺しかけたくせに。
そういえば、昔から、こういうやや不安定なところがあった。
怒ったかと思えば、急にめそめそとしだしたり。
反動、だろうか。
分からない。

理由付けなどどうだって良かった。
オ/レ/ン/ジという蔑称でさえも。
もう今は、ジ/ェ/レ/ミ/アとさえ、呼んでくれなくても、頼もしい部下であったから。
伝えたいけれど、言葉にするにはもどかしく、あまりにももどかしい。
上手い単語が見当たらず、只管に蛍光灯を見やる。
「私は、純血派を率いていくのは、キ/ュ/ー/エ/ルで構わないと思っている。頼もしい部下だった。それだけだ。満足か」
「過去形なのだな」
「殺されかけたからな」
「本当に―」
「面会時間終了です」
老兵が、告げた。
キ/ュ/ー/エ/ルは不機嫌そうな顔をして―もともとそういう顔なのかもしれないが―引き下がる。
最後に何を伝えたかったのか、真意さえ知らず。
「勝ち逃げは許さない」
生きろと暗に言われたような気がして。
拘束帯を戻すときですら、希望が溢れているように思えた。

せめて、自分だけは失わぬように、王様は首を吊りました。
民衆が喝采を送ります。
ただひとり、王の部下の騎士団の団長を除いては。
騎士団長は静かに、誰にも気づかれぬように、そっと死にに行く王のために涙を一粒流しました。
鳥がただ静かにレクイエムを歌います。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

しまった、一部抜けてる…。
スレを長々と占拠してスマソ。


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