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ハケン 大小

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |   ダークサイドショージを書きたかったらしいよ
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  九話のあとくらいだねー
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
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こいつは駄目だ。
それが、サトナカに対するショージの第一印象だった。

人の喜ぶ顔が見たいから食品会社に入ったとか。
だから頑張って皆で仲良く働きたいんだとか。
そんな青臭いことを、それはもう嬉しそうにサトナカは語った。
新人研修でたまたま隣の席になっただけの、
そしてたまたま一緒に昼食に行っただけのショージにそう語るサトナカを見て、
ショージは思ったのである。
―――こいつは駄目だ。
だから放っておけばよかったのだけど、なぜかそうは出来なかった。
迷子の子犬を素通りするのが難しいのに似ているかもしれない。

その第一印象はその後、ケンちゃんは駄目だ、に変化した。
サトナカは入社してしばらく経っても青臭いことを言い続けた。
美しい理想論をココロの底から信じ続けた。
―――ケンちゃんは駄目だ。
世の中に美しくないものなんて沢山有って、
世の中は美しいものだけでは回らなくて。
だから、皆理想に目をつぶる。
泥にまみれなくては世の中が回らないから。
泥にまみれなくては自分の居場所を無くすから。
……泥にまみれることの出来ない人間が、
つまりはサトナカがこの会社で居場所を無くすのは時間の問題だった。
だから、ある時ショージは決意した。
―――俺が、ケンちゃんの居場所を作れば良い。

それからのショージは出世に躍起になった。
元々得意だった上司へのおべっかもキレを増した。
得意先のどんな嫌な相手にでも必死に土下座した。
手柄泥棒と言われても平気だった。
……例えそれがサトナカの手柄であっても、ショージは躊躇しなかった。
たまに、ショージの中で何か重いものが溜まる音がして何かが悲鳴を上げていたけれど、
何も気付かない振りは得意だったから問題なかった。
ショージは人の二倍の手柄を立てて人の二倍出世して人の二倍の居場所を作り上げなければならなかった。

働くことは生きること。
だから、働くための場所は生きるための場所だった。

それからしばらくは、ショージの行動は上手くいっているように思われた。
ショージは主任になり、サトナカも新設部署という冷遇ながら若くして主任に抜擢された。
何かが狂い始めたのは、サトナカの部署にあのハケンが来てからである。
春の名を持つそのハケンは春の嵐を身に纏い春の暖かさを内に持つ、とんでもない女だった。
そのハケンはショージにもそれはもう絶大な影響を与えたのだけれど、サトナカへも大きな影響を与えた。
いつも受身で頼りないサトナカは、それでもマーケティング課で己の居場所を築きつつあった。

そして。
森とか言うハケンの弁当の一件でショージは確信した。
―――ケンちゃんの居場所はマーケティング課だ。
それはショージに僅かな喜びと安堵、そしてもう少しの空虚を齎した。
それでも、サトナカの居場所が出来ただけならそれでショージは満足だった。
しかし、そのためにサトナカが取ったのはとてもサトナカらしく青臭い行動で、
それは本来褒められるべきなのだけれど会社を構成するパーツとしてはとても褒められるものではなく、
だからこの会社でサトナカが居場所を無くすのはほとんど確定事項だった。

働くことは生きること。
……では、サトナカが働く場所を無くしたら?
ショージには想像することはできなかったけれど、
サトナカはやっぱり困った子犬の顔をして全て諦めるのだろうことだけは分かった。
歯痒かった。じれったかった。とても腹が立った。
だから、サトナカがとても大事にしているモノを口撃して、
案の定それで初めてサトナカは怒りを見せた。
―――そんなにその場所が大事なんだな、ケンちゃん。

ショージの前には素晴らしい出世街道が広がっていた。
サトナカの大事にしているモノを奪って、あのムカつくハケンのことも諦めて、
そうして得られる輝かしい未来だった。
青臭いサトナカと青臭く殴り合って、
後ろめたい思いを抱えるショージが本気で怒っているサトナカに敵うわけもなく、
そして少しはボコったけどボコボコにされてふたりとも床に倒れた。
目が腫れて視界が狭くはなっていたけれど、
久しぶりに目の前が晴れ渡った気分だった。

「何が会社だ。何が部長だ」
「ははは、酔っ払いじゃないんだから」
何も知らないサトナカは、ショージの言葉を聞いて笑った。

結局、ショージには一人分の居場所しか作れなかった。
この会社には二人分ではなく一人分の居場所しかない。
ならばそれが誰のための場所なのかは明白だった。
……あの時、己がサトナカの居場所を作れば良いと決意したのだから。

―――の、はずだったのだけれど。
会社に未練をこれだけ残して再就職が上手くいくわけもなく、
所在無くうろついていたら何故か犬を連れたあのハケンに見つかり、
サトナカが相変わらずの子犬面で心配していることを知り、
そして動くなといわれて我ながら笑いたくなるくらい忠実に待っていたショージにサトナカは言った。
一緒に謝ってあげるから。
だから一緒に働こう。
あの、青臭いサトナカが。愚かしくも部長に反抗していたサトナカが。

―――ああ、そうか。
鋭いつもりが意外と鈍いショージは漸く悟った。
ショージの居場所は初めからあったのだ。
ずっと、目の前に。

……居場所が一人分しかないのなら、それを二人で分ければいい。
一緒に働くということは一緒に生きるのと同じことなのだから。

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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ちょっとシリアスすぎたかな
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
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この二人大好きだ。


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