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触手の話

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 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  触手スレッド928さんに触発されましたが何か
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触手スレッドより。萌えたので書いてみました。触手系に弱い方は注意してください。

私は初めて貴方を感じた時から、貴方の傍にいたいと思いました。
貴方が私に向かって「誰かいるの?」と問いかけてきた時から、私の世界に貴方が居座りました。
私を否定しない貴方を、私は誰よりも愛しています。
私の存在を認めてくれる貴方を、私は誰よりも愛しています。
そして誰よりも貴方を守りたいと、そう願って止みません。

「本当、酷いよ。あいつら、まるで僕を壊れものに触れるみたいに扱ってるんだから」
「どうして、それが嫌なんですか?」
「だって・・・僕は目が見えないだけで、至って健康なんだから。なんでもできるんだ。勘違いされたくないよ」
「それはそれは」
私は思わず噴出して笑いました。貴方がそうやって怒る様は、本当に愛らしいと思います。
私の笑い声に不満を持ったのか、貴方はなお一層怒った口調で捲し立てます。
「わ、笑わないでよ!だってさ、僕がやる事全部奪われるんだよ!黙ってられないよ!」
「では貴方は、一体何をどうするおつもりだったのですか?」
「何をって・・・」
「そうやって怒る限りは、何かをするおつもりだったのでしょう?

私の言葉に、貴方は黙り込みます。そして黙した空気の中に怒りを含んだ溜息を漏らすと、しばらくしてから鼻を啜ります。
貴方の瞳から零れ落ちる涙が、私の身体にぽたりと落ちました。
心の闇と孤独の隙間を縫い、瞳の闇を割って溢れ出てくるそれは、私の中に吸収されてキラキラと輝きます。
私は、そっと左手を伸ばして貴方の膝に触れました。
そしてそのまま身体を上って、貴方の右頬に触れました。そこは涙で濡れています。
貴方はビクリと身体を震わせると、右手で私の手を覆うようにして、頬を擦り付けてきました。
「貴方を愛しいと思っています」
私は搾り出すように声を出しました。耳元で低く囁く私の言葉は、貴方の心へ浸透した事でしょう。
貴方は顔を左右に振りながら、私の手に頬を擦り寄せます。
そうしながら、貴方は嗚咽を漏らしました。私の左手を濡らしながら、雫は伝い落ちます。
私はどうしたことか、全身が脈打つのを感じました。
「貴方を愛しています」
思わず言って、やや左手を強張らせました。
口に出し、そして自覚をした後で、私は絶望に陥りました。

貴方を愛した私に、一体何が出来るのでしょう。
目の見えぬ貴方が私を愛しいと思ってくださったとしても、私は貴方に何も与えることができません。
私も、目が見えません。
それどころか目が無いのです。
そしてこの体は、自在に動く塊でしかありません。
貴方に触れられる左手は、意識をしないと即座に融解します。
触れることもままならない、そんな私が貴方に何かを与えられる事があるのでしょうか。
私の口から紡ぎ出される言葉は、貴方への愛しさと、貴方と出会った喜びと、そして愛を知った悲哀で満たされています。
せめて、私に目があったならば。
貴方にこの世の様々な事を教えてあげられるのに。
せめて、私に体があったならば。
貴方に触れて笑いあう事ができるのに。
せめて、貴方に出会わなければ。
こんなにも私が苦しむ事はなかったのに。

闇の中から手探りで貴方を見つけた私は、永遠に貴方を愛するでしょう。
そして、私はいつか貴方を想いながら、融けて地に消えるでしょう。
貴方の幸せを祈りながら。
貴方の姿を想像しながら。

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 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  | マジゴメソ
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