Top/27-96

アベレージ 刈→安←飯

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  └──────│アベレージのカリ-ヤ→アベ←イイノです。
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昼休み、飯野が昼食を買うために会社近くのコンビニのパンコーナーにいると、隣に見覚えのある男が立っていた。
視線に気付いた隣の男は顔を上げると嬉しそうに話し掛けてきた。
「あれぇ?飯野くん、こんな所で君に会うとは珍しいねぇ~」
「刈谷さん」
刈谷はきょろきょろと辺りを見渡し
「ところで、君んとこの後輩みたいな先輩は、一緒じゃないのかい?」
と聞いてきた。
「先輩は会社ッス。何か用でもあるんですか?」
「いやあ、今日はまだ彼に会ってないからさぁ。ちょっと気になってね」
流暢に話す刈谷に飯野は何かを感じ取った。
それは、以前から薄々と感じていたことで。
飯野は思い切ってそのことを直接聞いてみることにした。
「…あの、刈谷さんってもしかして…」
「ん?なんだい?」
「もしかしたらですけど……先輩のことを、その、好き…だったりします?」
「うん、好きだよ~」
あまりにもあっさりと返ってきた言葉に拍子抜けした飯野だったが、それよりも大きな感情が頭の中を駆け巡っていた。
「そっそれって、そういう意味で、ですか?」
「オフコース!LOVEと書いて愛、に決まってるじゃないかあ~」
「…駄目ッス!」
「え?」
俯いていた飯野が急に顔を上げ大声を出したのに刈谷は少し驚いた。
両手に握りこぶしを作り、刈谷を真っすぐに見つめ言う。
「先輩は…先輩は、僕のです!」
そうきっぱりと言い放った飯野を暫らく呆然と見ていた刈谷だったが、ふいにぷっとふきだした。
「あ~っはっはっはっ!やっぱり、君も好きなんだねぇ、安部きゅんのことお」
「…というか刈谷さん、奥さんと子供いるのにいいんですか?」
「!!…そっ、それは……」
最も痛いところをつかれた刈谷は先程までの威勢の良さをなくし、塩をかけられた蛞のようになってしまった。

そんな刈谷を見て飯野はため息をつく。
「そもそも、刈谷さんは先輩のどこが好きなんです?」
「そりゃあ、なんだかんだ言って僕に構ってくれるところとか、上目遣い気味で見てくるとことか、
 たまに見せる反抗的な目とか、もういっそ目とか。とにかく、言い出したらもうキリがないよぉ~」
「…よく解らなかったッスけど、わかりました」
「飯野くんは?安部くんの好きなとこ、言ってみてよ」
「えっ…それはもちろん、なんか頼りなさげで放っておけないところとか、天然ボケなところとか、
 何があっても前向きなところとか…とにかくっ、他の誰よりも先輩のことを好きだっていう自信が、僕にはあるッス!」
目をキラキラと輝かせ語る飯野に刈谷は不適な笑みを浮かべた。
「ふぅん…でも、安部くんはどうなんだろうねぇ?」
「え?」
「君のことは『ただのかわいい後輩』程度にしか、思ってないんじゃないかなあ」
ニヤニヤと笑いながらそんなことを言う刈谷に飯野は負けじと反論する。
「そ、そんなことないッス!刈谷さんだって『いつもコンビニで会う変態』くらいに思われてるに違いないッス!」
「…何気にヒドイこと言うね君ぃ……まぁ、とにかく安部きゅんが飯野ッスくんのことを
 好きだなんて証拠は、どこにもないワケだしぃ?」
「そんなこと言ったら、刈谷さんのことを先輩が好きだって証拠もどこにもないじゃないですかっ」
「安部くんがどっちかって、言ってくれればつくんだけどねぇ、決着」
二人が店内で言い争っていると後方から
「あれ?お前らこんなとこで何してんの?」
と能天気な声がした。
二人が振り向くとそこには論争の中心となっていた張本人がいた。
「先輩!」
「安部きゅん」
「刈谷はともかく、飯野までコンビニ来てたのか。なんで誘ってくれなかったんだよ~」
「だって先輩、気持ちよさそうに寝てたから…あ、先輩にちょっと質問したいことがあるッス」
飯野の深刻そうな口調に安部は思わず表情を強張らせた。
「な、何…?」
「先輩は……どっちが、好きですか?」

「どっちって…うーん、やっぱり……こっち、かなあ」
そう言って安部が指さしたのは、飯野…の右手のカレーパンだった。
「えぇ!…ってああぁ、そっち…スか…」
「おう、コロッケパンも好きだけど気分的にカレーだからな。って飯野?お前なんか元気なくない?お腹痛いのか?」
安部は不完全燃焼で真っ白になってしまっている飯野を心配したが、すっかり気抜けした状態の飯野は先輩の問いかけにただ
「いや…なんでもないッスよ…」と呟くように答えるだけだった。
その隣では刈谷が必死で笑いを堪えていた。
「って刈谷も何さっきからおかしそうにしてんの?2人ともさっきからなんか変だぞ」
状況が把握できずに戸惑う安部を見て刈谷はついに笑いを堪えきれなくなった。
「あ~っはっはっはっはっはっ、いやぁ変なのは安部くんの方だよお~。もう、そんなに笑わせないでぇ」
「は?え、なに?一体なんのこと?もう教えろよぉ。飯野もなんか白くなってないでさあ」
「先輩はむしろずっとそのままでいてください……」

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                ◇,,(∀・  ) ありがとうございましたorz
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