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めくらの竜

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        //_.再   ||__           (´∀`⊂|  < 死にネタ・狂気注意
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         | |      /  , |           (・∀・; )、 < 筆頭一人称ですー
       .ィ| |    ./]. / |         ◇と   ∪ )!
      //:| |  /彳/   ,!           (  (  _ノ..|
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 |_____レ"

豊臣との戦に負け、奥州ごと俺を従えようとした竹中に、俺は抗った。
鞭打たれても水を大量に飲まされても全身に針を打たれても屈することなく只耐えた。
奥州を差し出せば俺の命は助けると、幾度も言われた。
それでも俺は従わなかった。従えなかった。
皆は俺が天下を取るために、ついて来てくれていたからだ。

右眼が痛む。拷問で突き刺された細い針はまだ眼窩の中にあるようだ。
馬の引く車に乗せられて体に響く振動さえも痛みに変わっていく。
クツクツと喉が鳴るのが止まらない。これから俺は死ぬのだ。
けれどそれは屈した故の死ではなく、抗いきった故の死だ、後悔はない。
なぁ野郎ども、ちゃんと守れなくて悪かった。
俺が死ねばお前らが抗う必要もねぇだろう。大人しくして、上手く生きろよ。

なぁ小十郎、背中を守らせてやれなくて悪かった。
頼むから抵抗せずに豊臣に下れよ。
竜が居なくて右眼が生き残るなど馬鹿馬鹿しい、とか言わずに。
なぁ真田、最期にあんな事言って悪かったな。
忘れちまってくれ。本当は言うつもりなんざなかった。
俺は奥州の頭で、恋なんて出来なくて、お前は敵軍の将で、それでも俺はお前が好きだった。
伝えずとも、ただ真剣勝負をしてたまに傍に居ればそれでいいと思っていた。
なのに、最期の最期で、これでもう俺には何もないと思ったら口から零れちまった。
俺が奥州の頭でなかったら、お前と同じ軍の兵だったなら、もっと素直に言えてお前を大切に出来たのだろうか。
やがて馬が止まり、縛り付けられている木ごと引き摺り下ろされた。
両手を広げて脚を纏めて木に固定されるこれは、罪人に行う磔と同じだ。
可笑しくて喉が鳴る。俺をここへ連れてきた兵士は、不気味そうに俺を見やって俺を一度刀で斬った。
だらだらと零れる血が服へ染み込み足を伝って地面へ落ちて行く。
そのまま俺を放置して去って行く兵士に、また哂い声が零れた。
どうやらこのまま、山の獣に食わせるつもりらしい。

暫く経つと、血に餓えた獣どもはぞろぞろと姿を現した。
警戒しているのか、なかなか近づいてこない。
俺を取り囲んでぐるぐると回るだけだ。ハ、と言葉が口をついた。

「…来いよhoney、焦らすんじゃねぇ」

その一言が引鉄だった。
一斉に襲い掛かった獣が、爪で牙で俺の肉を抉る食い千切る。
込み上げる笑みが止まらない。声を張り上げて笑う。
痛い痛い楽しい苦しい馬鹿みたいだ。痛みで気を失いそうになり痛みで引き戻される。
喉笛に噛み付かれ声が掠れるそれでも笑う。
聞こえているか竹中半兵衛、俺はお前を笑ってるんだぜ?
お前は俺に勝ったと思っているか知らねぇが、俺はお前に勝ったんだ。
痛い痛い痛い痛い、そろそろ死んでもいいか?
痛くて可笑しくて喉が鳴る。左眼を爪で抉られた。
あぁこれで俺はめくらの竜だ、ちゃんと天へ昇っていけるだろうか。
体が冷えてゆく、重くなる、声が出ない、それでも笑う。
喉が鳴るひゅうひゅうという音の合間に、真田の声を聞いた気がした。

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        //, 停   ||__           (´∀`⊂|  < 大変失礼いたしました
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