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洋画「夕ラテガ・十イツ」 主人公&ライバル再び

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     | もうとにかく萌えて萌えて何で私こんなに萌えてんだろうと自問自答
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 今回いきなり恋人同士になってます
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ゼンカイハ ラブノ カケラモ ナカッタノニネ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) イチャラブガ カキタカッタンダネ
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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※それほど大したネタバレはしてないと思いますが、
 公開前に余計な前情報は仕入れたくない、という方はスルーお願いします※

恋人同士となってまだ日の浅い相手とのセックスは、いつだって緊張するものだ。
長い間柄であれば慣れたもの、互いの性感帯を知り尽くしているし、
お互い十分な悦びをもって愛し合える。
またあるいは、セックスの相手が一夜限りであれば、何の気兼ねもなく
互いの快感を求め合えるというもの。

しかし愛する相手との初めてのセックスとなると、少々わけが違ってくる。
初めてのセックスは出来得る限り素晴らしいものにしたい。
互いにいい思い出になれば、後々ファースト・セックス記念日としてパーティーを開ける。
――――言うまでもなく、私達のファースト・キス記念日は互いに競い合い健闘を称え合った
なんとも忘れがたいあのナスカーレースの日だ。
実際、彼はそういった記念日うんぬんという行事をあまり好んでいないようだけれど、
結果的には嫌々ながら私の習慣に付き合ってくれている。

――――"ジ一ンが初めてリッキ一を知った日"記念日に部屋中をキャンドルで飾りつけ、床中に
バラの花びらを散らして彼の帰りを待った夜は、さすがに彼の大顰蹙を買ったけれど。
ともあれ、何事も初めては大切なのだ。
初めてが散々であればもう二度とセックスをしてくれなくなる可能性もある。
それどころか、これから長く付き合っていく伴侶であるはずが、悲惨なセックスのおかげで
一夜限りの相手に早変わりという事も有り得る。
ましてや、私の今の恋人は"男相手のセックス"に関しても素人なのだから。
生まれついてのゲイとして互いに愛し合ったこれまでの恋人達とのセックスに比べると、
グッとハードルが高くなる。
これはよほど慎重になって事を運ばない限り、たちまち彼に愛想をつかされてしまう事も考えられる。
加えて彼は大の女好きで、ほんの以前まで態度も露わに私を嫌っていた男なのだ。
生来"男の肉体を愛してきた男"とはわけが違う。
あるいは"もともとはストレートを気取っていたけれど、心の底ではゲイに興味があった"男とも、
まるでわけが違うのだ。

やっとの事で手に入れた"彼が私の家に一泊してくれる"という権利を無駄にしてはならない。
今までは互いの家を訪ねてもせいぜいキスどまりだった。
たいていは夜も更けてくる頃、追い立てられるようにして彼の家を追い出されるか、
彼が逃げるように私の家を出ていくかしていた。
その彼が、先日ついに私のしつこい誘いにのったのだ。
ぶっきらぼうな答えではあったけれど、べつだん声に"嫌々ながら"という風情はなかった。
「近所に新しいゲイバーができたんだ、行ってみないかい」「ああ」とでもいうような、
ごく自然な受け答えだった。
彼も立派な大人だ、付き合い始めの恋人が「私の家に泊まりにおいで」と言う誘いの真意を
知らないわけはないだろう。過去の人生において、彼も何度となくそのフレーズを使ったはずだ。
十分な下心を持って。
つまるところ、彼は私の誘いにのってくれた。
「私の家にセックスしにおいで」という誘いに。

そうなれば後はいかに初セックスを素晴らしく、輝かしいものにするかだ。
もとはストレートであった彼が「またしたい」と思えるような、むしろ
「俺は馬鹿だった、男同士のセックスは何て素晴らしいんだ、もう女なんか見る気にもなれない!」
と夜空に向かって思わず叫んでしまうような、そんなセックスを演出しなければ。
私は早速大量にストックしてあるキャンドルを用意し、バラの花束を買いにいったが――――
花屋の店員に向かって人差し指を立てたところで、"ジ一ンが初めてリッキ一を知った日"記念日の
彼の様子を思い出して、結局何も買わずに踵を返し、大量に持ち出したキャンドルをもとの場所にしまった。
Simple is the best. あるいはSimple est le meilleur.
ありのままの私で勝負しよう。
彼の好きなピザ、アイスクリーム、ビールも用意した。
彼と付き合うようになってから、私の冷蔵庫にアメリカ製の物がグッと増えたような気がする。
アメリカ製の物は品がなくて好きではないが、彼の喜ぶ顔を見るためならば惜しくはない。

悶々としながら彼を待つ私を嘲笑うかのように、彼は一時間以上遅刻してやって来た。
飄々とした表情で、六缶セットのビールを手に持って、ラフに片手をジーンズのポケットに突っ込んで。
目を閉じると、ぎこちない動きで彼がキスをしてくれた。
彼からしてくれるキスはいつも触れるだけのキスだ。まだ私に対して抵抗があるのだろうか。
彼の顔を両手でつかまえ、彼とは真逆の熱く燃えるようなキスをすると、彼の手が
ぎこちなく私の背を抱いた。女相手にはノリノリで舌を絡めて押し倒すであろう彼だが、
私に対してはいまだにこの様子だ。少し心配になってきてしまった。
とはいえ何食わぬ顔で唇を離すと、彼が憮然とした表情でこちらを見やった。

「Je t'aime. Vous ?tes joli. Je veux avoir le sexe avec vous.」
「何?じゅてーむ、の後なんて言った?」
「英語で言ったらあなたが怒るような事」
「……じゃあ意味は聞かない」
「そうしてください」

彼の手を取り紳士的に室内へエスコートすると、彼は素直についてきた。
彼が来る前に腕に筋が浮くほど力を込めて部屋中を磨き上げたのだが、がさつな彼が気付くはずもない。
天井の光を受けて光り輝いているフローリングの床に、ご丁寧にも泥つきで彼の足跡が点々と続いてゆく。
まあいいさ。彼に汚されるのなら本望だ。
ともあれ彼をリビングのソファに座らせ、彼が持ってきたビールを受け取ると、
彼がきょとんとした目でこちらを見上げた。
「同じ銘柄のビールを買っておきました。これは冷蔵庫で冷やしておきましょう」
キッチンへ向かいながら言うと、彼はテーブルの上に置いてあったTVのリモコンを手に取りながら
愛嬌のある笑顔を浮かべた。彼の笑顔が私は好きだ。笑うと眉尻が下がるのがまたいい。
「気がきくな。なんか食うもんは?」
「ピザは?デザートにアイスクリームもあります」
「アイスクリーム食う」
「ビールにアイス?」
「チョコアイスクリーム」

何だか釈然としないものを感じながらビール缶とワインを取り出し、グラスにワインを注いだ。
彼用にチョコレートアイスクリームをボウルに入れ、
私用にルブローションチーズをスライスして皿に載せる。
リビングの方から賑やかな音が漏れ聞こえてきた。威勢のいい男性の声がアナウンスする内容からして、
ナスカーレースのTV放送を観ているようだ。彼が出場したレースの再放送だろう。
「お腹は空いていないのですか?ピザは本当にいらない?」
「後で食う」
全く、空腹では元気なセックスが出来ないのに。

用意したおやつやビール、ワインをトレイに載せて運んでいくと、再び彼がにこっと笑った。
私もにこっと笑い返して彼の唇にキスすると、彼の動きが一瞬固まる。
――――早い話が、こうしたスキンシップを図っても怒り出す事はなくなっただけであって、
キスやハグをした後の彼の反応はやっぱりぎこちないのだ。
だからこそセックスに際して不安感が拭い去れないわけだが。
「ありがと」
困ったような顔でアイスクリームとビールを受け取る彼にもう一度キスすると、今度はちゃんと応えてくれた。
キスしたまま彼の隣に座り、鼻先を彼の鼻先へ擦りつける。彼はこれがあまり好きではない。
でも、私は好きなのだ。
「愛しています。あなたは?」
「うーんと……好きだけど」
私のLOVEに対してLIKEで答えた彼に、わざと悲しそうな表情をしてみせると、
彼はあわてて私から顔を離した。白熱したナスカーレースの映像を見つめている。
彼の手にあるアイスクリームの入ったボウルからスプーンを取り上げ、彼の口元に運ぶと、
彼は嫌がって首を振った。横目でじっと私を睨む。
「やめろよ、自分で食うよ」
「なぜ?私はこういうのが好きなんです。スキンシップしてください」
「だって、わざと俺の顔にアイスつけて、舐めようとするだろ」
とうに私の策略などお見通しな彼が、私から乱暴にスプーンを奪い取った。
肝心な事はどうしようもなく鈍感なくせに、こういう事だけは察しがいいのだから参る。

「……たまにはF1でも観ませんか?私が以前出場していたレースのDVDが」
「いい、ナスカー観る」
ぶっきらぼうに答えて、スプーンに山盛りすくったアイスをがぶりと一口。
あんな食べ方で頭や歯が痛くならないのだろうか。加えてお腹も。
アイスを食べながらTVを観る彼をそのままじいっと見つめていると、
彼がいかにもうざったそうにこちらをちらちら見やってきた。
これは彼の『見るな』の合図。私が熱烈な視線を彼に向けた時にしばしば見られる行動だ。
あまり彼を困らせては悪いので、私もTVを観る事にした。

いつ見ても彼の走りは素晴らしい。
スランプから抜け出してからというもの、より走りに磨きがかかったような気さえする。
いささか乱暴なハンドルさばきでカーブを走り抜ける彼を眺めながら、私は隣に座る彼の膝に手を置いた。
彼の困ったような目が私の手を見る。
わざと素知らぬふりを決め込むと、彼も諦めたようにTV画面に目を戻した。
そのまま彼の肩へもたれかかるように身体を密着させると、彼の筋肉が一瞬だけ堅くなる。
ゆっくりと弛緩していく彼の筋肉の動きを感じながら、私は浮遊感を伴う幸せな気分に浸っていた。
彼は嫌なのかもしれないが、私はもともとこういったスキンシップが大好きなのだ。
肌を触れ合わせていると安心する。近くに居れば居るほど気分が落ち着く。
セックスもいいが、こうして二人で寄り添い合うのも気分がいい。

ふと、彼の鼻がひくひく動いた。むっとした表情で私の方を見る。
「……お前、くっさいな。匂いつけすぎなんだよ」
「あなたが来るというので、張り切って上等の香水をふったんです」
「くさい」
「傷つきます」
「くさいんだもん」

とはいえ、彼は私から離れようとはしなかった。
ただ不機嫌そうな顔で鼻をつまんでいるだけだ。

彼の首筋へキスをして、私は首をかしげた。
「じゃあシャワーでも浴びてきましょうか?……一緒に?」
肩を抱くと、彼はあわてて私の腕を外しにかかった。
「冗談だろ!じゃあいい、口で息する」
「遠慮しなくていいのに。すっきりしますよ」
「いい、いい、いい、いい」
ご丁寧にも4回繰り返して、彼はぶんぶん首を左右に振った。なんとも強情だ。
こんな様子では、今夜中にセックスは到底無理かもしれない。
まあ、彼が嫌がるようなら無理強いはしないつもりだ。残念ではあるけれど。
諦めて彼の肩にもたれ直すと、彼がきょとんとした表情でこちらを見やってきた。今度は何だろう。
溶けたアイスクリームが底にへばりついたボウルをテーブルに置き、彼が立ち上がった。
てっきり彼が早々に帰るつもりでいるのだとばかり思った私はあわてて彼の腕をつかみにかかったが、
そこで再び彼がきょとんとした表情を浮かべた。
感情が表に出やすい相手と付き合うのは楽しいしわかりやすくはあるのだが、
時にますます混乱してしまうはめになる。
「どうした?」
「あなたを帰したくないんですよ」
「帰る?バスルームに行くんだよ」
眉間にしわを寄せて、いかにも鬱陶しそうに私の腕を振り払う。私は首をかしげた。
「俺のイカした走りは十分観たし、シャワー浴びようと……お前は入らないんだろ?じゃ、俺が先」
「え、あ、そうですか、どうぞ」
バスルームはリビングを出てつき辺りを右だと告げると、彼はさっさとバスルームへ引っ込んだ。

難しい。難しすぎる、彼と付き合うのは。
だけど、なんて楽しいんだろう。
私は彼の食べ終えたボウルをキッチンへ片付け、空き缶をダストボックスに捨てた。
チーズを齧り、少しぬるくなってしまったワインを舐める。
TV画面の中で優勝の喜びを自信満々に語る彼を眺めながら、私はゆったりとソファに背をあずけた。

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                     | 長くなりそうなので一旦投下終わります
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  書いてる本人もまだどっちが攻&受なのかわかりません…
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 | | |□ STOP.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ マダ ツヅク ラシイヨ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
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