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numb*3rs兄弟話

1さんスレ立て乙華麗!

狐CHで放送中のnumb*3rs兄弟話
前にチャーリー語りの陰気なnumb*3rs兄弟話を
2つ投下した者です。コメントくれた皆様ありが㌧
マイナージャンルなのに反応があって嬉しいです。

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   (  ,,゚) ピッ   ∧_∧   ∧_∧
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  └──────│今回はドンが語ってます
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チャーリーが俺の事件のアドバイザーとして捜査に参加するようになり、事
件が解決した日のある夜、親父が俺に言った。
「チャーリーはいまだに小3の時の問題と格闘してる、兄に誉められたいっ
ていう問題とね」
そんなことはずっと知ってたよ、
その言葉を冷えたビールでのどに流し込んだ俺は、親父の言葉に軽く笑って、
ダイニングでテリーたちを相手に"数学がいかに日常にあふれているのか"
を熱心に語っているチャーリーを見た。
柔らかい巻き毛に大きな瞳、舌がもつれるような単語を紡ぎだす薄い唇。幼
い顔に幼い仕草、世間に疎く、三十になっても父親と同居している弟。まる
で庇護の対象者のようなチャーリーを形容する言葉だが、そこにたった一つ
「天才数学者」という単語が加わるだけで、俺にとってのチャーリーは弟で
はなくなる。
それは奴が3歳の時、4桁の掛け算を解いた時から始まった。

チャーリーが生まれた日のことは今でも憶えている。
俺は5歳でその日は水曜で俺は紺のラグビーシャツを着ていて、授業が終わ
るとすぐにスクールバスに飛び乗って帰宅した。家に着くまで4つある信号
がどれも青いサインで、ノンストップで家路についたことだって憶えている。
家の玄関には"Welcome, Charles"というリボンが巻きつけてあって、俺が乱
暴に玄関の扉を開けて駆け込むと、出産を終えて退院したばかりのママは、
化粧っけのない顔で、それでも輝かんばかりの美しい微笑で「ドニー、今日
からあなたの弟よ」と、小さな小さな赤ん坊を俺に紹介した。
その時俺は。どう言えばいいのかな、とにかく、とにかく感動したんだ。美
しいママに、小さな赤ん坊に、親父がいて俺がいて、いつものリビングが輝
いていて、幸福が俺たち家族を包み込んでいたことに、俺は本当に感動して、
「よろしく、チャーリー」ってその幸せを壊さないように小声で挨拶をし、
人差し指で真っ赤な赤ん坊の頬をちょこんと触った。
この暖かで輝かしい幸福はいつまでも俺たち家族を包み込んでくれるだろう、
と疑いもしない始まりだった。

チャーリーが3歳の時(いや4歳の時だったかな)。奴が4桁の掛け算を暗算
したと親父に聞かされて俺が思ったのは、「このおチビが?」だった。立って
バランスを取って真っ直ぐに走ることすらままならず、俺が飛ばした紙飛行
機を指差して「airplane!ドン、air plane」って舌っ足らずにはしゃぐ子供
が、4桁の掛け算?そりゃあスゴイなって。笑えるだろ、俺は8歳で、まだ
事の重大さに気づいていない子供だったってわけさ。
でもすぐに「それ」は大変なことなんだとわかった。まずチャーリーは「お
絵描き」のために与えられたクレヨンで、画用紙にわけのわからない数式を
書き連ねるようになり(そのうち奴は机にも壁にも書き始めた。だから親父
はどこにでも置けて吊るすことも出来る黒板をチャーリーに与えた。)、両親
はしょっちゅうチャーリーを連れてどこかへ外出するようになった。あとは
お決まりのコースへまっしぐら、チャーリーは天才児のための英才教育と、
わけのわからない(でも偉いんであろう)大勢の大人たちに囲まれて、「ドン
の弟チャーリー」は消えて「数学の天才チャールズ・エップス」誕生さ。

それでも、まだチャーリーが本当に子供だった(5つや6つの)頃は、俺達
は普通に"兄弟"をしていたと思う。チャーリーは相変わらず俺の作った紙
飛行機がお気に入りだったし、朝のキッチンで俺が学校へ行くのをいつもじ
っと見つめて「何時に帰ってくるの?」って小さな声でつぶやいて「帰って
きたら僕の相手してくれる?」って言ってた。この頃からチャーリーには同
年代の友達が居なかったから、一人で家に居るのはいたたまれなかったんだ
ろう。だが大抵は俺がリトルリーグにも寄らず真っ直ぐ帰ってきても居ない
のはチャーリーの方で、そうすると今度は家の中で俺がいたたまれない気持
ちになった。
誤解されないように言うが、俺がいたたまれない気持ちになったのは、チャ
ーリーがいなかったからじゃないし、両親がチャーリーに付きっきりで、ガ
ランとした家の中に俺一人の呼吸が漂っていたからでもない。
そう、俺は天才じゃなかったけれど、それなりに聡明なガキだったから、俺
はわかっていたんだ。チャーリーが天才でも、俺たちがありふれた家族じゃ
なくなったって、素晴らしい輝きに満ちた家族だって。チャーリーは天才児
で、両親が奴の才能を"正しく"育てることにかかりっきりになったって、
俺は不幸じゃないことをちゃんとわかっていた。
確かにチャーリーにかかりきりになった両親のために、俺は幼い段階で自立
しなければならないことを悟ったが、それはチャーリーが今後の人生で強い
られる不自由さに比べれば、なんてことはないんだと俺はわかっていた。

俺はチャーリーを思っていたたまれない気持ちになった。
だってそうだろう?飛び級でエレメンタリーもジュニア-ハイもかっとばし
て、このままいけばチャーリーは10歳でハイスクールに通うことになる。
そんな子供が幸せなはずない。周りには「お兄さん、お姉さん」しかいない
んだ、体格も違えば話も合わない友達なんてできるわけもなく、そもそも「あ
いつは天才らしいぜ」って指をさされて興味本位な視線に四六時中晒される
んだ。
ガリバーの世界へようこそ、さ。
だから奴が"正しい英才教育"ってのを受けはじめ、日ごとに「数学者」た
る言動をするようになり。相変わらず俺に紙飛行機をねだるのに、そのうち
「もっとも長距離を飛ばすことの出来る紙の大きさと羽の角度は」なんて講
釈をお得意の数式を使って垂れはじめた時でさえ、俺はチャーリーの言動に
ムカつきはしなかった。野球の試合を観戦して、確率論だか統計論だか知ら
ないが、そんな理論で試合展開を語ったり、俺の打率を計算して「ドン、外
角低めに手を出すのはやめなよ」なんて"アドバイス"された時も、大きな
お世話だとは思ったが、チャーリーにムカついたりはしなかった。
俺は、ただただ「天才数学者」としての言動と、いつも濡れているようなつ
ぶらなチャーリーの瞳がアンバランスで、チャーリーがその能力を伸ばせば
伸ばすほど、チャーリーを見るのが辛くなった。
大人の頭脳と子供のままの精神を抱え込んで、それでもチャーリーは必死な
って俺に話しかける。俺にはそんなチャーリーがとてつもなく不幸に思えて、
だからと言って俺がしてやれることもなく、やがて俺は辛いばかりになった。
そして、俺はチャーリーを見なくなった。

チャーリー。きっとお前は、子供の頃から俺に無視されてきたのは、自分が
天才児で、そのせいで兄に犠牲を強いてきたからだと思っているだろう。つ
まり兄弟が疎遠だったのは"自分のせいだ"って。
でもな、チャーリー。それはまったくの見当はずれで、俺はお前にそんなこ
と、感じたこともないんだよ。お前が生まれたあの輝かしい日以来、一度だ
って俺はお前を疎んだりしたことはない。小さくて大切なチャーリーを愛さ
なかった日だって一日もないんだ。
お前を大切な弟だと思っていたからこそ、お前が重荷を背負い傷つくことで、
俺が傷つくことを恐れただけなんだ。
俺の勝手で、こんなにも距離の開いてしまった「兄弟」に、どうしてお前は
そんなにひたむきでいられるんだろうな。チャーリー、「弟」としての肩書
きの前に、3歳の時には「天才児」が挿入され、二十歳の頃には「数学者」
の肩書きが加わり、その後も「大学教授」が加わって。そうだNSAの相談役
ってのも加わったな、俺はつい最近まで知らなかったが。そんなお前は今も
「ドンの折った紙飛行機、飛ばしたい」って見つめてきた5歳の純粋な瞳で
俺を見つめる、ただひたむきに。

親父が言ったように、お前はもうずっと長い間、俺に認められたくて必死に
格闘していた。今、ようやくぎこちないながらも兄弟らしく接することが出
来て、もしかしたら喜んでいるだろうか。
俺はお前と事件を解決するたびに考える。
「チャーリーよくやったな。」そう言って、お前の肩をギュッと抱いて頭のて
っぺんにキスを落とし、ありふれた家族の愛情表現を示すことを。
そうすることで、お前に「孤独な思いをさせてすまなかったな」って伝えた
い、ってな。だが今更それじゃあ、あまりにも俺は卑怯で自分勝手だ。
だから俺は「お前は頼りになる弟だよ」と言って、お前の瞳を見返すだけ。

この先、俺は「弟」以外の肩書きを背負ったお前を、どんな風に受け入れて、
俺達はどんな関係を築いていくんだろうか。天才じゃない俺には未来を予測
することはできないが、チャーリー、どんなお前だって俺にとっては大切で、
愛すべき人間なんだと、いつかは伝えたい。

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                ◇,,(∀・  ) ヤッパリクライネ
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ちょっとドンを美化しすぎ?
実は単にウザかったから疎遠だっただけだったりして。
と思わなくもないですが、妄想バンザイ!ってことで。
他ジャンルの姉さん方、スレ占領してすいませんでした。
お付き合いありがとうございました。


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