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Dr.コトー診療所 ウブ原→コト4

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                     |  コトー初作より。前回の続き+8話アフターストーリー
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  調子に乗ってさらに続けます…
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 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
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(…次に僕が気づいた時には、もう誰もいなかったんだっけ…)
健助は首まで真っ赤にしながら、机の上で頭を抱える。
鳴海とのことは初めての経験で、自分がどうなってしまったのか分からず、
しかもはっきりと思い出せないことに怖れすら感じる。

(あれからしばらく、病院へ行くのが怖かったんだ…)

病院へ行くたび、いつ鳴海とバッタリ会うのではないかとビクビクしていた。会ってしまったら、一体どういう顔をすればいいのか。
幸いなことにそれっきり、鳴海とは顔を合わせなかった。

(僕は…)
もう一度、原さんが来てくれた日の夜の事を思い出してみる。
原さんの唇、抱きしめられたときの体の感触、今でもありありと記憶に残っている。思い出すたび、宇宙の彼方へ飛んでいってしまいそうな気分になる。
こんな感覚は初めてだった。
原さんの事が好きなのだと、その時初めて気が付いた。

ダメだ。

あの人を好きになってはいけない。
あの人はお父さんだ。剛弘君もいる。
それに、原さんはあの日お酒を飲んでいた。もしかしたら、酔っていたのかもしれない。

(忘れよう。)

そう思った。
あの人とは一線を越えてはいけない。

****************************

俺はまた、あいつの診療所にいた。

漁協で、あきおじが亡くなったことを聞いたとき、
また、あいつのことが気になった。
仕事もそこそこに切り上げて、あいつが行きそうなところを探して回った。
あいつは茉莉子の店にいた。
どうやら酒を飲んで、そのまま寝てしまったらしい。
そしていまあいつは俺の横で正体もなく眠っている。

診療所について、あいつを寝かせたとき、
藁草履を外そうと手に触れた。
あいつの手は信じられない力で握りしめられていた。
その様子を見たとき、どうしてもそのまま帰る気になれなくて、

『もう少し様子を見て帰る』

そう言って、俺は残った。

あいつはまだ俺の横で眠っている。
薄暗い部屋の中で、陰になってよく見えないが、
あいつの目尻には泣きはらした跡が残っていた。

「…う…ん…」
あいつが少し苦しそうな表情をする。どうやら気づいたようだ。

「…目が覚めたか?」
「…原…さん…?」
「あんた、茉莉子の店で眠ってたんだ。何か飲むか?」
「…ええ…水…ください…」
俺は立ち上がって台所へ行き、水を一杯汲んで戻った。
「ほら」
「…ありがとうございます。…っ!ゲホコホッ!」
「おい、大丈夫か?」
慌ててあいつの背中をさすった。
「…っす…ゲホッケホッ…すみませっ…ゴホッ!」
あいつは盛大に咳き込む。俺はあいつの背中をトントンと叩いたり、さすったりして咳が治まるのを待った。
ようやく咳が止み、水を半分ほど飲み干したところで、あいつは言った。
「…送ってくれたんですね」
「ああ、彩佳と茉莉子とな。俺はたまたま通りかかっただけだ。気にするな。」
「原さんはいつも…優しいですね…」
あいつにしては珍しい、やや自嘲するような声だった。
まだ酔っているのだろうか。

静かな波の音が聞こえる。

「原さん…?」
「ん?」
「この間のこと…覚えてますか?」
唐突に聞かれて俺はドキリとした。
慌ててあいつの様子を窺った。あいつは空になったコップを見つめていた。顔は陰になってよく見えない。
「…何のことだ。」
俺は必死で動揺を隠し、かろうじてそれだけを言う。
「…僕が怪我をした日のことですよ」
そう言って、あいつは不意に顔を上げ、俺に近づいてきた。
「あのとき…僕にキスしましたよね…こんな風に」
「んうっ!」
あいつの口が唐突に俺の口を塞いできた。
あいつの舌が、俺を誘うように進入してくる。
「僕を抱きたいですか?」
あいつが触れた場所、あいつに触れる場所から、電気に触れたような痺れが沸き起こり、俺の全身に容赦なく襲いかかる。
やめろ!やめてくれ!!これ以上俺に触れないでくれ!
これ以上触れられたら、俺は何をしてしまうか分からない!

「…っやめろ!!」

俺は乱暴にあいつの体をつきはなした。
あいつの体は、崩れおちるように俺の体から離れた。

あいつが今どんな顔をしているか、分からなかった。
俺はそのまま診療所を飛び出した。

波の音だけが残る部屋で、健助は崩れ落ちた体制のままでいた。

原さんとのことは、終わらせなくちゃいけないと思っていた。
親切にされれば、僕はきっともっと多くの事を求めてしまうだろう。
だから嫌われるつもりで、わざとああいう態度を取ったのだ。

でも、心のどこかでほんの少しだけ期待もしていた。
もしも、原さんが僕の事を好いてくれているのなら、僕を受け入れてくれるかもしれないと。
でもそれは僕の一人よがりだった。やっぱり原さんは僕のこと、何とも思ってなかった。
あの日の事を覚えていたのは僕だけだった。やっぱり酔っぱらってただけだったんだ。

(これでいいんだ…これで…)

咲ちゃんとの事も終わった。
痛みは一度のほうがいい。

健助の手は震えていた。

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 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 全く進展のないこの二人…
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )もう少し続けさせてください
 | |                | |       ◇⊂    ) __
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