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嵐の来襲

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「大尉、まもなく輸送船が予定宙域に出現すると思われます」
副官である中尉は告げた。この日は他星系を経由した輸送隊が物資搬入のために入港する事になっていた。
そして中尉の分隊が入港に際し輸送艦に護衛として付く事となっていた。
今回寄港する輸送艦の艦名を聞いた時、いやな予感がした。それは聞き覚えのある艦名だった。
輸送艦は予定自国どおり宇宙港に到着、上官である大尉と数人の部下とで輸送艦ブリッジへと進んだ。
大尉に続きブリッジに中尉が入るとすごい勢いで向かってくる人影があった。
「アル~!」
叫ぶとほぼ同時にガバッと抱きついた。
あ、あのランディス中尉になんて事を!たとえ官位が上であろうとも絶対に殺されるぞ!!
と、この場に居合わせた中尉を知る全員が思った。
が、当の中尉は動じることもなく、自分に巻きついた腕をどかして呆れかえったようにひとつ溜息をつく。
「相変わらず暑苦しい性格ですね、兄上」
この輸送艦の副官はファランキース・G・ランディス少佐、アルフォード・B・ランディス中尉の正真正銘実兄だった。

「いや~、この星に着任しているとは聞いてたけど、まさかこんなに早く会えるとは思わなかったよ!」
尚もじゃれつく兄である少佐の腕を鬱陶しげに何度も振り払いながら、宇宙港から基地へと向かう。
基地に着き、用意された部屋へと向かう廊下でばったりドクターと会った。
「あっ、中尉」
まずい!中尉の中で嫌な予感が駆け巡る、よりによってこのタイミングでドクターに会ってしまうとは。
「ドクター」
とりあえず何事もないように出来るだけ淡々と紹介する
「こちらは今日着いた輸送艦の副官、ファランキース・G・ランディス少佐です」
人好きのする笑みを浮かべて少佐が右手を差し出す、ドクターも握手のために手を差し出した。
「ただ今ご紹介に預かりましたファランキース・G・ランディス少佐と申します」
「ランディスとおっしゃると・・・中尉のお身内でいらっしゃいますか?」
「はい、兄です」
と言うとまたまた中尉を背後から抱きしめる。が、またまたその腕を中尉に引き剥がされる。
言われてみると確かに中尉と同じ紺碧の瞳をしている。ただ少佐の肩辺りまである髪の色はかなり明るいブラウンだった。
しかし、一見してこの二人が兄弟とは思えない最大の理由は纏っている空気の違いだろう。
冬の夜空のように、澄みきっていて凛とした引き締まるような空気を纏ったのが中尉ならば、
同じ夜でも昼間の熱気を留めた真夏の夜に開く花の芳香を纏っているのが少佐という人物だった。
それは単に髪の色の違いから受ける印象の違いなどではなく、もっと本質的な違いだった。
「では、またのち程」
そう言いおいて、中尉はさっさとこの場を離れようとする。
どことなく、いつもと違う雰囲気に違和感を覚えたが今はあくまで職務中、まぁ後で聞けばいいでしょう、とドクターも立ち去った。

「今のドクター、美人だったねぇ」
少し振り返り、少佐が言う。
「男性に対して『美人』という形容を普通使うか?それと彼は私の同居人だ、妙な事は考えるな」
「へぇ?アルが他人と同居とは、珍しい事もあるものだね」
中尉が他人とあまり深く付き合って来なかった事は、兄であるファランキースもよく知っていた。
「単に居住空間の友好利用を考えた結果、お互いの利害が一致しただけだ」
中尉はそっけなくそう言い放った。
「ふ~ん、そう」
別段気にする様子もなく適当な返事を返す。だかその兄の口元に浮かんでいた意味深な笑いに中尉はその時気付かなかった。

ランディス少佐を指定の応接室に案内し、その足で医務室に向かう。
「失礼します、ドクター」
医務室に入るとドクターは出逢った時のようにデスクに向かっていた。中尉はその背中をそっと抱きしめる。
「アルフ、誰か来たらどうするんですか?」
「貧血でも起こしてよろけたと言いますよ」
絶対にありそうにない言い訳を言い出す中尉にクスクス笑う。
「で、何をおっしゃりにわざわざいらしたのですか?」
勘がいいドクターに少々驚く。
「先ほど会った兄の事ですが・・・」
珍しく少し躊躇いを含んだ物言いをする
「兄がこの星にいる間、私たちの所に居候すると言い出しました」
「そうなんですか、私は別にかまいませんよ?」
「その間・・・私たちの関係は兄に知られたくないのです」
ドクターの顔に不満が現れる
「それは、つまり家族には私が恋人であると知られたくないという事ですか?」
「そんなんじゃありません!!」
多分そういう反応を示されるとは思ったものの、変に取り繕ってもうまく話す自信がないのでそのまま口にしてしまったが・・・
「その・・・兄は子供の頃から私をかわいがってくれましたが、それと同時に私が興味を引いたものにやたら干渉したがるので・・・」
「?」
「つまりレイと私の関係を知ったら、ヤツは絶対にあなたに妙なちょっかいをかけて来るに決まってるんです!!」
「いくらなんでもそれは・・・考え過ぎでは?」
「ありません!!」
中尉はきっぱり断言する。

「キースはそういうヤツなんです!!それも一筋縄じゃいかない性格してるし」
ここまでムキになる中尉も珍しい、意外な一面が垣間見られてなんだかちょっと得した気分で笑う
「笑い事じゃないんですよ、本当に。さっきだって早速『美人だ』なんで言ってたのだから!!」
全く何を考えているのか、とひとりごちる。
「それは光栄ですね」
まだ少し笑いながら言う
「けど私はアルフ一筋ですから、心配無用ですよ」
そう言って、中尉に口づける。
「レイ、誰か来たらどうするんですか?」
「アルフが貧血起こしてよろけたと言いますよ」
「なんだか今急に酸欠気味になって来ました」
「それは大変、ではすぐに人工呼吸しましょう」
そして中尉はドクターにたっぷり『人工呼吸』してもらった。

「へぇ~なかなか良い官舎だね」
「基地へも移動しやすく生活環境も良いです、おかげで私は助かっています」
憮然として何も言わない中尉の代わりにドクターが少佐に答える。
「しかしドクターはよくアルと同居なんて出来たね。いや僕にはかわいい弟なんだけどアル、なかなか他人に懐かないから」
「人を犬かネコみたいに言わないでもらおうか」
「つい昨日まで子犬のような潤んだ瞳で『キース兄上と一緒じゃなきゃねんねしない!!』って言ってたのに~」
「貴様にとっては20年以上前も昨日なのか!?いったいどいういう時間軸の中に生きているんだ!!」
怒りのオーラを放出しまくり中尉が怒鳴る。
中尉には申し訳ないのだけど、ふたりのやり取りを見ていると楽しくて仕方がない。
普段は冷静沈着、誰もから頼りにされている完璧人間の中尉が、5歳年上のこの兄といると弟としての顔を覗かせる
(無理やり剥がされている?)
自分とふたりでいる時もけっして装っているわけではないけど、一人前の軍人たるもの他者に弱い部分は見せてはいけない
とでも思っている風なところもある。
人が成長するためにはそういった事も大切だけど、中尉は他人よりその傾向が強いように思う(そういう処も好きだったりする)
でも時に人は気を緩める事も必要だと思う、そういう意味では今回少佐がいる事は中尉にとっても確実にプラスに作用していた。
少佐に遊ばれている間、中尉は張り詰めたものをうまく解放できているようだ(別なストレスは溜めているようだけど)
その証拠に少佐と話している中尉の口調が、いつのまにかかなりくだけたものになっている。
少佐のためのゲストルームを用意し、そのまま3人で夕食を取る。
引き続き中尉は兄である少佐のおもちゃにされ続け、中尉以外には楽しい食事の時間となった。
ゲストである少佐にバスルームを使ってもらっている間に夕食の片付けをする。
依然ムッとした顔をした中尉はそれでもせっせとドクターと片付けをする。

「もうアルフったら、いつまでむくれているんですか?」
「別にむくれてなんか・・・」
憮然と答える。
「まあ数日のことですから、観念したらどうですか?」
「その数日の間・・・」
言いつつドクターを見つめる
「レイを抱けない」
「少しはガマンしなさい、言い出したのはあなたでしょ?」
「レイはそれで平気なのか?」
ドクターは中尉の唇に自らのそれを重ねる
「平気なわけないでしょ?けどガマンします大人ですから、我侭ばかり言っちゃいけませんよ」
今度は中尉から唇を重ねる、そして腰に手をまわす・・・
「だめですよ、そろそろお兄さま出ていらっしゃいますから」
「まだ大丈夫、ヤツは昔から長風呂だ」
そういって舌を絡める。
「う・・・んっ、もう・・・」
そう言いつつドクターも中尉の首に腕をまわし、口づけを交わした。
その日の夜、ドクターは引越して来てから初めて自分のベッドルームでひとり眠った。

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 | |                | |     ピッ   (・∀・;) 今日はここまでにしときます
 | |                | |       ◇⊂    ) __
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