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応援団2 菊田?

|>PRAY ピッ!◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

応援団2の菊田(菊→田?)SSです。
SS自体初めてなんでおかしい所があるかと思いますが…

爽やかな初夏の夕日町、朝日町。

この二つの町を分ける川に、

「っだあぁぁ!!」

響くのは、自分の声だけで。

今、俺の目の前にあるのは川の付近で遊ぶ子供の為に設置してある、鉄棒。

普段子供が遊ぶ為の遊具が何故今俺の目の前にあるのかと言えば。
ついこの間応援した小学生の学校で鉄棒をした際、俺だけ逆上がりが出来ないという事実に突き当たってしまったからだ。

リーダーや団長、先輩方は軽くこなしたと言うのに、自分だけ出来ないと言うのは何とも情けないもので。
だからせめて簡単な逆上がりだけでもと、こうして一人鉄棒と格闘する事、小一時間。
未だに、出来ないわけで。

勉強ばかりしてきた昔の自分が、少しだけうらめしくなった。

「…今日は諦めようか…」
俺の体温を吸って少し温い鉄棒にもたれ掛かり、ため息をひとつ溢した。
ら。

「あのー、こんにちは?」
「っ!?」
突然掛けられた声に、少しだけ驚いてしまう。
振り返れば、青い団服に白い鉢巻き――
朝日町の応援団の人(確か、菊地という人だったか)が、そこにいた。

「こ、こんにちは」
知らず、たどたどしい挨拶になってしまう。
何故、ここにいるのか。
いやそれよりも、この人はさっきまで俺が逆上がりの練習をしていたのを見ていたのではなかろうか。
そう考えると、恥ずかしさで赤くなってしまいそうで、菊地さん(でいいんだよな?)から、直ぐ様顔を逸らしてしまっていた。

ああ、俺の馬鹿。
何故逸らす必要があるんだ。そんな事をするから、

「あの、さっき」
ほら来た。
「鉄棒の練習してたみたいですけど…」
ほら、ほらほら。
「逆上がり…出来ないんですか?」

予想通り投げ掛けられた疑問に、そして相手でさっきまでの俺の行動を見ていた事に、改めて情けなさと恥ずかしさがのし掛かる。

「…ええ、そうです」

否定も出来ないから、ため息と一緒に肯定の言葉を告げた。
ああ、もう。
相手はきっと笑っているんだろう、この年になっても逆上がりが出来ないのだから。
恥ずかしくて、情けなくて、もたれ掛かっている鉄棒が体に食い込んでいく。

「…あの、逆上がり…手伝いましょうか?」

「…はい?」
予想していなかった言葉に後ろを振り向くと、
にこりと微笑んでいる菊地さんと、目が合った。
「知ってます?逆上がりって、補助の人がいれば簡単にできるんですよ」

「ほら、もっとお腹を鉄棒にくっつくようにして下さい!」
菊地さんの指導が飛ぶ。

あれから少々押し問答があり、結局俺は菊地さんに逆上がりの指導及び補助役をやって貰っていた。本当の所、何回断っても目をキラキラとさせて言ってくる菊地さんに押し負けたのだが。世話好きなのだろうか、はたまた変わり者なのか。
それは俺には分からなかった。

「ほら田中さん、ぼーっとしないで!いきますよ!」
言われて、俺の意識は鉄棒へ。
いちにのさん、との掛け声で地面を蹴る。同時に腰部にかかる圧迫感、続いて腹部――
「あ、」
思わず、声が出た。
俺の下には、さっきまで被っていた学帽。
ゆっくり体を上げると、目の前で川が流れていくのが見えた。
「出来ましたね!逆上がり!」横から、嬉しそうな声と乾いた拍手が聞こえる。
何だか、気恥ずかしいけれども、少し嬉しいような…

と思った矢先、
良かったですね田中さん!」と、俺の隣の鉄棒(少し高め)で鮮やかに逆上がりを決めた菊地さんが目に入ってきた。
…なんか、悔しい。

一体何故この人は、俺がやっと出来たと少しばかり嬉しくなっている所にそんな易々と逆上がりを決めてしまうのか…

「あ、いけない…僕そろそろ行かないと」
菊地さんが鉄棒から降りた。
そのまま歩いていく方を見れば、木に繋がれている小型犬が目に入ってきた。
…犬の散歩だったのか。

「あ、そうだ田中さん」
「はい?」
「一人で逆上がり出来るようになったら、一番最初に僕に見せて下さいね!」
「…はあ!?」

菊地さんの言葉にやっと反応できたころには、
菊地さんはもういなくなっていた。

「最初に見せて下さいって…」
一体どうして、と眉根を寄せた。
どちらにせよ、
俺が菊地さんにまともな逆上がりを見せられるようになるには、
まだまだ時間がかかりそうだった。

|>STOP ピッ!◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンガオオクリシマシタ!

長いですが、何か感じていただけたならば幸いです。


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