ギ/ン/タ/マ 銀×全 ~最後の挨拶~
更新日: 2011-04-27 (水) 20:42:21
※テンプレから再投稿させていただきます。
今後はリロードを怠らないよう気をつけます。
567さん、改めてすみませんでした。
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| 銀×全前提、全の父の葬式の翌日の小噺です。
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| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| エロはナシ!
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| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
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アニメ版48話Bパートに準拠した内容です。
元・御庭番衆頭目にして現在はフリー忍者の服部全蔵はかぶき町
で知らぬ人のいない店、スナックお登勢のカウンターでひとり飲ん
でいた。
忍びの技の師匠でもあった実父の葬儀を終えた翌日の夜のことで
ある。喪主としての役目はどうにか果たし終えたことだし、「後の
細かい仕事は引き受けるから少し気晴らししておいで」と親戚筋の
おばさんたちに屋敷から追い出されたのだった。
いい年をしている癖にガキっぽくて、息子の大切な少年ジャンプ
コレクションを売り飛ばしてエロDVDを買い込むような馬鹿親父
だったが、親戚や自分の同僚--父の弟子にあたる連中だ--から
は妙に好かれていた。そのため通夜から葬式に至るまで何かと手伝
ってくれる者は多く、突然の訃報に動転していた全蔵としては、大
いに助かったのは事実だった。
父の忍びらしからぬ明るい気性がどうにも歯がゆく思えた時期も
あったが、こうしていざ死なれてみると、やはり喪失感は強かった。あおったビールが、いつもより苦い。
そのとき、スナックの引き戸を開けて男が店に男が入ってきた。
「お、全蔵。来てたのか」
「……銀時」
癖のある銀髪に腰に差した木刀。いつもどおりの万事屋・坂田銀
時だった。
ババア、俺にもビールな、と言って銀時は全蔵の隣の椅子に座る。
「どうしてた? しばらく忙しくなるとか言ってたが、片付いたの
か?」
「まあ、大体はな」
全蔵は銀時に父の事を教えていなかった。銀時と父に面識がある
わけではなかったし、天涯孤独の身の上である彼のことを思うと何
となく言うのが憚られたのである。
ぬるくなったビールを飲み干しながら、全蔵は銀時の横っ面に擦
り傷ができているのに気づいた。
「どうしたんだ、その顔」
「……どーもしねーよ」
「昨日ノ昼頃、妙ナジーサントカン蹴リシテコシラエタデスヨー。
アホネー!」
仏頂面の銀時に替わって、スナックを手伝っている年増天人のキ
ャサリンがにやにやと笑いながら言った。
たちまち「キャサリンてめぇ余計なこと言ってるんじゃねー!」
と、銀時とキャサリンの間で口喧嘩が始まる。
ドラム缶の中に隠れた挙句、出ようとしたところでコケて顔を擦
りむいたんだよねぇ、とお登勢も笑った。
全蔵もそれを聞いて笑ったが、同時に「カン蹴り」という言葉に
引っかかるものを覚える。
父がもっとも好きな遊びはカン蹴りだった。幼い頃から訓練と称
して、父は幾度となく自分とこの遊びを繰り返したものだ。忍びの
訓練と同じだと言い張るだけあってクナイが飛び交う壮絶な内容だ
ったが。それでも幼い頃の自分と仲間たちは、父を交えたカン蹴り
が大好きだった。
「……妙なジジイでよ。えっれえ身のこなしは軽いし、杖で神楽の
弾丸を弾き落とすし。どこの達人ですかーって思えば、カン蹴りを
楽しんでるだけにも見えるし。いったい何だったんだか」
「不思議なじいさんだったね。気がついたら幽霊みたいにいなくな
ってたし……カン蹴りを満喫したから帰っちまったのかねぇ」
そのじいさんというのはもしかして、と全蔵は口を開きかけて止
めた。そんな馬鹿なことは有り得ない。父がその頃、棺の中で眠っ
ていたのは葬儀を執り行った自分が一番よく知っている。
「でもよ、オレ、じいさんがいなくなる前に声をかけられたような
気がするんだよな。……倅をよろしくとか何とか」
気を取り直して新しいビールを飲もうとしていた全蔵は盛大にむ
せた。
あの馬鹿親父、息子の弔辞の真っ最中に何をやってるんだ、とご
く自然に思う。
考えてみれば自分自身が弔辞の最後に語ったのではないか。「父
が化けて出たら、そのときにはカン蹴りをして遊んでやってくれ」と。
まさに銀時たちは自分の願いを、そして父のおそらくは最期の望
みを叶えてくれたのだ。幽霊となった父は、彼らとのカン蹴りを満
喫して成仏したのだろう。出棺するとき、最期の別れを告げたとき
の父の顔はとても楽しそうな、満足げな表情だった。
ごほごほとむせ続ける全蔵の目から涙が流れ落ちる。
おかしいやら、苦しいやらでどうにも止められない。
心配した銀時が大丈夫かと背中をさする。
その手の温もりが、心地よかった。
「ありがとうよ……銀時」
唐突に礼を言われて面食らった顔になる銀時を無視し、全蔵は立
ち上がると「今日はとことん飲もう! オレがおごる!」と高らか
に宣言した。キャサリンや他のお客たちが歓声を上げる。
銀時も「よっ、全ちゃん太っ腹!」などと調子のいい事を言いな
がらさっそく上等な日本酒をお登勢に頼んでいる。
--それにしても。
急に活気付き始めた店の中で全蔵は思った。
自分と銀時のことをいつ知ったんだか。あのタヌキ親父。
全蔵は心の中で苦笑いしながら、銀時がついでくれた酒を一気に
飲み干した。
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ ご清聴どうもです!
| | | | ピッ (・∀・ )
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|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
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内容の配分を間違えてしまいました…。
重ね重ねすみません!
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