獅子王 兄×傷 幼少時代
更新日: 2015-02-25 (水) 00:15:24
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
獅子王 兄×傷 幼少時代
傷にも純粋で素直な頃はあったと思うのです。昔から映画の性格でも萌えるけど
友人にオタ臭いといわしめたSSエロなし
ある朝素カーが目を覚ますと、すでに父親の姿はなかった。
周りを見渡すと、丁度兄も起きたところらしい。
「父さんは?」
「さあ…多分外じゃない?」
「僕も行く」
言うと、起き抜けにも関わらず軽やかに走りだした。
「待ってよ、兄さん!」
素カーは慌てて追いかけたが、朝日を見つめる父の背中が視界に入る頃には、とっくに彼は追いついて並んでいた。
「綺麗な朝だ…。無ふぁさ、お前が生まれた頃を覚えてるか?等ふきじいさんがお前を掲げて、みんながお前にひれ伏して…」
「へえーっ!全然覚えてないよ」
「僕が生まれた時も?ねえ、どうだった父さん!?」
目を輝かせて素カーは問う。
「ああ…、お前もいたのか。いや、お前の時は…お披露目は…、お披露目は、王位継承の者だけだから、」
「…そう…」
「父さんも母さんも、大喜びだったよ!もちろん僕も!」
「無ふぁさ、ああ、そうだな、本当に嬉しかった」
「……」
素カーは不意に走りだした。
「素カー?待てったら!」
無ふぁさが追いかけてくる。
「捕まえたっ、…素カー」
「兄さん…」
くるっと振り向いて言う。「くくっ、悲しんでると思った?」
笑う素カーを、無ふぁさが小突く。
兄弟が笑いあえば、父も笑った。
幸せな日々。だが、ほんの少しだけ、完璧では無かったのである。
夜、三匹は星を眺めることがあった。
「過ぎ去りし偉大な王達が…」
父の言葉を聞きながら素カーは思う。
父さんも、きっと死んだら星になるんだろう。
その次は、兄さんが王様だ。兄さんも死んだ後は、父さん達と夜空を彩るんだろう。
兄さんの次は、誰が王様なんだろう。兄さんの息子?…それとも僕?ううん、やっぱり、僕の甥っ子が生まれてるんだろうな、兄さんの、子供が。でも、じゃあ、僕は一緒に空には行けないね。
…僕は、どうなるのかな。死んだ後、どこに行ったらいいのかな。父さんとも、兄さんとも、一緒に居れないのかな。
僕は、ひとりぼっちに、なるのかなあ…。僕は、どうして…。誰か、僕を…。
「流石、次の王ね」
「名君になるわ」
無ファサは何でもよくできた。勇敢で正直者。素カーとて、できる方だったが、年上の彼にはやはりかなわない。
大勢の関心は王位継承者に向き、目立ちすぎる彼の影に、自然と素カーは隠された。
「ねえ兄さん、聞いた?またみんなが褒めてたよ。みんな、兄さんのことが大好きなんだね」
「素カー?」
兄の様だと誉められ、兄を見習えと叱られる。「…きっとさ、父さんだって、母さんだって、みんな兄さんが一番なんだ」
「違う」
「違わないよ!僕なんて…、王様にはなれないし、一番になんてなれやしないんだ」
「ずっと、そんなこと思ってたのか」
「っ…。ほんとのことだろ…」
今までずっと溜め込んでいたのだろうか?目に涙が滲んで、溢れ出した。「素カー。他の誰がどう思おうが知らないけど、お前だって一番なんだぞ」
「ひっく、どういう、意味っ…」
「お前は、たったひとりの僕の弟なんだ。」
そっと抱き寄せる。
「僕の一番は、お前なんだよ、素カー」
ああ、良かった。僕も、一番になれたんだね。兄さん、兄さんだって、僕の一番だよ。僕だけじゃないだろうけど。だけど、僕だけでしょう、兄さんの一番は。
良かった。ひとりぼっちじゃないね。ずっと、そうならいいね。ずっと、そうだよね…。
素カーの左目に、まだ傷はなかった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
ありがとうございました!エロ無し初めて書いた気が
- 続き希望! -- 2012-07-22 (日) 18:23:09
- このお話ずっと大好きです…! -- 2015-02-25 (水) 00:15:24
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