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アベレージ 刈×安

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  アベレージのカリーヤ×アベ
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  嫉妬するアヴェの話。ちょっと暗め。
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 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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ピンポーンピンポーン♪
「・・ぅん・?」
布団の中で惰眠を貪っていた安部は鳴り響くチャイムの音で目を覚ました。
(うぅ、こんな朝早くから誰だろ。折角の休みくらい寝かせてくれたって…)
眠い目をこすりながらベッドから降りようとすると
ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン♪
「うわ、本当に誰だよもう~。近所迷惑…って、まさか……」
不吉な予感が頭をよぎる。このデジャウ゛感は…

「あ~っはっはっはっはっ!安部きゅうん、寝癖おもしろおいっていうかテラカワユス~」
「…やっぱりお前かよ」
高笑いしながら頭をワシワシと撫でてくる刈谷に抵抗する気力もなく
安部は肩を落としうなだれた。
「ん?元気ないねぇ安部くぅん。悪い夢でも見たのかあい?」
『お前のせいだよお前の!』 という言葉を飲み込み安部は刈谷の手元を指差して言った。
「ねぇ、その手元のでかい荷物は何なわけ?旅行にでも行くの」
「あ、コレ?まぁ旅行っていうより…お泊り、かな?」
「ふーん、どこに?」
「安部くんの家」
「へぇ~……ってはぁ!?お前何言ってんだよ」
そのあまりにも唐突で突飛な返答に驚いている安部に構わず、刈谷は喋り続ける。
「いや~、妻と子供が二人だけで旅行行っちゃってさぁ。家で独り淋しいなぁって。
 それで『そうだ、安部くん家行こう。』って思いついたわけぇ~」
「いやそんなノリで勝手に決められてもなあ…っていうか大体何で俺ん家なんだよ。
 他当たればいいだろお」
すると刈谷は急に目を潤ませ安部を見てきた。
「な、なんだよその目は」

「うぅっ、僕が安部くんの所以外に行く場所ないって知ってて
 そんなこと言うなんて…ひどい、ひどすぎるっ!」
そう言っておいおい泣き始めた。
「ごっごめん刈谷、俺が悪かったよ。だから泣くなって、な?」
「うわあ安部くんの部屋相変わらず狭ぁ~い」
「って何勝手に上がり込んでんだよ!」
何時の間にか部屋に入り込んでいた刈谷はそこらに置いてあった物を次々と片し、自分の荷物を広げていた。
「あっおい勝手に片付けんなって。つうか荷物多っ」
「えーとお、歯ブラシでしょ~タオルでしょ~。
 着替えの服にパジャマとパジャマとパジャマと~…あ、あとパジャマ」
「どんだけパジャマ持ってきてんだ」
すると刈谷は手を止め安部を真っすぐ見ると真剣な声色で言った。
「だってさ、“寝る時”の服装って結構、大事じゃない?」
「いや意味わかんねぇよ。ってかマジでお前、今日俺ん家に泊まる気?」
「もちのロンさぁ~。安部くん何か予定でもあるの?」
「いや、別にないけど…」
「じゃあうぃ~んじゃなあい?ねぇ、うぃーって言ってよ安部くぅ~ん!」
甘えモード全開な刈谷に安部は若干圧され気味だ。
「…ぅ、うぅん、まぁ、別に駄目ってこともないけど…」
「あ~っはっはっは、じゃ決まりだねぇ。よろしくぅ~」
「あ、あぁ」
(ってしまったー!)
断れずOKを出してしまった安部は心の中で密かに、押しに弱い自分の性格を呪った。
それからなんとなく色んな話をしたりゴロゴロしているうちに夜になり…

「…ふぅ、それにしても家に誰かが泊りにくるなんて久しぶりだなあ」
安部が湯槽につかりながらひとりごちていると、洗面所からガサゴソと物音が聞こえてきた。

「ん…?」
 ガララッ
「安部くぅん、一緒に入ろお~」
風呂場のドアを開けて入ってきたのは、一糸纏わぬ姿の刈谷だった。
「なっ、何入ってきてんだよ!
 っていうかせめて下、タオル巻くなりなんなりしてちゃんと隠せって!堂々としすぎだから」
焦っている安部を見て刈谷は愉快そうに笑った。
「あ~っはっはっはっは!安部くん、人っていうのはねえ、自信のない物ほど隠したがるんだよ?
 だからあ、僕には隠す必要なんてないのさあ~っはっはっはっは!」
「ってヘタしたらそれただの露出狂だぞ」
「まぁそれよか、つめてつめて~」
そう言いながら刈谷は浴槽に入ってきた。それと同時に湯が溢れ流れだす。
「ちょ、ちょっとお、さすがに狭いっつうの。ていうかひっつきすぎっ」
安部は必要以上につめてくる刈谷から離れようとするが狭い浴槽の中、身動きがとれないでいた。
一方刈谷は、隣で満足そうに鼻歌まで歌いだしていた。
(あぁなんか、デカい子供ができた気分だ)
そんなことを思いながらそっと溜息をついていると
刈谷が何時の間にかこちら側を向いており、安部を両脚で挟むような体勢になっていた。
「うわあっ、か、刈谷っ。いきなり何……ってあ、あたってるって!」
「何が?」
「な何がってお前のそれだよっ」
すると刈谷は意地悪そうにこう切り返してきた。
「それ、ってどれのことだい?安部くぅん」
「っ、そんなもん言わなくても分かるだろおっ。いいから早く離れ…っ」

「やだ」
「やだってお前いい加減…っひゃ…」
「あれぇ?どうしたの安部くん、もしかして感じちゃってるの?」
「ばっ、違……んんッ…動くなっ…てぇ」
羞恥で顔を紅潮させる安部を刈谷はいとおしそうに見つめ、横からぎゅっと肩を抱き締めた。
「かわいい」
「っばか言ってないで放せよ…ッ」
「ねぇ安部くん、僕が君にこんなことするの、どうしてか知ってる?」
「知るわけ…っないだろ…っん」
耳元に吐息をかけるように喋ると安部は反射的に目をつぶった。
「君のことがね…す」
「ふ……っ」
その単語を言い終える前に安部は糸が切れたように刈谷の方に倒れこんだ。
「え、安部くん?………うーん、ちょっと刺激が強すぎたかなぁ」
長時間湯につかっていた安部は完璧にのぼせてあがっていた。

「―うぅ…ん……あれ?ここ何処だろう。お星様がたくさん見える」
「あ、安部くん起きた~?」
体を起こしよく見るとそこは自分の部屋で、
中央では刈谷が体操座りで自宅から持ってきたらしいプラネタリウムを見ていた。
「大丈夫かあい?君、のぼせて気失ってたんだよ」
「あ、あぁ…そうか俺たしか風呂入ってて、そしたら刈谷が入ってきて……あぁそっから全然思い出せない」
「…そう。まぁとりあえず、一緒に星でも見よ~」
一瞬、心なしか刈谷の顔が寂しそうに見えたが、気のせいだろうと思い直す。
「なんでお前とまたプラネタリウムなんて見なきゃならないんだよ。っていうかこの前見ただろお」
そう言いながらも安部は刈谷の横に腰を下ろした。

「あっ流れ星!」
「えっ、どこ?」
「ウッソぴょーん!」
「あた、また騙された。……あっ、あの星座、なんかちょっとお前んとこの奥さんに似てない?」
「ええええええぇぇえっ!?」
凄い勢いで刈谷は飛び上がり、奇声を発しながら安部の背中にしがみついてきた。
「どっ、どこに!?どこだよ言ってくれよ安部くぅん!!ハッもしかしてあなたの後ろに―……!?」
「い、いや冗談だよってか落ち着けって!」
背後でガタガタと震えている刈谷を一通り宥め落ち着かせると、安部は口を開いた。
「…あのさぁ、なんとなく聞きづらかったんだけど……お前んとこって夫婦仲悪いの?」
「…うん、良く…はないね」
すっかり元気のなくなってしまった刈谷を励ますように安部は言った。
「で、でもさっ、刈谷はちゃんと奥さんのこと愛してんだろ?」
「…うん…そうだけど……」

  
―ズキリ
(あれ?何だろう、今なんか呼吸が苦しくなったような…気のせい?)
忽恕として沸いてきた不可解な感情を打ち消すかのように、安部は明るく刈谷に語りかける。
「あ、あはっ、じゃあ大丈夫だよ。きっと奥さんだってお前のこと………」
先の言葉を言おうとするが、その感情は心の中で徐々に大きくなっていき
(……ッなんだこれ…言葉が出てこない。
 ただ『奥さんだってお前のこと愛してる』って、それだけのことを言うだけなのに……)

「?どうしたの安部くん、なんか、辛そうだけど大丈夫?」
ふと気づくと、刈谷が突然黙り込んでしまった安部を心配そうに見つめていた。
「―っえ?あ、あぁ大丈夫。なんかまだちょっとボーっとしてるみたいでさあ。うん、でも全然平気だから」
「もう寝たほうがいいんじゃない?」
「ん、んん、そうだな。もう寝るか…」
もやもやとした気持ちを抱きながらも安部がベッドに向かうと、何故か刈谷まで一緒に入ってこようとしていることに気づいた。

「なっなんだよ。お前、自分の布団は?」
「ぎょめんねぇ。本当は持ってこようと思ってたんだけど、バッグに入らなくってさ~」
「あんなに色々余計なモン詰め込むからだろお」
「そんな冷たいこと言わずにさぁ~、ねぇ安部くぅん」
縋るような瞳で見てくる刈谷に耐えかねた安部は溜め息をひとつついた。
「もう仕方ないなあ…ほら、ちょっと窮屈だけど入れよ」
「わぁいありがと~」
「…う、やっぱ狭いな…って刈谷ちょっとこっち来過ぎじゃない?」
「そう?」
そう言いながら刈谷は安部に腕をまわしてきた。
布団の中でいきなり後ろから抱き締められた安部は思わず身震いをした。
「うわあっ。な、なにすんだよおっ」
「……ごめん………」
「え…?」
刈谷の口からぽつりと呟かれたその言葉は哀しげで、暗く静かな部屋にやけに響き渡った。
それは誰かに向けられた言葉のようで、また自分を戒めるための言葉でもあるようだった。
「……刈谷?」
思わず振り返ると刈谷は目を閉じており、薄く開いた唇からは規則正しい呼吸の音が聞こえてきた。
「な、なんだ寝言か…」
壁の方を向き直すと安部は抱き締められた体制のままそっと瞳を閉じ、眠りについた。
刈谷の安部を抱き締める力が、ほんの少し強くなった気がした―

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 | | □ STOP.       | |
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 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) 本当にありがとうございましたorz
 | |                | |       ◇⊂    ) __
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