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某ドラマ探イ貞×助手

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  ウカウカしてたら終わってしまった。
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  一応探イ貞×助手で。
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 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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8話あたりに勢いで書いてしまっていたものです。

 「あー。そういえば鷹野さんさぁ」
 港から届く汽笛の音と、男が菓子を齧る音だけが響く事務所内。定位置である赤い
ソファに寝転がっていた良介が何かを思い出したように飛び起きた。
 「うーん! やっぱり夜のお菓子は、このシ兵松名物ウナギパイの右に出るもの
は居ませんねえ…。良介君! あたたか~い煎茶をお願いします。」
 いつものように良介の呼びかけを無視して白いスーツの男が嘆声を上げる。
 「さっきあれだけ晩メシ食っといてまだ食うの!」
 「はい。なんたって僕は食いたんですから。」
 「いま探イ貞関係ねぇじゃねーか」
 この男は食べ物に目がないくせに、自分からはあまり動こうとしない。そのくせ催促
だけは人一倍しつこいので、さっさと彼の言う事を聞いて大人しくさせるのが賢明だ。
 ぶつぶつ言いながらも、良介は屁理屈をこねる鷹野の為に台所へ向かった。
 「あ、良介君。今日は渋い方がいいので、少しお湯の温度を高めにして下さいね。」
 「はいはい、分かりました」
 「あと、濁りや苦味の元になりますから、急須は振ったり揺すっちゃだめですよ。」
 「うるっさいなあ! じゃあキョウ子ちゃんに淹れてもらいなよ!」
 「キョウ子ちゃんはもう帰っちゃいました。」
 「…そうでした」
 連続正油魔事件も無事解決し、それまでの何週間かはホ/ー/ム/ズへ通い詰めだった
キョウ子やハヅメも今日は早々に帰宅してしまった。
 今夜もまたキョウ子にお見送りを断られた良介は、ナ才子への失恋のショックも手伝って
ソファで不貞寝を決め込んでいたのだがこんな事なら自分もさっさと帰ればよかった。

 溜め息混じりにテーブルにつくと、ついでに自分の湯飲みにもお茶を注ぐ。
 「良介君。お茶に含まれる成分のひとつ、カフェインには疲労や食欲不振を改善する
素晴らしい効果もあるんですよ。カフェインで失恋の痛手をふっ飛ばしましょう!」
 「鷹野さん、もうお茶の薀蓄はいいから。はい、どうぞ」
 「そうですか。うーん、やっぱり淹れ立ては香りが違いますねぇ。では、いただきます!」
 差し出された湯飲み茶碗に鷹野が馬鹿丁寧に両手を合わせる。
 「…いただきます!」
 良介も慌ててそれに倣う。
 「うーん、おいしーい! 良介君、なかなか結構なお手前ですよ。」
 「お、ありがとうございます」
 先程の溜め息はどこへやら。鷹野の言葉に、褒められ慣れない良介の機嫌は一気
に回復したようだ。
 「…で? そういえばなんですか?」
 お茶を数口啜ったところで不意に鷹野が口を開いた。
 「へ? なにが?」
 茶碗を口元にあてたまま、良介がキョトンとして顔を上げる。
 「ほら、さっき言ってたじゃないですか。そういえば鷹野さんさぁって。」
 「ああ! そうそう忘れてた!」
 良介のこんなお惚けは毎度のことなので、鷹野も今更いちいち突っ込みはしない。
涼しい顔でもうひと口お茶を啜り、先を促した。

 「鷹野さん晩飯の時に言ってたでしょ。僕もコイしますかって」
 「ええ、言いました。」
 「あれってどういうこと? 魚の鯉、なんてのは照れ隠しで本当は鷹野さんも好き
な人いるんじゃないの?」
 鷹野の顔色の変化を見逃さないように良介が身を乗り出してくる。
 そんな良介の嬉しそうな表情を黙って見つめ、鷹野は静かに空の茶碗を置いた。
 「そうですねえ。もしこの気持ちを恋、と言うのならそれは恋…なんでしょうねえ。」
 「…ん、ん? 良く意味分かんないんだけど」
 しみじみと呟く鷹野の態度に焦れたように良介が首をひねる。
 「いいですか良助君? 例えばこの煎茶。」
 そう言うと鷹野は一度テーブルに置いた湯飲みを再び手に取り、それを指差し
ながら得意の説明口調に入る。
 「おいしい! って思う人も居れば、まずいと感じる人も居ます。」
 「うん」
 「そういうことです。」
 「いやだからどういうこと?」
 鷹野の説明に良介がずっこける。しかしすぐさま体勢を立て直し質問を変えた。

 「じゃあさ、鷹野さんがその、煎茶をおいしいと感じるような気持ちを感じる相手は
一体誰なの?」
 「ええー。なんでそんなこと良介君に言わなきゃならないんですかー?」
 「いーじゃん教えてくれたって。いっつも俺らの恋愛に茶々入れてるんだからさあ」
 心底嫌そうな表情で身を引く鷹野に、良介が唇を尖らせる。
 「茶々なんて心外ですねえ。まあ良介君のは、あれは恋愛とは言いませんけどね。」
 「え、じゃあ何て言うのさ」
 「ひとり相撲です。」
 「いや放っとけよ」
 そんな、のらりくらりと質問をはぐらかす鷹野にこのままでは夜が明けても埒が明かな
いと判断したのか、良介は妥協策に出た。
 「じゃあ、その人はどんな感じの人? それ位はいいでしょ?」
 「うーん。分かりました。まあいいでしょう。」
 「マジで? ど、どんな人!?」
 鷹野からのお許しに、良介が椅子の上で小さく飛び跳ねる。
 「その人を例えて言うなら…」
 「うんうん!」
 良介の頭の中で、色々な女優やアイドルの顔が浮かぶ。俺だって腐っても探イ貞だ。
限られたヒントを頼りに1人の女性を捜し出すなんて朝飯前…のはずだ。

 「ナポリ夕ンですね。」
 自信満々な表情でそう告げた鷹野に、一瞬時間が止まる。遠くで汽笛が鳴った。
 「…なにが? なにがナポリ夕ン? 今日の夜食? まだ食うの?」
 いつの間にか腰を上げ、鷹野の方へ身を乗り出していた良介がそのままの姿勢で
尋ねる。
 「いや、その人の感じがです。」
 「感じが?」
 「はい。ひとことで言えば、ナポリ夕ンなんです。」
 「…じゃ、ふたことで言うと?」
 「ナポリ風トマトソーススパゲッティーです。」
 「何それ! もーいいよ!」
 笑顔も無くどこまでも真面目に答える鷹野に、遂に良介もさじを投げた。このまま
では冗談ぬきで朝になってしまう。ガチャガチャと派手な音を立てながらテーブルの
急須や湯飲みを撤収すると流し台へ向かった。
 誰に似ているとか何歳くらいかだとか髪が長いとか短いとか。そんなヒントじゃなく
ても、せめて優しいとか男勝りだとかの雰囲気的な答えなら何とか想像が出来たかも
しれないが、まさか好きな相手まで食べ物で例えるとは思わなかった。
 「でも良介君。本当にそれが一番、適切な例えなんですよ。」
 「はいはい、分かりました」
 振り返りもせずに言葉を返す。このまま帰ろうかと思ったけれど、キョウ子に怒られる
のも嫌なので、良介は適当にスポンジを泡立てて食器を洗い始めた。

 「…ん?」
 すすぎ終えた湯飲みを食器カゴに移す良介の手が、何かを発見して止まる。
 「? どうしました良介君?」
 いつの間にか背後に立っていた鷹野が良介の視線を追う。そこには珍しくキョウ子が
しまい忘れたトマトケチャップのボトルが置かれていた。
 「鷹野さぁ~ん」
 良介がニヤついた顔で振り返る。
 「俺、なんか分かっちったかも。鷹野さんの好きな人」
 「え! そうなんですか!? それは困りましたー。」
 困ったと言いながらもいつものように手を後ろに組んだまま、鷹野が眉を寄せる。
 「なんて言うかさ、こう…禁断の恋!みたいな相手じゃない?」
 「…はい。まあそう言われればそうかも知れませんねえ。」
 シャボンが飛び散るのにも構わずスポンジを持ったままはしゃぐ良介から少し身を引くと
鷹野は素直に肯定した。
 「でしょ! 鷹野さんの好きなコのイメージはナポリ夕ン。ナポリ夕ンと言えば、ケチャップ!
そしてケチャップといえば子供! つまり鷹野さんの好きな相手は子供っぽいコなんでしょ!」
 「ケチャップは子供からおじいちゃんおばあちゃんまで大好きだと思いますが…。」
 鷹野が言葉を挟むが良介の耳には入っていないようだった。
 「俺たちの近くに居る子供っぽいコ…そして禁断の恋…それってもしかして…レイちゃん!?」
 キャーと顔を覆いながら良介はひとりで勝手に興奮している。
 そんな探イ貞見習いに、鷹野は思わず大きな溜め息をついた。
 「…あのねえ良介君。レイちゃんは仮にもハヅメ君のガールフレンドですよ。そして
子供っぽいんじゃありません。彼女は小学生。歴とした子供です。」
 「あ、そっか」
 「良介君は僕にそんな趣味があると思っていたんですか? 悲しいですねえ。」
 「う…ごめんなさい」

 相変わらず突拍子も無い推理を、思いついたまま得意気に披露する良介に、鷹野は
逆に感心してしまう。
 「でもまあ…確かに子供っぽいとは的を射ているのかも知れませんね。」
 「で、でしょお!? ほらやっぱり俺ってスゲーじゃん」
 反省しているのかいないのか。しゅんとしていた良介の表情が一瞬で明るくなる。
 「おまけに喜怒哀楽が激しいし、もてないくせに面食いだし、ルーズだし頭の回転
も鈍いし単純だし能天気だし、人が良いのかおマヌケなのかすぐに悪い奴らに騙され
ちゃうし…。」
 どう考えても短所としか思えない箇所をつらつらと挙げる鷹野に、良介が思わず引
きつる。難しい表情で嘆いていた鷹野が駄目押しのひと言を告げた。
 「その上デリカシーのかけらも無いんですよ。」
 「…鷹野さんに言われるなんてよっぽどの人だね」
 もはや良介の狭い脳内ではイメージの再現は不可能だった。しかも話の内容から
想像するに、可愛らしい女の子や美人な女性ではなさそうだ。
 そうなると良介からは一気に興味が失せてしまった。残りの洗い物をさっさと済ま
せて今度こそ帰ろう。
 「鷹野さんって、案外もの好きなんだね」
 「そうかなあ。でもそんなお子様で純粋で素直な所も全部ひっくるめて、とっても
可愛らしいんですよ。」
 「絶対可愛くない」
 プルプルと首を振りつつ呟くと、良介は再び流し台に体を戻した。

 「今まで多くの苦い恋、甘い恋をして来たからこそ、僕はこの相手に巡り逢えたの
かも知れません。」
 「はいはい、分かりました」
 勢いづいてしまった鷹野に本日何度目かの台詞を棒読みで返すと、良介はそのまま
上着を掴んで出入り口へ向かう。
 「じゃあ鷹野さん、お疲れ様でしたー」
 「あ、良介君。」
 「はい?」
 呼び止められて振り返る。すると鷹野が静かにこちらに向かって来た。
 背の高い鷹野が近付くに連れ徐々に良介の顔や視線が上向く。天井の照明が鷹野の
広い背中に遮られ、目の前が暗くなった。
 「…良介君。」
 「うわ、は、はい!」
 鷹野に両肩を掴まれ、良介が思わず後退る。目の前に来た真剣な表情に思わず
ドキリとしてしまう。
 「…鷹野、さん?」
 自分の名を呼んだまま、押し黙ってしまった鷹野を窺うように恐る恐る名を呼ぶ。

 「…明日のお昼は、デパートです…。」
 「へっ?」
 呟くと同時に鷹野は突然笑顔になり、大きく両手を広げた。
 「ナポリ夕ン、ケチャップ、お子様と言えばお子様ランチ! 最近のお子様ランチは
大人も食べたくなるような食材やメニューがたっくさん揃っていると言います!」
 「はぁ…」
 「明日は2人でお子様ランチを食べに行きましょう! ね、良介君!」
 「えー! いーよ鷹野さん1人で行きなよー」
 「大丈夫です! 良介君ならきっと満足しますよ!」
 「ちょ、それって俺がお子様ってことじゃん!」
 「んー、もう我慢できません! じゃあ良介君、おやすみなさい!」
 「ちょっと鷹野さぁ~ん!」
 ピシャリと障子の閉じる音が響き、空っぽの事務所内に良介の情けない声が
力なく響いた。

 
 翌日。
 「うーん! おいしいですねえ良介君!」
 「ちょっと鷹野さん声大きいよ!」
 「お、良介くんの国旗はフランスですね。今度は大人っぽくフランス料理もいいですねえ。」
 「聞いてんの鷹野さん!」
 昼食時のデパートの大衆食堂で、傍から見れば違和感丸出しな2人組が中睦まじく
お子様ランチに舌鼓を打っていたのは言うまでも無い。
 

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意味不明で申し訳ないorz
長くて申し訳ない&お目汚し失礼しますた。


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