僕等の
更新日: 2011-04-27 (水) 09:17:57
よし、この二人禿萌えたので携帯から初投下。スマン。
僕.等.の の畑害×文字。
いろいろ至らない所があるかもしれないけどヨロシクドーゾ!
PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )オコラナイデミテクダサーイ
「先生、クラス全員のアンケート用紙持ってきました」
放課後。夕焼けでオレンジ色に染まった職員室にいたのは、さっき扉を開けて入って来た僕と…入り口から入ってすぐの席、机の上のパソコンと睨み合っていた畑飼先生だけだった。
「ああ、門司か。ご苦労さん」
先生は目線だけ動かして僕を見ると、すぐにパソコン画面に視線を戻した。そして僕に左手だけ差し出す。右手はキーボードに置いたままだ。
僕はただ黙って紙の束をその左手に渡そうとした。けど。
………その時、僕の指先が少しだけ、…先生の指に触れたんだ。
「あっ」
ばさっ
「あ!…っと、すまん」
「あ…いえ。僕の方こそ、すみません。」
先生はやっと体をこちらに向け前のめりになりプリントを一枚一枚拾い集める。僕も一緒に床に散らばったプリントをかき集める。
…今度は先生の手に触れない様に意識しながら。
「悪いな、パソコンいじりに夢中になってた」
「………いえ、いいんです」
馬鹿な事をした。…何意識しているんだ、僕は。さっさと渡して帰るつもりだったのに。拾ったプリントに手の汗がうっすらと滲んでいるのが見えた。ただアンケートを先生に手渡す。これだけ。たったそれだけの事なのに僕はこんなにも緊張している。
………それはきっと、相手がこの先生だから。畑飼先生だからだ。
入学してすぐ。僕らのクラスの担任になった畑飼先生。教師の中では一番若いのにとても落ち着いていて、余裕がある人。人望もあって、担当クラス以外の生徒の相談も受けている。
それに何より、男の僕がいうのもなんだけど……男独特の、色気みたいなものがあった。女子にモテるのも分かるし、男子生徒にも人気があるのも分かる。……でもそれだけで、僕が先生に対して強い憧れを抱くとか、…………恋愛感情を持つとか。そんなの、想像してなかった。
「なぁモジー、宿題みせてくんねぇ?一生のお願いっ!!」
「ちょっ、ワクだけずりーよ!俺にも見して!」
「こら、二人とも自分の力で問題解かないとダメだろう?なんならモジもカコも一緒に放課後勉強見てあげようか?」
「あー…わりーモジ。今日俺友達連中とサッカーするんだった」
「あ、えーと俺やっぱりキリエに見してもらうわ」
慌てて一目散に逃げ出す二人を見てつい吹き出しそうになる。そんなに勉強嫌いなら、畑飼先生にでも勉強の方法教えてもらえばいいのに───
「真面目だなぁ、お前」
すぐ後ろで声がした。
「あ、畑飼先生。…見てました?」
「んー?まぁな。勉強しろって二人共にゲンコツしてやろうと思ってたんだが」
「それなら先生が教えてあげればいいのに。一人一人に個人授業」
「冗談。そこまで暇じゃねーよ。…それに夕焼けに染まった教室に向かいあって二人きりなんか、ムードありすぎて何か間違い起こりそうで嫌だしな」
「あはは」
思わず苦笑してしまう。頭の中に教室で先生と抱き合うモジやカコが浮かんだから。
「なぁ門司。お前女子にモテるだろ」
「まさか。先生こそ、いつも周りに女の子いるでしょ」
「んー生意気なガキにモテても嬉しくねえよ。美人で、おとなしいのがいい」
あはは。じゃあチズあたりがいいんだろうな。そういえば前はよく帰ってたのに。最近一緒にいるのをみない。
「美人?例えばうちのクラスでいうと?」
「お前みたいな」
…………え?
咄嗟の事でついぽかんとしてしまった。今、なんて?
思わず先生の顔をみれば、さっきまで浮かべてた柔らかい笑顔が消えてる。代わりに何か…ある意味での、真剣さが感じとれた。
色気。僕達の年齢ではまだ無いだろう、大人の男の、色っぽさ。
さっきまでお喋りだった薄い唇は閉じられていて、代わりに僕に向けられている、静かに熱を含んだ視線。それと、僕のが絡んだ。
「…………あ…」
顔が熱くなるのが分かる。思わず目を逸らしたくなる。嫌だ。恥ずかしい。何か言わなきゃ。誤魔化さなければ─────
「…なんてな。冗談だよ。本気にとんなって」
ぽん、と頭に大きな手が乗せられる。わしゃわしゃと撫でられ、髪が少し乱れた。
「……………」
やっと目が逸らせた。…言葉が出ない。こんな感情になったのは、初めてだったから、どうすればいいのかわからない。それにやけに胸の音がうるさい。畑飼先生に聞こえたらどうするんだ。
「顔赤くしてどーするんだよ男相手に。恥ずかしい奴」
……うるさい、恥ずかしいのはこっちだ。なんだろうこれ。同性相手に抱く感情じゃない。ワクにもカコにも、それにナギにも抱けない感情だ。
「……なんなら…今日、するか?」
「え…?」
「個人授業」
ふ、と。その言葉を聞いて。
僕は、確かに期待したんだ。
その日から、僕はいつの間にか畑飼先生を目で追う様になっていた。クラスの役割にも今まで以上に積極的になったし、先生の側にいるのが当たり前になっていった。
先生に褒められるのが好きだ。役に立ててうれしい。
先生に近づいて来た女の子に、正直嫉妬みたいなものを抱く事もあった。
放課後とか、一目の付かないところで少しだけ手をつないだり、…キスもしたり、した。
放課後、先生の家に行って…個人授業も、した。
女の子みたいな声を出す自分なんて知らない。頭が真っ白になる感覚なんか知らなかった。
犬みたいに這いつくばって、先生の体中を舐めさせられた事もあった。でもそんな事も、僕は先生が悦ぶならいくらでもした。
全てがうれしいんだ。全てが。
学校で気取られないよう、付かず離れずの関係を強要されたけど、ずっと一緒に居たかった。
機嫌のいい僕を見て、ワクもカコも彼女か?と勘繰ったりして来たっけ。
ただ、……キリエだけは、浮かない顔をして。
……………全てを後悔するのは、もう少しだけ先だ。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )投下シューリョーデス!
こ、これでいいのかな。これで大丈夫だよね、期待してもいいよね?
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