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中華麺ズ

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                     |  ゲイ二ン。中華麺ズ。エロもなんにもないけど、木庭椰子×イニ
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  どうにも萌えが止まらなくなったみたい
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 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ハジメテトウコウ…ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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「ごめん。ちょっと今んこと、もう一回」

小さなテレビを睨み付けるように見つめていた片桐は、そこから目を離さずに真剣な声でそう告げた。
俺は気づかれないようにそっとため息をついて、手にしたリモコンの巻き戻しボタンを押した。
小さなホテルの一室。地方公演のためここに三日は居ることになるからか、部屋は様々なもの達で散らかっていた。
自分の部屋ならまだしも、ここは彼の部屋だから、おいそれと片付けるわけにも行かず、
結局二人してベッドの端にきゅうきゅうになって座りながら、
さっきからスタッフに貰った今日の公演の資料用ビデオを確認していた。

今日、片桐はあるコントでひどいミスをした。
二人の掛け合いが大事になるコントで、セリフを一個飛ばしたのを皮切りにそのあとはぐだぐだだった。
笑って誤魔化せないくらい、それはひどいものだった。
テンポが大事なそれは、二人で何度も稽古を行い、リハではこれ以上ないくらい息を合わせて、万全で望んだものだったのに。
本人も本気で落ち込んで、俺を先頭にスタッフ皆にひとしきり頭を下げた後、
こうしてもう二時間以上も台本片手にビデオで確認しながら練習をしている。
「あのさ、ケンタロさ、ここのとこからもう一回合わせてくれる?」
しわくちゃになった台本の途中の部分を指して言う片桐は、もう余裕などちっともなくて、
袋小路に嵌っているような目をしていた。

時々こいつはこうしていっぱいいっぱいになって、ぐるぐると同じところを回り出す。
そして、そんな状態のこいつは決して面白くないし、それはきっと見に来てくれるお客さんにも伝わるものだろう。
だから、俺は大げさにため息をついて、目の前の台本を奪って遠くへ放り投げた。
何かにぶち当たってどさりと落っこちた音がしたけど、そんなのどうせこいつの部屋なんだから、構いはしない。
その辺に粘土とかが散らかってる部屋なんだから。
「もう今日はやめときなよ。肩桐さ、これ以上やっても同じだよ」
俺の言葉に、肩桐は眉を寄せて、まるで縋り付くような目をした。
こいつは時々、こうしてまるで唯一自分を救ってくれる対象を見つけたみたいに俺を見る。
疑いのない愛情とも取れる信頼いっぱいの視線は、くすぐったくもありひどく重くもあった。
この信頼を、他の誰にも見せていないであろうと思うと、目も眩むような優越感を感じ、
同時にその重みに潰されそうにもなるのだった。
「明日…」
掠れた声で肩桐がぽつりと呟く。その言葉の先は繋がっていかないけども、言いたいことはわかった。
昔よりも俺に弱音を吐かなくなったのは、嬉しいことなのだろうかそれとも寂しいことなのだろうか。
俺は黙って頭ひとつぶん下にある肩桐を抱き寄せた。
ふわふわと広がる髪は、思ったよりもずっと柔らかい質感なのだと、初めて触れたときに驚いたことを思い出した。
「大丈夫だよ。出来る。何かあったらフォローしてやるし。…俺がいるから大丈夫」
意識して低めの声を耳元に囁く。その言葉に、強張っていた肩の力が抜けていくのが感じられた。
安心したように肩に暖かい重みが掛かる。

こうしてへばっていると抱きしめてやって、好きだと言わせて、悪戯でキスしたりもした。
そんなことを日常茶飯事していると、どこまでが本気でどこまでが冗談かなんて、
とっくに見分けが付かなくなっているんじゃないのかな。
もうお互い慣れ過ぎちゃって、そこにある特別な意味なんか見出せないくらいに霞んでしまっている。
「ケンタロ?」
肩桐が動かないままの俺に不思議そうな声を上げる。
身体は任せたまま、決して振り解こうとしない彼に、自分に対するどこまでも真っ直ぐな従順さを感じて、
ぞくりと背中が粟立った。
わざと動けないように抱きしめる腕を強くして、結んだ髪の間の首筋に口付ける。
痕が付くくらい、強く。
「ちょ、ちょっと!何やってんの?!」
慌てたようにもがく肩桐を腕から解放する。その顔を覗き込むと、羞恥で真っ赤に染まっていた。
「ちょっと、ケンタロー…マジで…」
真っ赤になったまま何かぶつぶつ呟く肩桐の頭に手を乗せると、俺はベッドから立ち上がった。
「俺、もう行くわ。オマエも早く寝ろよ。明日もあるんだから」
それだけ言って、そそくさと部屋を後にする。まだ何か言いたそうな肩桐は、それでも一言「おやすみ」と告げた。
「おやすみ」
部屋のドアを閉じて、自分の部屋へ向かう。
明日になれば、きっとまるで何もなかったかのように顔を合わせて、そして二人でステージに立つ。
十何年も続けてきた、二人以外になにもないステージに。
二人だけで作り上げる、それはそれは幸せなステージに。

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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 以上です。ありがとうございました
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) いろいろごめんなさい…orz
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  • ケンタロ様wwwww -- 2009-07-16 (木) 15:08:02

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