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ハケン

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  ハ/ケ/ソ/の/品/格 小→大 第4話のその後設定。
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  ベッタベタな風邪ネタだお
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
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 ハ/ケ/ソ続いて申し訳ないです。これ投下したら一旦切ります。
大と小が一緒に出社してきたところから妄想膨らませてます。
ドラマに則した部分は曖昧なので、台詞とか間違ってたら目つぶってください……

「ショウヅくん今日休みらしいわよ。風邪ひいたんだって」

黒/岩さんが彼の机を見ながら言う。
昨日二人でどのくらい話していたかは知らないけど、風も冷たかったし、
コートも着ずに寒空の下つっ立っていたら、風邪をひくのも無理もないだろう。

いつものように素直に心配できない自分が、
とんでもなく我が儘で冷酷な人間に思えて嫌になる。
「やだ、何て顔してんの里/中くん。たかだか風邪なんだから
明日には復帰するわよ。ショウヅくんそんなヤワじゃないもの。」
黒/岩さんに笑い飛ばされて我に返る。そうだねと愛想笑いをして席に戻ると、
Oh前さんがなぜかモ/リさんの席に座っている。

「先輩、そこ私の席ですよ」
「……私としたことが」
Oh前さんは何も悪くないのに、また黒い感情が沸き上がる。最悪だ、オレ。
「Oh前さん、具合悪いなら無理しないで下さいね」
大丈夫ですと言い張るOh前さんの顔が、熱で赤く染まっているのを
心配しながらも、オレはショウヅさんに連絡したい気持ちで一杯になっていた。

結局、頑張りすぎて倒れてしまったOh前さんを皆で送り届けてから、
オレはすぐ携帯を手にした。もう9時をとうに過ぎている。
迷惑かもしれないと思いながらも、声が聞きたくてたまらなかった。
たっぷり10回待って、掠れた声のショウヅさんが出た。
「……ケソちゃん?」
「ごめんね、寝てた?」
「いや、頭痛くて起きたとこ……」
オレの足は、迷わず帰り道とは反対の駅へ向かっていた。
「大丈夫?薬飲んだ?」
「いや、それが、探したんだけど見付からなくってさ……
こういう時独り暮らしって辛いよなぁ」
無理に笑ってみせようとする声が痛々しくて、こっちが辛くなる。
「今から行くから。」
返事を聞かずに電話を切ると、オレは駆け出した。

ショウヅさんの部屋は、良くも悪くも男の部屋という感じで、昨日脱ぎ散らかした
であろうままのスーツやら、書類やらが床に散らばっている。
奥の方の窓際にベッドがあって、ショウヅさんは座敷わらしみたいに
頭から布団を被って丸まっていた。
「わざわざごめんな、明日も仕事あるのにさ」
いつもの笑顔がすっかり消えて、ショウヅさんは弱々しい声で謝る。
「オレのことなんかいいから、早く薬飲まなきゃ。
―先に何か食べなきゃだね」
生憎料理は苦手なので、レトルトのお粥を大量に買い込んでおいて正解だった。
冷蔵庫を覗くと、卵が2、3個転がっている。暖めるときに割り入れて即席卵がゆにした。

「うまそ……朝からなんも食ってないから腹減っちゃった」
やっとショウヅさんの顔に笑みが戻る。食欲があるってことは、
そこまで深刻じゃないはずだ。オレはホッとして小さく溜め息をついた。

薬がきいてきたのか、ショウヅさんが大きな欠伸をする。
足を投げ出してぼーっとしている表情が何だか子どもっぽくて
吹き出しそうになる。
「寝た方がいいよ。熱また上がったら大変だし」
「うん、ちょっと寝ようかな……ホントありがとなケソちゃん。もう遅いし、
帰って大丈夫だよ」
「ショウヅさんが寝たら帰るよ。」
ごそごそと布団に潜り込んだショウヅさんに冷えピタを貼りながら言うと、
ショウヅさんはオレの顔を見ながらしみじみと呟いた。
「―ケソちゃんって、気が利くし、優しいし、オレ感動しちゃうなぁ……
こんな彼女いたら最高だよなぁ……」
そう言って目を瞑るショウヅさんを見ながら、オレは胸が締め付けられそうになる。
バカ、言葉のあやだよ。本気にするな。必死に自分に言い聞かせるけど、
どんどん頭に血が上って、心臓が飛び跳ねる。

「……そういやさ、とっくり今日来てた?あいつも風邪ひいてたんじゃねえの?」
わざとらしく寝返りを打ちながらショウヅさんが呟く。
赤い顔をしながら仕事をしていたOh前さんと、昨日の夜の出来事がフラッシュバックして、
俺はドキドキが収まらないまま、そっと溜息をついた。
「―うん。今日も無理しちゃって……倒れちゃったから皆で
カ/ン/タ/ン/テ/まで送ったんだ。」
「え……大丈夫なのかよ!」
ショウヅさんが跳ね起きる。そのはずみで冷えピタが半分剥がれて、
俺はそれを直しながらもショウヅさんの顔を見れないでいた。
「大丈夫、ちゃんとママさんに頼んだから……ほらショウヅさんも寝ないと」
「―まぁ、俺を振った罰が当たったんだよな、いい気味だ。」
相変わらずの減らず口を叩きながらもどこか心配そうな口調を聞きたくなくて、
オレは食器を片付ける振りをしながら背を向ける。
鼻の奥がツンとして、涙が流れないように慌てて上を向いた。

食器を片付けて部屋に戻ると、ショウヅさんは規則正しい寝息を立てていた。
額にそっと手をやる。まだ少し熱いみたいだけど苦しくはなさそうで安心する。
仕事中には見せない安心しきったような寝顔が随分若く見えて、思わず頬が緩んだ。
「ショウヅさん」
声を掛けるけど起きる気配はない。オレはそっとショウヅさんの顔に手をやる。
まだ熱っぽい頬を撫でたり、額の汗で貼りついた前髪を直したりすると、
ショウヅさんはくすぐったそうに首をかしげた。

息を大きく吸って、止める。少しの間だけ、触れるだけの、キスをした。
ショウヅさんの唇は、乾いていたけど熱くて、
オレの唇も、そこから熱を貰ったみたいに、熱い。
唇から熱が伝染するように顔に血が上って、オレはたまらず布団の上に突っ伏した。

しょうじさん

心の中で何度もいとしい人の名前を呟きながら、
オレはいつの間にかそのまま寝込んでしまっていた。

「ケソちゃん、ケソちゃん起きろ」
ぺちぺちと冷たい手がオレの頬を叩く。重たい目蓋を上げると、
ショウヅさんが頭をいつもより更に爆発させてオレを覗き込んでいた。
「もう起きないと遅刻しちゃうよ。昨日、ケソちゃん寝ちゃったんだろ?
朝起きたらケソちゃんの顔がドアップで、ビックリしちゃったよー」
まだ少し鼻にかかった声だけど、口調はいつものように軽快だ。
「―ショウヅさん、熱、大丈夫?」
「まだちょっと残ってるっぽいけど、微熱だし、働いてたら治るさ」
「あんまり無理しないほうがいいと思うけど」
思わず額に手をやる。不意に顔が近くなって、昨日自分がしてしまったことを
思い出して、また顔が熱くなるのが分かった。
「―あれ、ケソちゃん顔赤くない?もしかして俺のうつっちゃったかな?」
今度は逆に、ショウヅさんの手が俺の額に伸びる。
益々熱が上がってしまいそうで、オレはたまらず立ち上がった。
「っ大丈夫!オレは平気だから……さっ、用意しなきゃ!」

 結局、オレがショウヅさんの看病するはずだったのに、起こしてもらい、
お風呂と着替えまで借りて、その上朝食まで作って貰ってしまった。
「―何か、ホント、ごめんね……オレ何しに来たのか……」
「いいっていいって、昨日は来てくれてホント助かったんだよ?
薬すらなくてヤバかったし」
うつむくオレの頭をクシャクシャ撫でて、ショウヅさんは笑う。
トーストをかじるとバターのいい香りが広がって、沈んでいた気持ちが少し落ち着いた。

「そーだ、ケソちゃん、冷えピタまた貼ってくんね?」
「え、ショウヅさん、それ貼って会社行くの?」
「まだちょっと熱っぽいしさ、見た目より身体だからな」
スーツ姿に冷えピタのアンバランスさがおかしくて思わず吹き出すと、
ショウヅさんも笑ってオレの頭をこずく。
「ショウヅさん、ちょっと屈んで」
ショウヅさんの頭がオレより少し下に来る、その時、自分と同じ
シャンプーの香りが鼻をかすめて、オレはあらぬことを考えてしまう。
「ケソちゃん?」
ショウヅさんが不思議そうな声でオレを呼んで、慌てて我に返る。
剥がれないように押さえて、ちょっとでも隠れるようにと前髪を直してあげた。

「―やっば!ケソちゃん急げ!マジでヤバい時間だ!!」
「うわ!ホントだ!」
コートを引っつかんで飛び出すショウヅさんの後姿を見ながら、
朝の冷たい空気を胸いっぱいに吸い込んで、後に続いて駆け出す。
今日もいい天気だ。

 あの夜のことは、忘れよう、と思う。
オレのこと、大切に思ってくれてるって、感じるから。
それが、友達という形だったとしても。

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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 無駄に長くなってしまって申し訳。
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
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小大でも大小でも取れるように目指したけど、やっぱり大小っぽくなってしまいました。


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