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副×給

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

「もしもし?」
いつもどおり柔らかい物腰の一言から電話がつながる。でもなんだかその声が少し寂しそうに聞こえる。
俺は言葉に詰まってしまい黙ってしまった。
「あっちゃん?」
「…はい」
「今日の店どうだった?おいしかった?」
「今家ですか?」
「…うん。来るの?」
「行きます」
夢だの未来だの自分の気持ちだの、そんなことを臆面もなく口に出せる判の率直さにイラついてしまった。
触発されて俺まで熱くなってしまった。いつもなら自己嫌悪とともにペースを取り戻そうと冷静になるが今日はだめだった。

「いらっしゃい」
店での接客の時とは違う顔が俺を出迎える。優しいまなざし。やっぱり少し暗い色だ。

「ビールでいいかな?」
そう言いながら軽やかに冷蔵庫へ向かうヨナさんの背中を抱きしめる。突然のことで少しよろめいたが抵抗せずに
俺の腕の中へ収まってくれた。深いため息とともに髪に頬ずりをする。

「どした?」
自分を抱く俺の腕に優しく触れながら身体を預けてくる。俺はやはり言葉に詰まって彼を正面から抱きしめなおした。

「情熱的だねぇ。嬉しいよ」
「俺は好きだから」
「え?」
驚いたようにぱちりと瞬きをして俺の顔を見上げる。おでこにキスをして、俺は繰り返した。

「俺はホールの仕事、好きだから。素晴らしいと思ってるよ。ホールで働くあんたもかっこいいと思ってる」
「あぁ…なんだ。期待しちゃったよ」
魅惑的なウィンクと微笑をくれて、全てを悟ったように俺の首元にもたれかかってくる。
俺はそれを受け止めながら彼の背中を撫でた。

「いつの間に?さすが副料理長だねぇ」
「たまたま今日行った店の前であいつに会いました。メシ一緒に食ってて」
「おいしかった?」
「ええ、まあ」
「そりゃあよかった」
どちらからともなく唇を重ねて、俺はようやく笑うことができた。ヨナさんが嬉しそうだったから。

「おいしい料理は人を幸せにする。もう少しハッピーな顔したら?」
「あんたが、傷ついていると思ったんだ」
ヨナさんはすっと目を細める。博愛主義のようなこの人は、そういうことに触れられるのを嫌う。
全てを愛しているが誰にも全てを渡してはくれない人。

「ありがとう。ちょっとショックだったけどね」
「許せない」
「判君に悪気はないよ」
「でも許せない」
「叱ったの?副料理長さん」
「多少は」
「いいんだよ。俺もちゃんと俺の考えを伝えた。あの子ならわかってくれるよ。ちゃんと成長するよ」
「……だったら、許すけど」
ヨナさんはにこりと微笑んで少し背伸びをして俺の頬にキスをした。

「いい子だね。俺は優しいあっちゃんが好きだよ」
「優しい俺なんかいませんよ」
いつものようにイタズラっぽい顔で手を顎に当てて笑うヨナさん。ひどくセクシーだ。

「ん~じゃあなんて言おうかな?俺のことにばっかり執着するあっちゃんが好き、とか?」
「光栄です」
「鬼みたいに怖い顔でオーダー捌いてるあっちゃんが好き、とか?」
「仏のような穏やかさではあいつらをまとめて闘えませんよ」
「ちょっとSなあっちゃんが好き、とか?」
「ではお望みどおりに」

細い腰に腕を回してベッドへエスコートする。
ヨナさんはエスコートすることにもされることにも慣れていて絶妙の角度で俺を見つめたまま歩き出す。

「俺の好きなところは教えてくれないのかな?」
鮮やかな色のシャツを脱ぎながらヨナさんが少しからかうように言う。
俺はメガネをサイドボードに乗せてしばし考え込む。ヨナさんの好きなところ?

「考えなきゃ出てこないの?冷たいなあ!」
大げさにがっかりして見せながら全裸になってベッドの中へ滑り込む。俺はまだ考えながらその後を追う。
ヨナさんの好きなところ。

「言いましたよね?仕事してるところ」
「俺もあっちゃんが料理してるところ好き。鍋振りまくって逞しいこの腕と胸板も好き」
肌と肌が密着する。甘いため息とともに抱きしめる。

「…正直に言えば」
「うん?」
「俺に抱かれて悦んでるあんたが好きだ。たまらんよ。もっともっとひどいことしたくなる」
「そんなことされたらますます悦んじゃうかも」
激しくキスしながら、お互いの身体をまさぐった。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

  • あああなんと素晴らしい!理想のクワヨナご馳走様でした! -- 2013-02-07 (木) 14:46:09

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