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ぬるいシャワー

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
やきうねた。

ふつん、と途切れそうな意識の下で、突然に突き上げられて悲鳴をあげた。
「寝るのって、失礼じゃないですか?」
「寝てない…」
「意識飛びそうだった、でしょ?」
「それ、寝るって言わない…っ」
この後輩は、やたらとサディスティックだ。
こいつが気に入ってるのはオレじゃない。オレは手頃な代わり。いや、代わりでもないか。
こいつのお気に入りは、こいつと、こういうことをしてないんじゃないかと最近気付いた。
オレに手を出してきたのはやたらと早かったから、当然あのキャッチャーともそういう関係だと
思い込んでいたのだが。
こいつの一方的な片思いなのか、と気付いたのは、最近だ。
だからオレに当たるんだろう。
それにしても、やっぱり、つらい。
精神的に、じゃなくて、体が。
だってコイツ、遠慮無いんだ。

「…ッつ、あっ…」
「擦りすぎて赤くなってる。明日、ユニフォームちゃんと着れる?擦れてイタくない?」
「う、るさっ…」
こりこりと親指と人差し指で挟んで揉む。
こいつのワザとくさい言葉で、オレは一気に恥ずかしくなる。
きっと明日は、ユニフォームがカラダに擦れるたびにこいつの言葉を思い出してしまう。
こいつは判ってやってるのだ。
やっぱり、サドだ。
「お前っ、ほんとは、オレじゃなくて…」
「イーヤマさん。それ、言ったら駄目。だってアイツ、全然気付いてくれないんだもん。
アイツから気付いてくれるまでは言わないことにしてるの」
オレの気持ちはどーなる。
アイツが気付くまで、オレはお前に付き合わなきゃいけないのか。
オレのカラダは大丈夫か。
25過ぎたら下降線なのに。

***

「大丈夫か」
意識が飛んでた。
真っ黒の世界の外から声が聞こえて、アイツかと思ったら…オダだった。
「あ、あ、うん。大丈夫」
「風呂は」
「…入りたい」
「じゃあ、入れてくる。俺もさっき入ったけど、ここのホテルの風呂、すげぇ狭い」
織田は何も言わない。
気付いてるのに。
…気付いてない?いや、そんなわけない。
いくら表情かわらなくても、ニオイと噛み跡(キスマークとは呼びたくない。寒気がする)で、わかるだろう。
「なぁ…」
「ん」
「動けない」
「は?」
「風呂まで連れてって」
「…カラダも洗ってやろうか?スミからスミまで」
そういって、にやりと凄みのある笑顔で言われて、ぞくっとしてしまった。
「なんか、ヤラしいよ、言い方」
「そうか?カギ開けっ放しで気絶してたお前に比べりゃ、ヤラしくないだろ」
「…カギ、開いてた?」
「開いてた。ここオートロックじゃないから」
そういってオダはその恵まれた体で俺を担ぐ。
ホントは動くんだけどね、でも動かないフリ。
「やっぱりセックスだけの関係って駄目かな」
「さぁ、どうだろ。でも、アイツのほうが精神的ダメージでかいんじゃないの」
「ん、やっぱ、そうかな。…って、相手、知ってたの」
「そりゃ、なんとなくは」
「…つまんね」

なんだ、全部お見通し。いつから知ってたんだろ。
オレを湯船に入れて、頭からシャワーをぶっかけられる。
「今度はオレとどう?」
そして、じゃあじゃあと湯をオレにかけながら。
たぶん食事中だったら、オレは口の中のものを吹いてた。
衝撃的な言葉だ。
「オレが?オマエと?ヤだよ」
「…そこまで即答だと、なんかショックだ」
「だって、何か芽生えそうじゃん」
じゃあじゃあとよどみなく注がれてた湯がわずかにぶれた。
「芽生え・・・って、何がよ」
「え、それ言わすの?」
「言えよ」
「やだ」
「あっそ。じゃ、言わなくていいよ」
「もっと粘れよ」
「…どっちだよ」
呆れて、俺の頭にシャンプーが注がれる。
わしわしとでっかい手が髪の毛をかき回す。
「芽生えたら、もう試合前にイチャつくなよ」
「ん、たぶん無理だけど前向きに善処します」
うーん、シャワーがぬるい。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!


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