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Dr.コトー診療所 ウブ原→コト3

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                     |  コトー初作より。6話~7話の間ぐらい??
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  ウブ原チョト脱線。鳴海登場。
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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このところ秀作続きなので、こんなヘタレSSアップしてよいものか…。幕ステキ!
相変わらずナマヌルイ描写スミマセヌ。

「…っちっ!ったくついてねぇ!!」
東の空が紫色に染まる頃、引いても引いても全く手応えのない
引き縄をたぐり寄せながら、剛利は一人イライラしていた。
昨日、俺は診療所へ行った。
あいつと一緒に酒でも飲んで、戻ってくるはずだった。
それが、あんなことになるなんて。

最初は自分が何をしたかよくわからなかった。
気が付いたら、あいつを押し倒して、口づけていた。
一体何がどうしてそういうことになったのだろう。
あいつもあいつだ。何故ああもあっさり倒されちまうのか。

(だいいち、その先俺はどうするつもりだったんだ!あいつは男だぞ!
あんななよなよして、なまっちろい大根みてぇな奴…)

ふいに、原の脳裏に華奢な健助の首筋が浮かんだ。

「…くそっ!!」

原は縄を船底にたたきつけた。

さらに翌日。すっかり日の暮れた診療所。

「先生、じゃぁそろそろ私、帰りますね~。」「先生、わしも帰るよ。おつかれさまでした。」
「あ、はい。彩佳さん、和田さん、おつかれさまでした。」
パタパタと二人の足音が遠ざかる。

「は~…」
健助は診察室の椅子に座り、盛大なため息をついた。
二人にいろいろと手伝ってもらっているとはいえ、片手片足で診療をするのは、やはり疲れる。
右肩はもう動かせるのだけれど、この前動かしている所を彩佳さんに見つかってしまったら、ものすごい剣幕でしかられてしまった。
つい、少しぐらいなら…と思ってしまうのだが、医学的には確かに、彩佳さんの言うとおりなのだ。
だから、右手は動くけれど、なるべく動かさないように気を付けている。これも健助には堪えるのだった。

それに、まだ熱っぽくてだるい気がする。
(原因は分かってる。あと数日もすれば、収まるだろう。)
そう思いながら、健助は自分の足に巻かれた包帯を見つめた。
見つめながら、心はいつの間にかあの日のことを思い出す。原さんにキスされたあの日。思い出すのは、今だけではなかった。
診療の途中、往診の道すがら、何度もあの日の事を思い出しては、ドキドキしていた。

部屋はシンと静まりかえっている。
健助の鼓動だけが、部屋中に響いている気がする。

(…っそうだ!他の人とのキスはどうだったっけ。)
顔を赤くしながら、必死で健助は考える。
(えーっと、えーっと、えーっと……内さん!……じゃない咲ちゃん!!そうだ咲ちゃん。)
僕が研修医だった頃に知り合った、僕の憧れの人。
僕たち同期のマドンナだった。
(咲ちゃん…)
同期の飲み会だからと無理矢理誘われた。
医局の誰が綺麗だとか、格好いいとかいう話しになり、お互いの好きな人の話になった。
その宴上で、咲ちゃんが、どうしてあんな事を言ったのか、
「私、五島先生のことが、好きよ。」
唐突にそういって皆の前で僕にキスをしてきた。
あのときも心臓が爆発しそうだった。でも、あのときはどうして僕が?という驚きと、皆の前でされたことの驚きで一杯だった。もちろん嬉しかったが、今感じているドキドキとは、少し違うような気がする。
それから…それから…?

(あぁ…そうだ…飲み会で思い出した……)

健助は机の上にずるずると突っ伏した。
それは健助も忘れかけていたことだった。

それは、研修医として第二外科に配属されたばかりの頃だった。
風邪でダウンした先生の替わりにと急遽夜勤に借り出され、そのまま翌日の日勤へとなだれ込んだ日。眠いのを必死で我慢し、術後の検討会もなんとか乗り切り、あともう少しで勤務が終わろうかという頃、廊下で背中をポンと叩かれた。
「よぅ、五島センセ。」
「あ、柏木先生。お久しぶりです。」
それは同期の柏木だった。柏木は口元をカルテで隠し、健助の耳元にささやく。
「ちょうど良かった、みんなで今夜飲みに行こうって話ししてたんだ。おまえも来いよ。7時半に新宿東口。いいな。」
「えっ…?いやあの、でもその僕…」
健助は口ごもった。研修医の待遇なんて皆同じだ。眠いから参加したくない、とは言いにくい。
「じゃそういうことで。じゃな!」
「あっ、ちょっ、柏木せ…」
健助の静止には耳を貸さずに、柏木はあっという間に角を曲がって行ってしまった。

夜の繁華街の一角にて。
病院から離れた安心感もあって、研修医の一行は皆、酔っぱらって言いたい放題、
飲めや歌えやの大騒ぎになっていた。
そんな中、座敷の端で眠い目をこすりながら、健助は一人でウーロン茶を飲んでいた。
(みんな、すごい事言ってるなあ…)

と、すっかり出来上がった柏木がやってきて、健助の横に座った。
「な~五島~ぉ、好きだ~~キスしよ~~。ん~っ」
「!!!っか、柏木先生!ちょ、ちょっとやめてください…っ」
健助は自分に覆い被さろうとする柏木を押し戻す。
「なんだよ~ちょっとぐらいいいじゃないか~。な~?減るもんじゃなし~。前からお前としてみたかったんだよ~」
「うわっ!ちょ、ちょっと!!っせ、先生、ほら、飲みましょ?ねっ?」
なんとか気を別の方向に向けようと、グラスを勧めてみるが、柏木は無視してさらに迫ってくる。

柏木の手を振り払いながら、困ったなあと思っていたとき、
向かい側で静かに日本酒を傾けていた男が話しかけてきた。
「…五島先生、だっけ?」
「っは?え?あ、はい。五島です。えぇっと、あなたは…?」
柏木との攻防戦をなんとか維持しながら、健助は男に尋ねた。同期なので面識はあるが、これまで一度も話しをしたことがなかったからだ。
「鳴海だ。今は柏木先生と同じ、脳外にいる。」
「僕は2外で…。うわあっ!!」
「君も大変だな。そいつはキス魔なんだ。いい加減諦めろ。」
そういって、鳴海はフッと笑った。
「あ、諦めろって、そんな!い…嫌…ですっ…な、鳴海先生、た、助けて!」
鳴海はうっすらと笑みを浮かべたまま、言った。
「助けてあげてもいいが。その代わり」
「…その代わり?」
「この盃を空けたら、助けてやろう。」
鳴海は冷静な声でそう言って、ゆっくりと盃を健助の前に置いた。
(ど、どうしようっ?!)
柏木の目はだんだん本気になってきていた。どう頑張っても、
柏木との体格差からして、きっとあと数秒も保たないだろう。
(ええぃ、ままよっ!)
健助は柏木の腕をするりと抜け、盃を一気にあおった。

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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 思ったより長くなったので一旦キリマス
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